猫の爪切りがうまくいかない、途中で嫌がって逃げてしまう——そんなとき、じつは使っている道具がうちの子に合っていないだけ、ということがあります。猫用の爪切りには、ギロチン式・ハサミ型・ニッパー型・電動やすりなど、いくつかのタイプがあり、それぞれ向いている猫や飼い主さんが違います。この記事では、猫用爪切りのタイプごとの違いと選び方・タイプ別のおすすめ6選・使うときの注意点を、飼い主さん目線でまとめました。うちの子に合う一本を見つける参考にしてみてくださいね。
猫の爪切りは「道具選び」で変わる
猫の爪切りは、力まかせに切るものではなく、猫の爪の形に合った刃で、すっと切るのが基本です。道具が合っていないと、切るのに時間がかかったり、猫が違和感をおぼえて嫌がったりすることにつながります。まずは、なぜ「猫用」の爪切りを選ぶ必要があるのかを見ていきましょう。
人間用の爪切りが向かない理由
猫の爪は、人間の平たい爪とは形がまったく違います。先が細くとがっていて、横から見ると弧を描くようにカーブした形をしています。人間用の爪切りは平たい爪を上下からはさむ作りのため、猫のカーブした爪に当てると、うまく刃が入らず爪を押しつぶすような切り方になってしまうことがあります。そうなると、切り口が割れたり、猫が違和感をおぼえて爪切りを嫌いになってしまうことも。猫用の爪切りは、猫の爪の形に合わせて刃の形が作られているため、少ない力ですっと切りやすいのが特長です。
爪とぎをしていても爪切りは必要
「爪とぎをしているから爪切りは不要では?」と思われるかもしれませんが、爪とぎは古い爪の層をはがして爪先をとがらせるための行動で、爪の長さを短くするものではありません。伸びたままの爪は、カーテンやカーペットに引っかかったり、遊んでいるときに人や同居の子を傷つけてしまったりすることがあります。爪とぎと爪切りは役割が違うため、どちらも用意しておくのが基本と考えておきましょう。
切り方・頻度のくわしい手順はこちら
この記事は道具の選び方に絞ってご紹介します。「どのくらいの頻度で切ればいい?」「どこまで切っていいの?」「嫌がる子はどうすれば?」といった切り方の手順や頻度の目安については、こちらの記事でくわしく解説しています。あわせて読むと、道具選びから実際の爪切りまでつながりますよ。

猫用爪切りのタイプと特徴
猫用の爪切りは、大きく分けてギロチン式・ハサミ型・ニッパー型・電動やすりの4タイプがあります。それぞれ、切る仕組みも、向いている猫や飼い主さんも違います。まずは、タイプごとの特徴を知っておきましょう。
ギロチン式|輪に爪を通してスパッと切る
先端の輪(穴)に爪を通し、ハンドルを握ると刃がスライドして切るタイプです。切れ味がよく、少ない力でスパッと切りやすいのが特長で、動物病院やトリミングサロンでも使われています。一方で、輪に爪を通す作業に慣れが必要で、切る位置が輪に隠れて見えにくいという面もあります。爪切りに慣れている飼い主さんや、猫がある程度じっとしていられる場合に向いています。子猫の細い爪だと輪が大きすぎて通しにくいこともあります。
ハサミ型|見ながら切れて初めてでも扱いやすい
その名のとおり、ハサミのように刃を開いて爪をはさんで切るタイプです。猫の爪の形に合わせて刃がカーブしているものが多く、切る位置を目で見ながら切れるのが最大の利点です。使い方が直感的で、爪切りが初めての飼い主さんでも扱いやすいタイプといえます。刃が小さめの製品が多く、子猫や細い爪にも対応しやすいです。硬く太い爪の場合は、ギロチン式やニッパー型のほうが切りやすいこともあります。
ニッパー型|硬い爪・シニア猫の爪にも力が入りやすい
工具のニッパーに似た形で、両側から刃を合わせて切るタイプです。てこの原理が働くため力が伝わりやすく、硬く太い爪でも切りやすいのが特長です。シニア猫のように爪が厚く硬くなってきた子や、大型の猫に向いています。ハサミ型と同じく切る位置を見ながら切れます。刃がしっかりしているぶん本体がやや大きめで、細かい操作には少し慣れが必要です。
電動やすり|切らずに削る・音や振動に慣れが必要
