妊娠中に、愛猫が急に甘えたり、寄ってくることが多くなったと感じたことはありませんか?猫は敏感な生き物であり、飼い主の体調の変化に気づくことがあります。本記事では、猫が飼い主の妊娠が分かる理由や、その際に甘えてくる行動の背景、そして妊娠中の猫との接し方について詳しく解説します。猫との絆を深めながら、安心して妊娠期間を過ごせるようにしましょう。
- 猫が飼い主の変化に気づくといわれる手がかり(におい・ホルモン・体温)
- 妊娠超初期から臨月まで、時期ごとに語られる猫の変化
- 猫が甘えてくる・そばに寄ってくる行動の意味
- 妊娠中に猫と安全に暮らすための衛生面の注意点
- 妊娠しているかどうかを確かめる方法(妊娠検査薬と医療機関の検査)
猫は飼い主の妊娠を察知する?猫が感じ取る変化とは

妊娠中のホルモン変化を猫が感じ取ることについて
猫は驚くほど敏感な動物で、飼い主の体調や感情の変化を察知する能力に優れています。妊娠中の女性の体にはホルモンの変化が生じますが、猫はこれを嗅覚を通じて感じ取ることができると考えられています。特に妊娠初期にはエストロゲンやプロゲステロンといったホルモンの量が急激に変化し、それが体臭や皮膚の分泌物の微妙な変化をもたらします。
猫はこのようなホルモン由来の匂いの変化に非常に敏感であり、妊娠による匂いの変化を通じて、飼い主に何か異変が起きていることに気づくことがあると考えられています。このため、普段とは違う態度を取ったり、急に飼い主に甘えたり寄り添ったりする行動が増えることがあります。
飼い主の行動や体調の変化に対する猫の敏感な反応
妊娠によって飼い主の行動や体調にも変化が生じます。例えば、体がだるくなったり、つわりがひどくて動きがゆっくりになったりすることがあります。こうした変化も猫にとっては見逃せない要素です。猫は飼い主が普段と違う動きをしていることに気づき、それに反応して行動を変えることがあります。
例えば、妊娠中の飼い主が横になっている時間が増えると、猫も一緒に寝そべって寄り添うことが多くなります。これは猫が飼い主を守ろうとしているというよりも、飼い主の体調に合わせて自分の行動を適応させているためです。また、妊娠中の飼い主が不安や緊張を感じていると、猫もそれを感じ取り、普段以上に甘えてきたり、側に寄り添って安心させようとすることがあります。
猫の鋭い嗅覚が妊娠を察知する可能性
猫は人間よりもはるかに優れた嗅覚を持っています。その嗅覚を利用して、飼い主の体に起こる化学的な変化を感じ取っていると考えられています。妊娠中の女性の体はさまざまなホルモンを放出し、それが体臭に影響を与えることで、猫がその変化に気づいている可能性が考えられます。
また、猫はフェロモンなどの体から発せられる化学的なシグナルを敏感に感じ取ることで、飼い主の体に起きている変化に気づくことがあると言われています。これは猫の野生の本能であり、仲間や群れの状態を把握するために、化学的な変化を敏感に感じ取る能力を発達させてきた結果です。
体温のわずかな変化と、猫が暖かい場所を好む習性
においやホルモンと並んで、猫が飼い主の変化に気づく手がかりとして挙げられるのが体温です。妊娠すると、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が続くことで基礎体温の高い状態が保たれ、これが妊娠12〜16週ごろまで続くことが多いとされています。差そのものはごくわずかですが、猫にとっては「いつもより心地よい場所」に感じられている可能性は考えられます。
猫は、体温を保つのに余分なエネルギーを使わずに済む温度帯(熱中性帯)が30〜38℃とされています。ただしこれは「代謝がいちばん負担なく働く温度」を示す数値で、部屋をこの温度まで暖める必要があるという意味ではありません。獣医師の解説では、猫が快適に過ごせる室温の目安は20〜25℃・湿度30〜50%とされています。それでも人の体温は室温より高いため、猫が日なたや毛布のなか、人の体のそばといった暖かい場所を選びたがるのは自然なことだといわれています。妊娠中に愛猫がぴったりくっついて眠るようになったとしても、それは「妊娠に気づいたから」ではなく、単に居心地のよい場所を選んでいるだけ、という見方もできます。
