本記事では、猫におすすめのキャットホイールをはじめ、使わない場合の対処法や自作できるか、安全に使用できるよう想定される事故などをご紹介します。猫用ルームランナーともいえる「キャットホイール(ランニングホイール)」は、猫のダイエットや室内猫の運動にちょうどいいグッズです。静かなタイプや比較的安いタイプもあるので、飼い主さんも買いやすいキャットホイールがありますよ。
キャットホイールとは?
キャットホイールとは、猫が自分の意思で走ったり歩いたりできる円形の回転ホイール型運動器具です。言わば「猫専用のランニングマシン」であり、走る動きに合わせてホイールが回転し、屋内でも自然な運動を行うことができます。
構造はシンプルで、猫が歩く・走るとホイール部分が回転する仕組み。摩擦を最小限に抑えた設計により、軽い力でもスムーズに動き、猫がストレスなく使用できます。素材は木製・プラスチック製・カーペット張りなどがあり、滑りにくく静音性が高いタイプが人気です。
- 円形の走行ホイール(カーペットやコルク素材)
- 安定性を保つスタンド・ベース
- 滑り止め付きの走行面
- 静音回転ベアリング
- 脱着・掃除がしやすい構造
キャットホイールはもともと海外(特にアメリカ・韓国)で普及し、室内飼い猫の運動不足やストレス軽減を目的に開発されました。日本でも2023年以降、SNSを中心に人気が急上昇。運動量の確保だけでなく、猫の好奇心を刺激する「遊び道具」としても注目されています。
とくにマンションやアパートなど、屋外に出られない環境の猫にとっては、キャットホイールが重要な運動手段となります。猫が自然と走ることで、筋肉維持・肥満予防・ストレス解消など多くの健康効果が期待できます。
また、デザイン性の高いモデルも多く、木製フレームやナチュラルカラーなど、インテリアに調和する製品も増えています。
キャットホイールの効果は?
キャットホイールは単なる遊具ではなく、猫の身体と心の健康を支える「運動補助器具」ともいえます。特に室内飼いの猫にとって、適度な運動を継続できる貴重なアイテム。ここでは、キャットホイールが猫にもたらす効果を解説します。
運動不足の解消と肥満予防
完全室内飼いの猫は、自然界のように狩りや探索行動を行う機会が少なく、運動不足になりがちです。その結果、肥満や筋肉の衰え、生活習慣病のリスクが高まります。キャットホイールは猫が自分のペースで走ることができるため、自然に有酸素運動ができるのが大きな魅力です。
1日5〜10分でもキャットホイールで走る習慣がつけば、代謝が促進され、脂肪燃焼にも効果的。特に若い成猫や太りやすい猫にとって、肥満対策として非常に有効です。
ストレスや問題行動の軽減
猫はもともと「狩猟本能」を持つ動物です。動かずに退屈な時間が続くと、ストレスが溜まり、夜鳴き・家具の破壊・粗相などの問題行動を起こすことがあります。キャットホイールを使うことで、この本能的なエネルギーを安全に発散できます。
特に若い猫や遊び好きな猫は、ホイールを走ることで満足感を得やすく、精神的にも落ち着く傾向があります。定期的に運動することで、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌が減少し、リラックスした性格に変化するケースもあります。
筋力・柔軟性の維持
キャットホイールで走る動作は、後ろ足の筋肉や背中の柔軟性を鍛えるトレーニングにもなります。
また、走行中にバランス感覚を使うため、俊敏性や運動神経の維持にも効果的です。これにより、運動不足によるストレスや怪我のリスクを減らせます。
- 運動不足・肥満予防
- ストレス・問題行動の軽減
- 筋肉・柔軟性の維持
- 飼い主とのコミュニケーション促進
キャットホイールの選び方