刃で切るのではなく、回転するやすりで爪の先を少しずつ削るタイプです。少しずつ削るため切りすぎにくく、切り口がなめらかに仕上がりやすいのが特長です。ただし、モーターの音や振動を嫌がる猫は少なくありません。音に敏感な子には向かないことがあるため、いきなり使わず、スイッチを入れた状態を離れた場所で見せるところから、少しずつ慣らしていく必要があります。爪切りのあとのとがった切り口をなめらかに整える仕上げ用として、他のタイプと併用する使い方もあります。
どのタイプにするか迷ったときは、まずハサミ型から試してみるのがおすすめです。切る位置を目で見ながら切れるので、初めての飼い主さんでも扱いやすく、子猫から成猫まで幅広く使えます。使ってみて「もっと切れ味がほしい」ならギロチン式、「爪が硬くて力が要る」ならニッパー型、「切るのが不安・仕上げを整えたい」なら電動やすり、とうちの子に合わせて買い足していくと失敗しにくいですよ。
猫用爪切りの選び方
タイプが決まったら、次はうちの子と飼い主さんの手に合うかで選びます。爪切りは猫と飼い主さんが一緒に使う道具なので、猫側の条件だけでなく、持つ人の手に合っているかも大切なポイントです。
猫の性格に合わせて選ぶ
うちの子がじっとしていられるか、すぐ動いてしまうかで、向いている道具が変わります。おとなしく抱っこされる子なら、切れ味のよいギロチン式で手早く済ませる方法もあります。逆に、じっとしているのが苦手な子や、すぐ手を引っこめてしまう子には、1本ずつ短時間で切れて、位置を見ながら操作できるハサミ型が向いています。音に敏感な子には、電動やすりは不向きなことがあります。
爪の硬さ・太さ(子猫かシニアか)で選ぶ
爪の状態は、年齢によって変わります。子猫の爪は細くやわらかいため、小さめの刃のハサミ型が扱いやすいです。ギロチン式の輪は、細い爪だと通しにくいことがあります。一方、シニア猫の爪は厚く硬くなってくることがあるため、力が入りやすいニッパー型や、切れ味のよいギロチン式が向いています。多頭飼いで年齢の違う子がいる場合は、子用と大人用で使い分けるのもひとつの方法です。
飼い主さんの手の大きさ・握力に合うか
見落としがちなのが、持つ人の手に合っているかです。ハンドルが大きすぎたり、握るのに力が要ったりすると、手元がぶれて切りにくくなります。手が小さい方や握力に自信がない方は、ハンドルが細めで、軽い力で切れるものを選びましょう。グリップに滑りにくい素材が使われていると、力が伝わりやすく安定します。ニッパー型はてこの原理で力が入りやすいので、握力に不安がある方の選択肢にもなります。
刃の切れ味と、手入れ・買い替えのしやすさ
爪切りでいちばん大切なのが刃の切れ味です。切れ味が落ちた刃は、爪を切るというより押しつぶすような切り方になり、切り口が割れたり、猫が嫌がる原因になったりすることがあります。ステンレス製などさびにくく丈夫な素材を選び、使ったあとは汚れを拭き取って乾かしておきましょう。爪切りは消耗品でもあるため、切れ味が落ちてきたと感じたら買い替えることも大切です。「最近切りにくい」と感じたら、猫のせいではなく刃のせいかもしれません。
LEDライト・爪ガードなどの機能をチェック
製品によっては、あると助かる機能がついています。LEDライト付きは、爪に光を当てて切る位置を確認しやすくするためのもので、黒い爪の子や、暗い部屋で切ることが多い場合の助けになります。爪ガード(ストッパー)は、一度に切れる長さを制限する部品で、切りすぎが不安な方の安心材料になります。ほかにも、切った爪が飛び散りにくい爪キャッチャー付きや、握りやすいカーブハンドルなどがあります。ただし、機能が多いほどよいわけではなく、基本の切れ味と持ちやすさが土台と考えておきましょう。
なお、爪切りとあわせて、爪とぎ器も用意しておくとお部屋の家具を守りやすくなります。デザインや素材の選び方はこちらでまとめています。

タイプ別 猫用爪切りおすすめ6選
ここからは、猫用の爪切りを6つのタイプ別に紹介します。価格や在庫は時期・販売店によって変わるため、最新の情報は各販売ページでご確認ください。うちの子の年齢や性格、爪の状態、飼い主さんの手に合わせて選んでみてくださいね。
1. 切れ味重視の定番・ギロチン式
先端の輪に爪を通して切る、切れ味重視のタイプです。少ない力で切りやすいため、手早く済ませたい飼い主さんや、爪切りに慣れている方に向いています。動物病院やトリミングサロンでも使われている定番の形です。輪に爪を通す操作に少し慣れが必要なので、まずは1本だけ切ってみる、といった短いステップから試してみましょう。成猫の爪に合うサイズを選んでください。