体温の変化を猫が感じ取って行動を変えているのかどうかは、はっきりと証明されているわけではありません。ただ、猫が暖かい場所を選ぶ習性を知っておくと、愛猫のいつもと違う行動を落ち着いて受け止めやすくなりますね。
妊娠超初期〜臨月、猫が甘えてくるのはいつから?時期別に語られる変化と注意点
「猫が急に甘えてくるようになった。もしかして妊娠しているサインなのでは?」——そう感じて調べる飼い主さんはとても多いようです。
ただ、猫が甘えてくる・そばを離れないといった変化は、飼い主さんの体調や生活リズムの変化、季節や室温など、妊娠以外のさまざまな要因でも起こります。猫の様子だけで妊娠しているかどうかを見分けることはできず、確かめられるのは妊娠検査薬と医療機関での検査です。
そのうえで、「猫の様子が変わった気がする」という飼い主さんの声を、妊娠の時期ごとに整理してみます。あくまで飼い主さんの体験として語られている内容であり、猫の反応には大きな個体差があることを前提にお読みくださいね。
| 時期(週数の目安) | 飼い主さん側の変化 | 猫の反応として聞かれること |
|---|---|---|
| 妊娠超初期(0〜4週ごろ/初期の最も早い時期) | 検査薬ではまだ確かめにくい | 「急に甘えるようになった」という声 |
| 妊娠初期(〜13週6日) | つわり・体調の変化が出やすい | 横になるそばで過ごす・後をついてくる |
| 妊娠中期(14週0日〜27週6日) | 体調が安定しやすい | 落ち着く猫と、そっけなくなる猫の両方 |
| 妊娠後期・臨月(28週0日〜) | おなかが大きくなる | おなかの近くで丸くなる・離れない |
妊娠超初期(0〜4週ごろ)|まだ確かめられない時期だからこそ気になる
「妊娠超初期」は、一般に妊娠0週〜4週ごろを指す言葉として広く使われていますが、正式な医学用語ではありません。生理予定日の前後で、妊娠検査薬で陽性が出るかどうかというごく初期の段階を指す表現として定着したものです。なお、妊娠初期とは別の区分ではなく、妊娠初期の中でも特に早い時期を指す言い方とされています。
この時期は検査薬ではまだ確かめにくく、「なんとなく体調が違う」「猫がやたらと甘えてくる」といった小さな変化が気になりやすいタイミングです。体の中ではプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が続き、基礎体温が高い状態のまま推移することがあるとされています。ただし、高温期が続いているからといって妊娠しているとは限りません。ホルモンバランスの乱れなどでも高温期が長引くことがあります。
においや体温、生活リズムのごくわずかな違いを猫が感じ取っている可能性は考えられますが、猫が妊娠そのものを理解しているという科学的な裏づけがあるわけではありません。はっきりさせたいときは、猫の様子を待つよりも妊娠検査薬や産婦人科の受診で確かめるのが確実ですよ。
妊娠初期(〜13週6日)|生活リズムの変化を猫が感じ取りやすい
日本産婦人科医会の資料では、妊娠初期は妊娠13週6日までとされています。つわりで横になる時間が増えたり、においに敏感になったりと、暮らし方そのものが変わりやすい時期です。猫は飼い主さんの生活リズムをよく見ている動物だといわれており、「いつもと違う」と感じて自分の行動を合わせてくることがあると考えられています。そばで丸くなる時間が増えた、後をついてくるようになった、という声はこの時期からよく聞かれます。
時期ごとの行動変化をさらにくわしく知りたい方は、こちらでまとめています。

妊娠中期(14週0日〜27週6日)|落ち着く猫もいれば、そっけなくなる猫も
妊娠中期は妊娠14週0日から27週6日までとされ、体調が安定してくる方が多い時期です。飼い主さんの生活リズムが戻るのに合わせて、猫の反応も落ち着いてくることがあります。反対に「急にそっけなくなった」「距離を置くようになった」と感じるケースもあり、反応の出方は猫によってさまざまです。変化がまったく見られないことも珍しくありませんので、心配しすぎないでくださいね。

妊娠後期・臨月(28週0日〜)|おなかのそばで過ごしたがる猫も