キャットホイールは見た目が似ていても、構造や安全性には大きな違いがあります。猫が安心して使うためには、安全性・サイズ・静音性・素材・デザインなどをしっかり確認して選ぶことが大切です。ここでは、購入前にチェックしておきたい5つのポイントを解説します。
サイズと安定性で選ぶ
猫の体格に合わないサイズのホイールは、転倒やケガの原因になります。直径90〜120cm程度が標準的な大きさで、成猫が背筋を伸ばして走れるサイズが理想です。大型種(メインクーンなど)は、やや大きめの直径110cm以上を選びましょう。
- 小型猫(〜4kg):直径80〜90cm
- 中型猫(4〜6kg):直径90〜100cm
- 大型猫(6kg〜):直径100〜120cm
また、ホイールが転倒しないようにベースが広く安定性の高い構造を選ぶことも重要です。床面に滑り止め付きのスタンドがあるモデルだと安心です。
安全性を重視する
猫が使う製品だからこそ、安全面の設計は最も重要です。特に次のような安全機能を確認しましょう。
特に安価な輸入品では、ベアリング部分の品質が低く、回転が不安定な場合があります。必ずレビューや販売元の情報を確認し、安全基準を満たしたモデルを選びましょう。
静かさで選ぶ
キャットホイールは夜間に猫が使うことも多いため、静音性は非常に重要なポイントです。音が大きいと猫が怖がって使わなくなるだけでなく、飼い主の生活にも影響します。
- ベアリング付きで摩擦音を軽減
- フェルト・カーペット素材で足音を吸収
- 金属部品が少ない構造
- 床に直接触れない防振設計
特に集合住宅では、静音性35〜40dB(図書館程度)を目安に選ぶと安心です。
素材とデザインで選ぶ
素材は主に「木製」「プラスチック製」「布張りタイプ」の3種類があります。木製はインテリア性が高く、安定感に優れます。プラスチック製は軽くて扱いやすく、布張りタイプは足の負担を軽減できるのが特徴です。
メンテナンス性をチェック
猫の毛やホコリが溜まりやすいため、お手入れのしやすさも選ぶポイントです。走行面が取り外せるタイプや、水拭き可能な素材なら清潔を保ちやすくなります。
また、ホイール内部に毛が絡まない設計や、掃除用ブラシが付属しているモデルも便利です。衛生的に長く使うためには、定期的なメンテナンスを前提に選びましょう。
キャットホイールの使い方と慣れさせ方のコツ
キャットホイールを購入しても、「うちの猫が乗ってくれない」「怖がって全然走らない」という悩みを抱く飼い主さんは少なくありません。猫は警戒心が強く、新しいものに慣れるまで時間がかかる生き物です。焦らず、段階的に慣らしていくことが成功のコツです。
設置場所を工夫する
まずはキャットホイールを「猫が普段よく過ごす場所」に設置しましょう。静かで落ち着いた環境を選ぶのがポイントです。テレビのそばや人の出入りが多い場所は避け、猫が安心して探索できる空間を確保します。
最初の数日は、動かさずにそのまま置いておくだけでOK。猫がにおいを嗅いだり、爪を立てたりするのを見守りましょう。これが「慣れの第一歩」です。
ご褒美を使って自然に誘導する
猫がホイールに近づいたときや、足をかけた瞬間におやつを与えることで「近づくと良いことがある」と学習させましょう。おもちゃ(猫じゃらしなど)を使ってホイールの上に誘導するのも効果的です。
「乗る」行動を無理に教え込むのではなく、猫が自ら興味を示すのを待つことが大切です。焦らず、楽しみながら少しずつ慣らしていきましょう。
ゆっくり動かして“動くこと”に慣らす
猫がホイールに乗るようになったら、飼い主が手で軽くホイールを回し、「動く=怖くない」という印象を与えましょう。いきなり早く回すと驚いてしまうため、ゆっくりとしたスピードから始めます。
数日かけて少しずつスピードを上げていくと、猫が自然と走る動作を覚えます。中には好奇心旺盛で、すぐに走り出す猫もいます。
毎日短時間ずつ継続する