2. 見ながら切れる初心者向け・ハサミ型
猫の爪の形に合わせて刃がカーブした、ハサミのように使うタイプです。切る位置を目で見ながら切れるので、爪切りが初めての飼い主さんでも扱いやすいのが特長です。刃が小さめの製品が多く、子猫から成猫まで幅広く使えます。じっとしているのが苦手な子でも、1本ずつ短時間で切りやすいのがうれしいポイント。どのタイプにするか迷ったら、まずここから試してみるのがおすすめです。
3. 硬い爪・シニア猫にも使いやすいニッパー型
工具のニッパーに似た形で、両側から刃を合わせて切るタイプです。てこの原理で力が伝わりやすく、硬く太い爪でも切りやすいのが特長です。爪が厚く硬くなってきたシニア猫や、体の大きな子に向いています。握力に自信がない飼い主さんにとっても、軽い力で切りやすい選択肢になります。ハサミ型と同じく、切る位置を見ながら操作できます。
4. 切らずに削る・電動やすりタイプ
回転するやすりで爪先を少しずつ削るタイプです。切りすぎにくく、切り口がなめらかに仕上がりやすいため、刃物で切るのが不安な飼い主さんの選択肢になります。爪切りのあとの、とがった切り口を整える仕上げ用としても使えます。ただし、モーターの音や振動を嫌がる猫もいます。いきなり爪に当てず、まずはスイッチを入れた音を離れた場所で聞かせるところから、少しずつ慣らしていきましょう。
5. LEDライト付きで切る位置を確認しやすいタイプ
刃の近くにLEDライトがついていて、爪に光を当てながら切る位置を確認しやすくするタイプです。爪の色が濃くて中が見えにくい子や、夜など明るさが足りない場所で切ることが多い場合の助けになります。爪ガード(切りすぎを防ぐストッパー)や、切った爪が飛び散りにくいキャッチャーがついた製品もあります。機能に頼りきらず、基本の切れ味と持ちやすさもあわせて確認しておきましょう。
6. 子猫・小型の爪に合う小さめタイプ
刃と本体が小さめに作られた、子猫の細くやわらかい爪に合わせやすいタイプです。大きな刃だと爪に対して刃が余ってしまい、細かい位置合わせがしにくくなります。小さめの刃なら、少しずつ位置を合わせながら切りやすくなります。子猫のうちから爪切りに慣れてもらうためにも、扱いやすい道具から始めるのがおすすめです。多頭飼いで年齢差がある場合は、大人用と使い分けるとよいでしょう。
猫用爪切りを使うときの注意点
道具が決まったら、あとは安全に使うことが大切です。猫の爪切りで気をつけたいポイントを確認しておきましょう。
無理に押さえつけない・1本ずつでいい
爪切りでいちばん避けたいのが、嫌がる猫を無理に押さえつけて切ろうとすることです。強く押さえられた経験は、「爪切り=いやなこと」という印象につながり、次からもっと嫌がるようになってしまうことがあります。一度に全部切ろうとせず、1本ずつ、数日に分けて切っても大丈夫です。今日は前足だけ、明日は後ろ足、というペースでも問題ありません。うちの子がリラックスしているタイミングを選び、切れたらほめてあげましょう。
切れ味が落ちた爪切りは使わない
切れ味が落ちた刃は、爪を押しつぶすような切り方になり、切り口が割れたり、猫に負担がかかったりすることがあります。「最近切りにくい」と感じたら、刃の状態を疑ってみてください。爪切りは消耗品なので、切れ味が落ちてきたら買い替えるのが安心です。使ったあとは汚れを拭き取り、乾いた状態で保管しておきましょう。
猫の爪の根元側には血管が通っているため、切りすぎる(深爪する)と出血することがあります。爪切りをするときは、あらかじめペット用の止血剤や清潔なガーゼを手元に用意しておくと安心です。万が一出血したときは、あわてず押さえて様子を見てください。出血がなかなか止まらないとき、猫が強く痛がるとき、爪や指のまわりが腫れている・化膿しているように見えるときは、自己判断せず動物病院に相談しましょう。切ってよい位置の見分け方や、出血したときの対応は、下の記事でくわしく解説しています。
切ってよい位置・頻度の目安・嫌がる子への対処法など、実際の切り方の手順はこちらをご覧ください。道具選びとあわせて読むと、爪切りがぐっとスムーズになります。

よくある質問(FAQ)
- Qギロチン式とハサミ型、どちらを選べばいいですか?