妊娠後期は妊娠28週0日からとされています。おなかが大きくなって姿勢や動き方が変わり、ベビー用品が増えるなど家の中の様子も変化していきます。この時期の猫の行動については、記事後半の「妊娠後期・臨月に猫の行動はどう変わる?」でくわしく解説します。
ここで示した週数は日本産婦人科医会の資料にもとづく目安です。「妊娠超初期」だけは正式な区分ではなく、妊娠初期の中でも特に早い時期を指す一般的な呼び方です。時期の呼び方や区切りは、医療機関や自治体の案内によって幅があります。ご自身の妊娠週数は、健診で確認したものを基準にしてくださいね。
猫が妊娠中の飼い主に甘えてくる理由

妊娠中の飼い主に対する猫の保護本能
妊娠中に猫が飼い主に対して急に甘えたり寄り添ってくるのは、猫の保護本能が関係しているとも考えられます。猫は群れの中で信頼している相手に対して保護的な行動をとることがあります。飼い主の体調が変わり、猫が何らかの異変を感じ取ると、自分が近くにいて飼い主を守ろうとする気持ちが働くことがあるのです。
このような行動は特に、飼い主との絆が強い猫に見られやすいです。猫は大切な存在である飼い主に対して、そばにいることで安心感を与え、何か危険があった際にはすぐに対応できるようにしていると言えます。
ホルモンの変化による猫の甘えたくなる気持ち
ホルモンの変化は、猫の行動にも影響を与える要素の一つです。妊娠中の女性からはリラックスを促すホルモンやフェロモンが多く分泌されることがあり、これによって猫が心地よさや安心感を感じやすくなることがあります。そのため、猫は自然と飼い主に甘えたくなり、寄り添うことが多くなるのです。
また、妊娠中の飼い主の体温が少し高くなることもあります。猫は暖かい場所を好む習性があるため、このような体温の変化によって飼い主の側が心地よく感じられるという理由もあります。このため、猫は飼い主にくっついて寝ることが増えたり、常にそばにいようとすることが多くなります。
妊娠により飼い主から感じるリラックスや安心感
猫はリラックスした環境を好む動物であり、飼い主が妊娠中で普段よりも静かに過ごしていると、その雰囲気に安心感を感じることがあります。妊娠中は体調が不安定になりがちなため、無意識に動きが穏やかになったり、横になって休んでいる時間が増えます。このような状態は、猫にとって非常に快適で、ストレスの少ない環境と捉えられます。
猫が飼い主に寄り添って甘えてくるのは、そのリラックスした雰囲気を求めているからでもあります。猫にとって、妊娠中の飼い主の側は静かで心地よい空間であり、そこにいることで安心感を得ることができます。このため、普段よりも甘えてくる頻度が増えることがあるのです。
猫が飼い主に寄ってくる行動の意味

飼い主との絆の強化を求める猫の行動
猫が飼い主に寄ってくる行動は、単に甘えているだけでなく、飼い主との絆を強化したいという気持ちが込められています。特に妊娠中の飼い主が身体的に弱っている場合、猫はそれを察知して「そばにいることで助けになりたい」と考えることがあるのです。猫は本能的に仲間意識が強く、大切な存在に寄り添い、一緒にいることで安心を共有しようとします。
この行動は、猫と飼い主の間にすでに築かれた信頼関係があるからこそ生まれるものであり、猫は飼い主を自分にとって特別な存在と感じています。特に、猫がスリスリして体を寄せてくるのは、飼い主に対する愛情表現であり、絆をさらに強めたいという気持ちの表れです。
妊娠中の飼い主に対する「寄り添いたい」という本能
妊娠中の飼い主に猫が頻繁に寄り添ってくるのは、猫の本能的な行動の一部です。猫はもともと母親が子猫に寄り添い、保護するという強い本能を持っており、それが飼い主に対しても表れることがあります。飼い主が妊娠中に弱々しく見える場合、猫は母猫のように「守りたい」と感じ、常に寄り添うことで安心感を与えようとします。
また、猫自身も飼い主の近くにいることで安心感を得ており、その感覚を飼い主にも共有したいという気持ちが行動に現れています。この寄り添う行動は、猫が飼い主を大切に思っている証拠であり、愛情と保護の意識を反映しているのです。
猫がリラックスできる環境として飼い主のそばにいる理由