猫の習慣づけには「継続」が重要です。最初は1〜2分程度の使用から始め、慣れてきたら1日5〜10分程度を目安にしましょう。毎日同じ時間に遊ぶリズムを作ると、自然とホイールを使うようになります。
無理強いはNG!猫のペースに合わせる
キャットホイールの導入で最も大切なのは、猫のペースに合わせることです。無理に乗せたり、驚かせたりすると逆効果になり、ホイールを見るだけで逃げてしまうこともあります。
焦らず時間をかけて慣れさせることで、猫はホイールを「楽しい遊び場」として認識します。慣れてくると、自分から乗って走るようになるので、根気強く見守りましょう。
一度慣れてしまえば、キャットホイールは猫の運動不足を解消する最高のパートナーになります。飼い主が正しい使い方を理解し、猫が安心して遊べる環境を整えることが何より大切です。
猫が怖がる・使わない対処法
キャットホイールを購入したものの、猫がまったく近寄らない・使わない・怖がって逃げてしまう──そんな悩みを持つ飼い主さんは多いです。ですが安心してください。猫がホイールを怖がるのはごく自然な反応で、正しい対処をすればほとんどの猫が慣れてくれます。
原因を知ることが第一歩
猫がキャットホイールを怖がる原因は主に以下の3つです。
特に敏感な性格の猫は「初めて見る動くもの=危険」と判断してしまいます。この場合、時間をかけて「安全で楽しいもの」と再認識させる必要があります。
無理に乗せず“環境慣れ”を優先する
最初にやるべきことは、「ホイールを動かさずに置いておく」ことです。数日〜1週間はただ存在に慣れさせましょう。猫が自分から匂いを嗅いだり、近づいたりする行動を見せたら、それだけで大きな進歩です。
この時期に飼い主ができるのは、「怖くないよ」という空気を出すこと。猫がホイールに近づいたら声をかけたり、おやつを与えてポジティブな印象を作ることがポイントです。
音や動きに少しずつ慣らす
猫がホイールの存在に慣れてきたら、次は“音”と“動き”に慣らす段階に進みます。飼い主が手でゆっくりホイールを回し、「動くものだけど危険じゃない」と学ばせましょう。突然の音やスピードは避けてください。
もし猫がびっくりして逃げた場合でも、追いかけたり、再び無理に近づけたりするのはNGです。猫が自分のタイミングで戻ってくるのを待ちましょう。
- 静かな環境で練習する
- 無理に抱っこして乗せない
- おやつや遊びでポジティブな印象を与える
- 短時間ずつ、猫のペースで進める
猫の性格に合わせてアプローチを変える
猫の性格によって慣れるスピードはさまざまです。好奇心旺盛なタイプなら、数日で走り出すこともありますが、慎重・臆病な猫は2〜3週間かかることもあります。無理せず、猫のペースに合わせて進めましょう。
それでも乗らない場合
どうしても猫がホイールを使わない場合は、いったん撤去して数週間後に再設置するのも有効です。時間を置くことで、猫の記憶がリセットされ、再び興味を持つことがあります。
また、走行面にキャットニップ(またたび)を軽く擦りつけるのもおすすめ。香りの刺激で自然とホイールに乗るようになることがあります。
猫が使わない原因の多くは「恐怖」よりも「慣れ不足」です。焦らずに「楽しい時間を共有する」ことを意識しながら、ゆっくり信頼関係を築いていきましょう。
キャットホイールで想定される事故
事故が起こらないよう設計がされていても、誤った使い方をすることで事故が起こる可能性も考えられます。安全に使用できるよう、どんな事故が起こりうるかも確認しておくといいでしょう。
脱輪による事故
キャットホイールのほとんどが、台の上にホイールが乗っている状態です(脱輪しないようにロックが付いているタイプもあり)。そのため走っている時に、何かのはずみで脱輪する可能性があります。ホイールが倒れて猫がケガやしたり、家具を傷付けてしまう場合もあるため注意が必要です。
挟まり事故
