赤ちゃん用のベビーゲートは、猫よけとしても使えそうに見えます。置くだけのタイプなら工事が要りませんし、キッチンや玄関の間口にちょうど収まる幅がそろっているからです。
ところが、ベビーゲートを作っているメーカー自身が「登れるようになったら使用を中止してください」と取扱説明書に書いています。赤ちゃん向けの基準で作られた道具なので、最初から登れる猫は想定の外にいるわけです。
この記事では、ベビーゲートの高さと取扱説明書の注意書きから、猫に効くのか効かないのかを見ていきます。逆に「赤ちゃんは止めたいけれど猫は通したい」という場合の選び方も、後半でまとめました。
ベビーゲートが猫に効かない理由は、高さと固定の仕方にある
ベビーゲートが狙っているのは、「大人がまたげて、赤ちゃんがまたげない高さ」です。そのため大人の歩幅で越えられる高さに収まっていて、猫にとっては低い柵でしかありません。日本育児の定番シリーズを並べると、その数字がはっきり見えます。
| 商品 | 高さ | 設置の仕方 |
|---|---|---|
| おくだけとおせんぼ | 60cm | 置くだけ(固定しない) |
| おくだけとおせんぼ おくトビラ | 70cm | 置くだけ(固定しない) |
| スマートゲイトⅡ | 91cm | 壁に突っ張って固定 |
「大人はまたげる高さ」が、そのまま売りになっている
置くだけタイプは、大人がまたいで通れることを利点にして売られています。つまり人が片足を上げれば越えられる高さなので、猫なら助走も要りません。いちばん高いモデルでも、柵の上には天井までの空間がまるごと残ります。
置くだけタイプは固定していないので、押されると動く
取扱説明書には「本製品は、固定せずに使用する製品です」と明記され、寄りかかったりぶらさがったりしないよう求められています。倒れたり壊れたりするからです。猫が体当たりすれば同じことが起きるうえ、倒れた柵の下に猫が入っていれば止めるはずの道具がケガの原因になります。
「登れるようになったら使用を中止」という条件がある
同じ取扱説明書は、子どもがフェンスに登れるようになったら使用をやめるよう書いています。対象年齢も6ヵ月から満2歳頃までと区切られていて、登る相手に使う前提がそもそもありません。猫は迎えた初日から登れるので、使い方を工夫して越えられる差ではありません。
同じ会社が、猫用には高さ190cmのフェンスを別に作っている
日本育児にはPetselectというペット向けのブランドがあり、猫の脱走防止フェンス「のぼれんニャン」を出しています。ベビーゲートを作っている会社が、猫向けには別の寸法で作り直しているわけです。
| 見るところ | ベビーゲート | 猫用の脱走防止フェンス |
|---|---|---|
| フェンスの高さ | 60〜91cm | 170〜190cm |
| 設置の高さ | 床から柵の天面まで | 181〜245cm(天井まで突っ張る) |
| 想定している相手 | 歩きはじめの子ども | 猫 |
| 越えられたときの扱い | 使用を中止する | 高さと扉で越えさせない |
猫がどれだけ跳べるかという数字を持ち出すまでもなく、作っている側が「この高さでは足りない」と判断していることが寸法に出ています。しかも猫用は天井まで突っ張る構造なので、上を越える道も、押し倒す道も残りません。
天井まで届くかどうかが、いちばんの分かれ目
柵の上に空間が残っていれば、猫はそこを通ります。だから高さを少し足すより、天井まで届く形に替えるほうが結果が変わります。賃貸で壁にねじを使えない場合でも、突っ張り式なら跡を残さずに設置できます。
どの場所に何を置くかは、グッズ側の記事で比べられる
玄関、窓、ベランダでは、向いている道具が変わります。柵がよい場所とネットがよい場所を分けて整理した記事があるので、置き場所が決まっているならそちらから選んでください。