猫はリラックスできる環境を非常に重要視します。妊娠中の飼い主は、自分の体調を優先して過ごすため、静かで落ち着いた生活を送ることが多くなります。このような環境は、猫にとっても非常に心地よいものであり、飼い主の側でリラックスすることで自分も安全だと感じています。
特に、猫は暖かくて柔らかい場所を好むため、妊娠中の飼い主が横になっていると、その体のそばが猫にとって理想的な場所となります。このため、飼い主の側に寄ってきて、その温もりを感じながらリラックスすることが増えるのです。猫にとって飼い主のそばは安心して過ごせる特別な場所であり、それが寄り添う行動として現れます。
妊娠中の猫との接し方と注意すべきポイント

妊娠中に猫と安全に過ごすための衛生対策
妊娠中に猫と一緒に過ごすこと自体を、過度に怖がる必要はないとされています。ただし、いくつかの衛生対策は知っておきたいところです。国立健康危機管理研究機構は、猫の糞に含まれるトキソプラズマのオーシスト(卵のようなもの)に触れることを感染源のひとつに挙げ、妊娠中に母親が初めて感染した場合に胎児へ感染することがあると案内しています。同機構は、飼い猫のトイレ掃除はできるだけ避けること(可能であれば他のご家族にお願いすること)、避けられない場合はマスクや手袋を着用して、終了後にしっかり手を洗うことを挙げています。
また、猫と触れ合った後には必ず手を洗い、食事の前などに手指の清潔を保つことが大切です。特に猫の毛に付着した細菌などが手に残らないように注意し、猫と健康的な環境で生活できるようにすることが求められます。
トキソプラズマ症への注意と対策
トキソプラズマ症の感染源は、猫の糞だけではありません。国立健康危機管理研究機構は、感染源を「加熱が不十分な肉を食べること」「土いじり」「トキソプラズマに感染している猫の糞に触れること」の大きく3つに整理しており、空気感染はないとしています。また、先天性トキソプラズマ症は妊娠中に母親が初めて感染した場合に起こるとされています。ご自身の抗体の有無や検査の要否は自己判断せず、かかりつけの産婦人科医にご相談ください。予防としては、猫のトイレ掃除は他の人にお願いし、どうしても自分で行う場合はマスクや手袋を使用して、終わった後にはしっかりと手を洗うことが案内されています。
猫自身がトキソプラズマに感染しないようにすることも、対策のひとつとして挙げられています。環境省のガイドラインは「予防のための注意」として、終宿主である猫への感染を防ぐことが重要だとしたうえで、乾燥フード・缶詰・完全に調理した餌を与えて鳥類やネズミ類の捕食を防ぐこと、猫の便中のオーシストが環境を汚染しないように猫の便器を毎日清掃・消毒すること、できれば室内で飼育すること、餌の残りを速やかに処分することを挙げています。厚生労働省の「動物由来感染症ハンドブック2026」でも、予防として猫に生肉を与えないことが挙げられています。
- 妊娠を理由に飼い猫を手放す必要はありません。「ネコを捨てる必要は決してありません」と明記されています
- 飼い猫のトイレ掃除はできるだけ避けることが案内されています。避けられない場合はマスクや手袋を着用し、終了後にしっかり手を洗いましょう
- 猫の糞に出たトキソプラズマは、感染できる状態になるまでに約24時間かかるとされています。そのため、ふん便の処理は毎日(24時間以内に)行うことが案内されています
- 感染した猫がオーシストを出すのは、初感染後の数日からおよそ2週間までの間のみとされています
- ネコ科動物以外のペットからは感染しないとされています
出典: 国立健康危機管理研究機構「妊婦さんおよび妊娠を希望されている方へ」、同「IASR 43(3), 2022 特集 トキソプラズマ症」、厚生労働省「動物由来感染症ハンドブック2026」(いずれも2026年7月31日参照)
猫に対して落ち着いた環境を提供する方法
妊娠中、猫にとっても環境の変化は大きなストレスの要因となることがあります。特に妊娠後期や出産後、家の中の状況が大きく変わることにより、猫が不安定な気持ちになることがあります。そのため、猫にとって落ち着いた環境を提供することが非常に重要です。