- A
初めての方や、じっとしているのが苦手な子には、切る位置を目で見ながら切れるハサミ型が扱いやすいです。刃が小さめの製品が多く、子猫から成猫まで幅広く使えます。ギロチン式は輪に爪を通して切るタイプで、切れ味がよく少ない力でスパッと切れるため、爪切りに慣れている方や、おとなしく抱っこされる子に向いています。ただし切る位置が輪に隠れて見えにくく、操作に慣れが必要です。迷ったらハサミ型から試してみるのがおすすめです。
- Q人間用の爪切りを猫に使ってもいいですか?
- A
猫用の爪切りを用意することをおすすめします。猫の爪は人間の平たい爪と違い、先が細くとがっていて弧を描くようにカーブした形をしています。人間用は平たい爪を上下からはさむ作りのため、猫の爪に当てると刃がうまく入らず、押しつぶすような切り方になってしまうことがあります。切り口が割れたり、猫が違和感をおぼえて爪切りを嫌いになったりすることにもつながります。猫用は爪の形に合わせて刃が作られているため、少ない力で切りやすいです。
- Q電動やすりは嫌がる猫でも使えますか?
- A
猫によります。電動やすりは少しずつ削るため切りすぎにくく、切り口がなめらかに仕上がりやすい一方で、モーターの音や振動を嫌がる猫も少なくありません。とくに音に敏感な子には向かないことがあります。使う場合は、いきなり爪に当てず、スイッチを入れた状態を離れた場所で見せる・聞かせるところから始めて、少しずつ慣らしていきましょう。どうしても嫌がるときは無理をせず、ハサミ型など別のタイプに切り替えるか、爪切りのあとの仕上げだけに使う方法もあります。
まとめ
- 猫の爪はカーブした形のため、平たい爪用の人間用ではなく猫用の爪切りを選ぶ
- タイプは4つ。ギロチン式=切れ味/ハサミ型=見ながら切れて初心者向き/ニッパー型=硬い爪・シニア猫向き/電動やすり=切らずに削る・音に慣れが必要
- 選び方は「猫の性格」「爪の硬さ・太さ(子猫かシニアか)」「飼い主さんの手の大きさ・握力」「刃の切れ味と手入れ」「LEDライト・爪ガードなどの機能」をチェック
- 迷ったら、切る位置を見ながら切れるハサミ型から試すと失敗しにくい
- 深爪すると出血することがあるため止血剤を用意。無理に押さえつけず1本ずつでOK。出血が止まらない・痛がるときは動物病院へ
猫の爪切りは、うちの子に合った道具を選ぶだけで、ぐっとやりやすくなります。ポイントは、猫の性格と爪の状態、そして飼い主さんの手に合うか。迷ったら、切る位置を見ながら切れるハサミ型から試してみてください。切れ味が落ちたら買い替えることも忘れずに。無理に押さえつけず、1本ずつのペースで大丈夫です。うちの子に合う一本を見つけて、お互いに負担の少ない爪切りタイムにしてあげてくださいね。首輪やお手入れグッズもあわせて見直したい方は、こちらもどうぞ。

※この記事は一般的な情報をまとめたものです。製品の仕様や使い方は各製品の説明書をご確認ください。出血が止まらないとき、猫が強く痛がるとき、爪や指のまわりに異常が見られるときは、かかりつけの獣医師に相談してください。
