フローリングで犬が滑らないように、コルクマットを敷く家があります。そして噛んだり、かけらを飲み込んだりする相談も出てきます。
ところが商品の素材表示を見ると、コルクマットはコルクだけでできているわけではありません。表と裏で素材が違う作りのものがあります。
飲み込んだかけらが表の層か、下の層かで、動物病院に伝える内容も変わります。2社の表示を並べて見ていきます。
表と裏で、素材が違うものがあります
アイリスオーヤマの「ジョイントマット(コルク)8mm」は、主要素材が「表面:コルク、裏面:ポリエチレン」と表示されています。つまりコルクは表の面で、裏はポリエチレンです。
国産のコルクメーカーである永柳工業の説明はこうです。「一般的なコルクマットは、厚みが1mm程度の薄いコルクと厚いスポンジを貼り合わせており」。そして自社製品を「業界初!スポンジ不使用の天然コルクマット」として売り出しています。
| メーカー・製品 | 素材 | 厚さ |
|---|---|---|
| アイリスオーヤマ ジョイントマット(コルク) | 表面:コルク、裏面:ポリエチレン | 8mm |
| 永柳工業 オールコルクマット | コルク100%(スポンジ不使用と説明) | — |
ただし永柳工業はコルクマットを売っている会社なので、「一般的なコルクマットは」の部分は自社製品との違いを示す文脈で書かれたものです。アイリスオーヤマのほうは、コルクとポリエチレンがそれぞれ何mmかまでは公開していません。
爪で削れるのは、表の層からです
表と裏が貼り合わせてある作りなら、爪が立つのも、噛んでちぎれるのも表の面が先になります。そこが削れた先に出てくるのは、下の層のほうです。
犬がかじったあとのマットを見るときは、削れた場所の色を見てください。下地の色が見えているなら、かけらに下の層が混ざっている可能性があります。
同じことは猫でも起きます。猫のジョイントマットで調べたときも、問題になっていたのは表面ではなく、ちぎれて塊になる部分でした。
コルクだけの製品もありますが、食べてよいとは書かれていません
永柳工業の製品は、国内の検査機関で測定を受けていて、「フォースター規格においてホルムアルデヒドの放散量が最も少ない最高基準相当の評価を得ています」とされています。
それでも、同じページにこう書き添えてあります。「当社のコルクマットは有害物質を含有しておりませんが、万が一の事故に繋がる可能性がございますので、食べたりする等はお控えください。」
素材が安全だということと、食べてよいということは別だ、という立て方です。かけらが消化管に残れば、材質にかかわらず問題になります。
外されやすいのは、端のパーツです
永柳工業は、一般的なコルクマットの「サイド・コーナーパーツは、2cm程度の幅が狭いタイプが多いです」と書いています。細いパーツは、犬が口をかけやすい形でもあります。
自社製品ではその部分を大きくしていて、「ペット(犬や猫など)が簡単に外したり、噛んでも取れたり壊れたりしにくいのが特徴です」としています。さらに「極小のコルク粒を高密度に圧縮しておりますので、長期間ご使用いただいてもボロボロと崩れません」とも説明しています。
どの製品を使うにしても、見る場所は同じです。端と角が浮いていないか、外して遊んだ跡がないかを先に確かめます。口をかけられる場所を減らすという考え方は、ゴミ箱のフタを選ぶときにもそのまま使えます。
飲み込んだかもしれないときに伝えること
動物病院に連絡するときは、製品名と素材表示を手元に置いてください。表面がコルクで裏がポリエチレンなのか、全体がコルクなのかで、伝わる内容が変わります。
どれくらいの大きさが、いつ無くなったのかも合わせて伝えます。かけらが見つからないときは、マットの削れた跡の大きさが手がかりになります。
飲み込んだあとにどうするかの判断は獣医師の領域なので、この記事では触れません。様子を見るかどうかも含めて、動物病院に聞いてください。
今日のうちにできること
まず、敷いてあるマットの素材表示を探します。パッケージが残っていなければ、製品名でメーカーの商品ページを開けば出てきます。表と裏が別の素材なら、その製品は貼り合わせの作りです。
次に、端と角を押さえます。浮いている場所があれば、そこから外されます。壁まで敷き詰めて端を作らない方法は、床材を替えなくても今日からできます。
そもそも敷かずに滑りを抑えたいなら、塗るタイプの滑り止めもあります。敷物そのものを比べたいときは、カーペットのほうで比べています。
よくある質問
- Qコルクマットのかけらを飲み込みました。コルクなら大丈夫ですか?
- A
素材が何であっても、飲み込んだあとの判断は獣医師の領域です。動物病院に連絡してください。そのとき製品の素材表示を手元に置いてください。アイリスオーヤマのジョイントマット(コルク)は「表面:コルク、裏面:ポリエチレン」と表示されているので、かけらがコルクだけとは限りません。永柳工業は、有害物質を含まない自社製品についても「食べたりする等はお控えください」と書いています。
- Qコルク100%の製品に替えれば、噛んでも安心ですか?
- A
噛むこと自体が止まるわけではありません。永柳工業は自社製品を崩れにくいものとして説明していますが、同じページで食べることは控えるように書いています。素材を替えるのは、崩れにくくするための手であって、飲み込んでよくなる話ではありません。
- Qどこから噛み始めることが多いですか?
- A
端と角です。細いパーツが使われている製品では、そこから外されます。浮いている場所があれば、口をかけるきっかけになります。壁まで敷き詰めて端を作らないようにすると、取りかかる場所が減ります。
まとめ
コルクマットという名前でも、表がコルクで裏がポリエチレンという作りのものがあります。爪や歯が届くのは表の面なので、削れた先に出てくるのは下の層です。
コルクだけでできた製品もありますが、そのメーカー自身が食べることは控えるように書いています。素材の安全性と、飲み込んでよいかどうかは別の話として扱われています。
敷いてあるマットの素材表示を一度見ておくこと。そして端と角の浮きを押さえること。この2つは、製品を買い替えなくても今日からできます。