例えば、猫が安心して過ごせる静かな場所を確保し、猫自身がリラックスできるスペースを作ってあげましょう。また、飼い主が妊娠中で体調に変化がある場合でも、猫との日常的な接触や遊ぶ時間を確保することで、猫の精神的な安定を図ることができます。
トイレ掃除を分担できないときの選択肢を整理
公的機関が案内している猫まわりの対策は、大きく3つに整理できます。ひとつめはトイレ掃除はできるだけ自分では行わず、可能であれば他のご家族にお願いすること。ふたつめは避けられない場合はマスクや手袋を着けて、終わったらしっかり手を洗うこと。みっつめはふん便の処理を毎日(24時間以内に)行うことです。ひとつめが基本ですが、いつも家族に代わってもらえる家庭ばかりではありませんよね。ここでは、ふたつめとみっつめを続けやすくするための選択肢を、何が解決して、何は解決しないのかという視点で並べてみます。
ここで挙げる道具は、掃除の手間や、排泄物に触れる回数を減らすためのものです。感染を防ぐことを保証するものではありませんし、「毎日片づける」「終わったら手を洗う」という案内の代わりになるものでもありません。ご自身の抗体の有無や検査の要否など体に関わることは、自己判断せずかかりつけの産婦人科医にご相談ください。
| 選択肢 | 解決すること | 解決しないこと | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| 家族に交代してもらう(費用なし) | 公的機関がまず挙げている方法。自分が排泄物に触れずに済む | 代わってくれる人がいない日の分担は残る | 同居のご家族に頼めるとき |
| 使い捨て手袋・マスク | 排泄物に直接触れずに片づけられる | 毎日片づけること、終わったあとの手洗いはなくならない | 今日から取り入れたいとき |
| システムトイレ(二層式) | 上段のすのこを尿が通り、下段の吸収シートが受ける構造 | 固形のふんは毎日取り除く必要がある(24時間以内に片づける点は変わらない) | 掃除の総量を減らしたいとき |
| 自動猫トイレ | 排泄のあとに本体が固形物を分けるため、スコップを持つ回数が減る | たまった分を捨てる作業は残る。猫が慣れないことがある。対応体重の下限がある | 日中に家を空けることが多いとき |
まずは手袋とマスクから。自分で片づける場合にマスクや手袋を着けることは、公的機関の案内にも挙げられています。使い捨てのものなら、片づけるたびに新しいものを使えます。サイズが合わないと作業しにくいので、S・M・Lなどのサイズ表記があるか、粉が飛ばないパウダーフリー(粉なし)かを見て選ぶと使いやすいですよ。
次にシステムトイレ(二層式)です。上段のすのこを尿が通り、下段の吸収シートが受ける構造のタイプで、シートを交換する目安は製品によって異なります。ただし固形のふんは毎日取り除く必要がある点は変わりません。「掃除がいらなくなる」ものではなく「1回あたりの手数を減らす」ものと考えてくださいね。選ぶときは、専用の吸収シートと専用サンドに対応しているかを確かめておくと、あとから消耗品に困りません。なお、本体の寸法は通販ページに書かれていないこともあります。置き場所に入るかどうかが気になる場合は、メーカーの公式サイトや商品パッケージの表示で確認してから購入してくださいね。
吸収シートは消耗品です。「システムトイレ対応」と明記されたものを、入数(枚数)を見ながら用意しておくと切らさずに済みます。
スコップを持つ回数そのものを減らしたい場合は、自動猫トイレという選択肢もあります。排泄のあとに本体が固形物を分けて内部に移すタイプで、日中に家を空けることが多い方には向いています。一方で、たまった分を捨てる作業は残りますし、猫が新しいトイレに慣れないこともあります。製品には対応する猫の体重の下限が決められていることが多いので、愛猫の体重と、設置場所に入る本体サイズは必ず確認してください。子猫のうちは対応体重に届かないこともありますよ。
どの方法を選んでも、できるだけ他のご家族にお願いすること、自分で行うときはマスクや手袋を着けること、毎日(24時間以内に)片づけて、そのあと手を洗うことは変わりません。道具はあくまで、これを無理なく続けるための助けとして考えてくださいね。
妊娠後期・臨月に猫の行動はどう変わる?