主に多頭飼いの方が注意する必要があります。一匹がホイールを回している時に、もう一匹が隙間が気になった時に巻き込まれてしまう可能性があります。そのため一匹ずつ使うように部屋を分けたりする工夫が必要です。
回りすぎによる事故
使い慣れていないと、回しすぎてしまい止まり方が分からなくなる猫もいます。回っている状況で走ることを止めると遠心力で飛ばされてしまいます。そのため、最初は一緒に使ってあげたり、すぐに止めてあげられる環境で使用しましょう。
キャットホイールおすすめ4選
おすすめのキャットホイールを紹介します。商品選びの参考になるレビュー(口コミ)や商品のおすすめポイントもまとめていますよ。
消音パーツで【比較的静か】なキャットホイール

総合評価
(2025年10月時点)お試し向けにもいい【比較的安い】キャットホイール

サイズ | 幅80×奥行35×高さ85cm |
重量 | 7.8kg |
総合評価
(2025年10月時点)【キャットタワー付属】のキャットホイール

サイズ | 直径: 50 cm 外寸: 40 cm x 80cm x 89 cm |
タイプ | 据え置きタイプ |
総合評価
(2025年10月時点)【多機能】のキャットホイール

主な材質 | 木製 |
製品名 | 猫のクライミングフレーム |
自作キャットホイールは危険?安全性の注意点
「市販品は高いから自分で作れないかな?」と考える飼い主さんもいるかもしれません。しかし、キャットホイールの自作はおすすめできません。一見シンプルな構造に見えますが、安全性の確保が非常に難しく、思わぬ事故につながるリスクがあります。
自作キャットホイールの主な危険性
特に猫が勢いよく走ると、ホイールに大きな遠心力がかかります。自作のキャットホイールではこの「回転バランス」や「荷重設計」を精密に調整できず、事故の危険性が高まります。
安全に使いたいなら市販モデルを選ぶ
キャットホイールは見た目以上に精密な構造で、安定性・静音性・耐久性を両立させるには専門設計が欠かせません。特に品質の高い市販モデルは、回転軸の精度・耐荷重テスト・滑り止め素材などが厳しくチェックされています。
- PSE・CE認証など安全基準を満たしている
- ベアリング入りで静音・安定設計
- 滑り止め素材で足元が安全
- 角が丸く加工されている
- 耐荷重が10kg以上で転倒しにくい
特に海外製や安価なモデルを購入する場合は、レビューや販売実績をしっかり確認しましょう。日本国内のメーカー製品は安全基準が高く、サポート面でも安心です。
「自作+市販部品」を組み合わせる方法も
完全自作は危険ですが、市販のベースや回転軸を利用して一部カスタマイズするのは比較的安全です。たとえば外装だけを木製パネルで覆う、走行面にカーペットを貼るなどの軽いアレンジならOK。
猫の安全を第一に考えるなら、「見た目をアレンジする自作」はおすすめですが、「構造を一から作る自作」は避けるようにしましょう。
キャットホイールは猫の健康を支える重要な運動機器です。安価・手軽さよりも、安全性と信頼性を最優先に選ぶことが、愛猫の命を守る最良の選択です。
日本製のキャットホイールはある?
日本製のキャットホイールは、受注生産品のねこクルがあります。ただ、2025年10月時点で納期3カ月待ち状態なので、入手するまでに時間がかかりそうです。
猫用ルームランナー(キャットホイール)はレンタルできる?
2022年11月時点では、猫用ルームランナーをレンタルできるサービスはなく購入または自作のみとなります。価格は1万~5万円が相場です。素材もダンボール製や木製と種類が豊富で好みに合わせやすいです。
楽天・Amazon・ヤフーショッピングで見るキャットホイールの人気ランキング
キャットホイールの人気ランキングは楽天・Amazonにはないので、類似ランキングを集めました。楽天とAmazonは猫用のおもちゃのランキングです。