ベビーゲートが役に立つ場面と、立たない場面
猫を閉じ込める道具としては力不足でも、使いどころが残っていないわけではありません。猫がそこにいることを人が分かっている時間なら、一拍だけ足止めする役は果たします。
玄関の「一拍の足止め」には意味がある
宅配の受け取りのように、人が玄関にいる数十秒だけの話なら、低い柵でも飛び越えるまでの一拍が生まれます。その一拍で抱き上げられるなら十分です。反対に人が見ていない時間の仕切りとしては当てにできませんので、留守番や就寝中は扉を閉めるほうへ切り替えましょう。
踏み台になるものを先に片づける
取扱説明書は、フェンスの近くに踏み台になる物を置かないよう求めています。子ども向けの注意ですが、猫にはシューズボックスも段ボールも踏み台になります。柵のそばから、乗れるものをどけておくと、高いところから飛び降りて越えるルートだけは消せます。
倒れる向きを決めておく
置くだけタイプは、どちらへも倒れます。猫が体当たりする側を見ておいて、倒れた先に猫が入り込むすき間を作らないようにしておくと安心です。家具との間に数センチだけ空いている場所は、いちばん気づきにくいので先に埋めておきましょう。
「赤ちゃんは止めて、猫は通したい」ときの選び方
赤ちゃんと猫が同じ家にいる場合、求めるものが逆になります。赤ちゃんだけを止めて、猫は行き来させたいという条件です。この場合はベビーゲートのままで解決できます。
猫用のくぐり戸が付いたものを選ぶ
ゲートの下側に小さな扉が付いた製品なら、猫はそこを通り、赤ちゃんは通れません。猫が自分で押して通る形なので、通り道として覚えるまでに時間がかかることだけ見ておいてください。はじめは扉を開けた状態で固定して、通り道として覚えてもらうと早く慣れます。
下のすき間で代用しない
猫を通すために床とのすき間を広げると、ハイハイの赤ちゃんも同じところを通ります。すき間は猫のための扉として作られた部分だけに残して、ほかは詰めておきましょう。ゲートがずれてすき間ができていないかは、取扱説明書でも点検するよう求められています。
よくある質問
本文で触れきれなかった、周辺の条件をまとめます。
- Qベビーゲートを2段重ねれば猫を止められますか?
- A
すすめられません。重ねた時点で取扱説明書の使い方から外れますし、上側が固定されないので倒れやすくなります。高さが必要なら、はじめから天井まで突っ張る製品を選ぶほうが安全です。
- Qうちの猫はベビーゲートを越えません。このままでよいですか?
- A
人がいる時間の仕切りとしてなら、そのままで構いません。ただし玄関や窓のように外へつながる場所は別です。越えなかった実績は、驚いて走った日には当てはまらないと考えておきましょう。
- Q犬にはベビーゲートで足りますか?
- A
犬は体の大きさで変わるので、猫ほど一律ではありません。犬用のゲートは高さと固定の仕方で選び分けられるようになっているため、犬向けに作られたものから選ぶほうが早く決まります。

まとめ|高さを足すのではなく、天井まで届くものに替える
ベビーゲートで猫が止まらない理由は単純で、赤ちゃん向けの寸法で作られているからです。取扱説明書も、登れる相手には使わないよう書いています。工夫で埋まる差ではないと考えてください。
外へつながる場所を仕切るなら、柵の上に空間を残さない形へ替えるのが近道です。同じ会社が猫向けに出している製品も、床から天井までをふさぐ作りになっています。
逆に、赤ちゃんだけを止めて猫は通したいなら、ベビーゲートのままで解決できます。猫用のくぐり戸が付いたものを選び、ほかのすき間は詰めておきましょう。家じゅうの脱走対策をまとめて見直したいときは、場所別に整理した記事からどうぞ。

出典: 日本育児「おくだけとおせんぼ」/日本育児「おくだけとおせんぼ おくトビラ」/日本育児「スマートゲイトⅡ」/日本育児「おくだけとおせんぼ 取扱説明書」/Petselect by 日本育児「のぼれんニャン バリアフリー Quick」(2026年10月5日確認)