妊娠が進んでお腹が大きくなる後期や臨月には、猫の様子がさらに変わったと感じる飼い主さんもいます。体のにおいやホルモンの変化、生活リズムの変化を猫が感じ取り、これまで以上にそばを離れなくなったり、お腹の近くで丸くなったりすることがあるといわれています。猫なりに飼い主さんの変化に寄り添おうとしているのかもしれませんね。なお、体調や行動で気になることがあるときは、無理をせず獣医師にご相談ください。
妊娠後期に入ってからの変化と、入院前にしておきたい猫まわりの準備は、こちらでくわしく解説しています。

猫の行動を理解しながら妊娠期を安心して過ごすには?

猫の愛情表現に対しての対応方法
猫が妊娠中の飼い主に対して愛情表現を示すとき、その行動にどう対応するかが重要です。猫が寄り添ってきたり甘えてきたときには、できる限り応えてあげることで、猫も安心感を得ることができます。ただし、お腹が大きくなってきた場合は、無理をせず、自分にとって負担がない範囲で猫とのスキンシップを楽しみましょう。
猫が膝の上に乗りたがる場合は、クッションなどを使ってお腹に圧力がかからないように工夫し、猫と飼い主が共に快適に過ごせるようにしましょう。猫の行動に柔軟に対応し、彼らの愛情に対してポジティブに接することで、妊娠中も猫との絆を深めることができます。
猫と飼い主の生活リズムを整え、ストレスを減らす工夫
妊娠中は生活リズムが変わることが多いため、猫との生活リズムを調整することも大切です。例えば、日中に飼い主が休む時間が増えた場合は、猫との遊び時間を別の時間に設定し、猫が十分に運動できるように工夫しましょう。また、猫が退屈しないように、おもちゃや爪とぎなどを用意して、猫のストレスを減らす対策を講じることも有効です。
猫は日々の生活において、規則正しいリズムを持つことを好みます。そのため、できるだけ毎日のスケジュールを固定し、食事やトイレの時間を一定に保つことで、猫に安心感を与えることができます。飼い主が安定した生活リズムを保つことが、猫のストレスを軽減し、妊娠期間を共に快適に過ごすためのポイントです。
家族全員で猫との関係を大切にするためのポイント
妊娠中は新しい家族を迎える準備のため、猫に対する接し方が変わってしまうこともあります。しかし、家族全員が猫との関係を大切にすることで、猫が不安を感じずに済むようにすることができます。妊娠中に家族の誰かが猫と積極的に遊んだり、ブラッシングなどのケアを行うことで、猫は愛情を引き続き感じることができます。
また、赤ちゃんが生まれた後に猫が孤立感を感じないように、妊娠中から家族みんなで猫との関係を築くことが大切です。新しい環境への適応が必要な猫にとって、家族の愛情を継続的に感じることができれば、不安を軽減し、新しい生活にスムーズに馴染むことができるでしょう。
「妊婦さんは猫を飼えない」と言われる理由については、こちらで正しい知識を整理しています。

まとめ
猫は非常に敏感な生き物で、飼い主の妊娠による体調やホルモンの変化に気づき、寄り添ったり甘えたりすることがあるといわれています。妊娠中の飼い主に対する愛情表現として、猫が寄ってきたり側にいる行動は、猫が飼い主との絆を深めたいと感じている証拠です。また、妊娠中の飼い主の体から発せられるリラックスした雰囲気に猫が引き寄せられることもあります。
妊娠中の猫との接し方では、トキソプラズマ症などの健康リスクを避けるための対策を講じることが重要です。また、猫にとって落ち着ける環境を提供し、家族全員で猫に愛情を注ぐことで、妊娠中も安心して過ごせるようにしましょう。猫の行動を理解し、その愛情に応えてあげることで、妊娠期を快適に、そして猫との絆を深めながら過ごすことができます。なお、体調に関する判断は必ずかかりつけの産婦人科医にご相談くださいね。
⚠️ 獣医師・専門家へのご相談のお願い
ペットの健康・行動に関することは、かかりつけの獣医師にご相談ください。
妊娠時期に限らず、猫が甘えてくるときの気持ちとサインの見分け方はこちらで詳しく解説しています。

猫と妊娠についてよくある質問
妊娠中の猫との暮らしで、飼い主さんが感じやすい疑問をまとめました。気になることがあるときは、無理をせず専門家に相談しながら、猫との時間を大切に過ごしてくださいね。
- Q猫は本当に飼い主の妊娠が分かるのですか?
- A
猫が妊娠そのものを理解しているかどうかは、科学的にはっきり解明されているわけではありません。ただ、猫は嗅覚や観察力にとても優れた動物です。妊娠中のホルモンの変化による体臭の違いや、体調・生活リズムの変化を感じ取り、いつもと違う態度を見せることはあると考えられています。
- Q妊娠中、猫と一緒に過ごしても大丈夫ですか?
- A
基本的な衛生対策を守れば、妊娠中も猫と過ごすこと自体を過度に怖がる必要はないとされています。注意したいのはトキソプラズマ症で、トイレ掃除はできれば家族に任せ、自分で行う場合はマスクや手袋を着用して終わったら手をよく洗いましょう。猫のトイレは毎日(24時間以内に)片づけることも案内されています。個別の感染リスクや検査の要否は、自己判断せずかかりつけの産婦人科医に相談してください。
- Q猫が膝やお腹に乗りたがります。乗せても問題ありませんか?
- A
お腹が大きくなってきたら、無理のない範囲でスキンシップを楽しむのがおすすめです。膝に乗りたがるときはクッションでお腹に圧力がかからないよう工夫したり、隣に寄り添ってもらう形に誘導したりしましょう。お腹の張りや痛みなど気になる症状があるときは無理をせず、心配な場合はかかりつけの産婦人科医に相談してください。
- Q妊娠中に、猫を飼っている友人の家へ遊びに行っても大丈夫ですか?
- A
猫がいるお宅を訪ねること自体を避けるよう定めた公的な指針は確認できませんが、トキソプラズマへの配慮は必要です。公的機関の情報では、猫のトイレ掃除はできるだけ避け、避けられない場合はマスクや手袋を着用して終了後にしっかり手を洗うこと、猫は全身を舐めるためキスなどのスキンシップも避けた方がよいとされています。よそのお宅でも考え方は同じで、猫トイレや猫砂には触れず、猫と触れ合ったあとは手を洗いましょう。なお、トキソプラズマの感染源は猫だけではなく、加熱が不十分な肉や土いじりからの感染にも注意が必要とされています。ご自身の抗体の有無や検査の要否は、自己判断せずかかりつけの産婦人科医に相談してください。くわしくは妊婦に猫は危険?トキソプラズマの正しい知識でも解説しています。
- Q妊娠が分かってからも猫の様子が変わりません。問題はありませんか?
- A
変化が見られない猫は珍しくありません。猫の行動には大きな個体差があり、もともとマイペースな猫や、飼い主さんの生活リズムがあまり変わらなかった場合には、目立った変化が出ないこともあると考えられています。変化がないこと自体が問題というわけではないので、心配しすぎないでくださいね。ただし、食欲が落ちた、トイレの回数が変わったなど猫自身の体調で気になる点があるときは、かかりつけの獣医師に相談してください。
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