「猫 ブラインド」で調べると、出てくるのはブラインドを猫に壊されない方法ばかりです。ひっかき傷に強い素材、羽根が丈夫なタイプ、といった話が並びます。ところが猫の側が危ないほうの話は、ほとんど見当たりません。
ブラインドやロールスクリーンには、上げ下げのための操作用ひもが付いています。これが輪になってぶら下がっている状態について、消費者庁は子どもの首が絡まる事故として注意を出しています。ひもで遊ぶ相手が猫に変わっても、輪の形は変わりません。
この記事では、子ども向けに案内されている3つの対策を猫に当てはめると何が残るのかを見ていきます。いま付いているブラインドでできることと、買い替えるときに見るところも分けてまとめました。
操作用ひもは、輪になっているところが危ない
消費者庁と国民生活センターには、ブラインドなどの操作用ひもやチェーンが子どもの首に絡まった事故が医療機関から届いています。公表されている例には、ロールスクリーンのチェーンに首が引っかかって一時的に窒息状態になった1歳の事故があります。
ひもが付いた製品なら、どれでも起こりうる
しかも、起きるのはブラインドとロールスクリーンだけではありません。ロール式網戸やカーテン留め具など、ひもが付いた製品であれば起きる可能性があるとされています。日本ブラインド工業会も、コードやチェーンのループ部分に首や手足がひっかかることを認識するよう呼びかけています。
遊んでいて絡まる、という入り方をする
想定される要因として挙げられているのは、操作用ひもで遊んでいた、走っていてつまずいた、周辺の椅子やソファから飛び降りたといった場面です。どれも猫が毎日やっていることばかりで、工業会も「手が届くところにコードがあれば、子供には格好の遊び道具」と書いています。遊ぶ相手が猫でも、ひもの側の事情は変わりません。
子ども向けの3つの対策を、猫に当てはめる
工業会が案内している対策は3つあります。そのまま猫に移せるものと、移せないものがはっきり分かれるので、1つずつ見ていきましょう。
| 対策 | 中身 | 猫のいる家では |
|---|---|---|
| ①クリップ | 手が届かない位置に束ねる | 高さでは守りきれない |
| ②ジョイント | 体重がかかるとつなぎ目が外れる | 猫の体重での動作は不明 |
| ③ひも無し | コードで操作しない製品にする | これだけが残る |
①高い位置にまとめる方法は、猫には通じにくい
クリップでひもを上のほうに束ねるのが1つめです。子どもに対しては、あわせて周辺にテーブルや棚、椅子が無いかを確かめるよう求められています。つまり「届く高さ」を家具の配置で管理する考え方です。ところが猫は窓枠にもカーテンレールにも直接上がれるので、家具をどけても届く高さは下がりません。レール側の話は猫がカーテンレールに登るときの考え方にまとめました。
②ジョイントは「体重がかかると外れる」仕組み
2つめのセーフティージョイントは、子供の体重がかかるとコードのつなぎ目部分が外れる部品です。外れてももとに戻せるので、ブラインドはそのまま使えます。ただしどれくらいの重さで外れるのか、猫の体重で働くのかは資料に書かれていません。猫に合わせて作られた部品ではない、というところまでが分かっていることです。
③ひもで操作しないタイプだけが、条件なしで残る
3つめはコードやチェーンで操作しないタイプを選ぶという案内で、ロールスクリーンやたて型ブラインドにそうした製品があります。ひもそのものが無いので、高さも体重も関係ありません。猫がいる家で買い替えるなら、ここから探すのがいちばん確実です。
なお工業会は、安全対策品を使っても事故が完全に回避されるわけではないとも添えています。替えたから見なくてよい、という話ではないと考えておきましょう。
いま付いているブラインドでできること
すぐに買い替えられない場合は、ひもと猫が同じ時間に同じ場所にいないようにしていきます。猫を見ていられない時間ほど効いてきます。
ひもを束ねたうえで、窓辺の足場を見る
まずクリップで束ねます。そのうえで、窓辺に置いた棚やキャットタワーが登り口になっていないかを見てください。猫は床から窓枠まで一息で上がれるので、足場を1つ減らしても経路がすべて消えるわけではありません。束ねて終わりにはせず、ひも無しへの替えどきも頭に置いておきましょう。
留守番の時間は、その部屋を閉める
人が見ていない時間がいちばん長いのは留守番中です。ひものある窓の部屋だけ扉を閉めておくと、その時間ぶんまるごと外せます。留守番のあいだに猫がどこで過ごすかは、部屋の作り方で変わります。

警告タグが付いているか見る
また、操作コードを使う住宅向けの商品には2005年4月から警告タグが添えられています。ひもに体が巻きついたり引っかかったりしないよう求める内容で、取扱説明書やカタログにも安全対策の説明が載るようになりました。タグが見あたらない古い製品なら、それだけ前の世代のものだと分かります。
買い替えるときに見るところ
窓装飾を選び直すなら、猫に関しては見るところが2つに絞れます。ひもがあるかどうかと、規格に合っているかどうかです。
ひもの無い操作方式から先に見る
たとえばロールスクリーンやたて型ブラインドには、チェーンを使わずに手で上げ下げするタイプがあります。猫がいる家では、ここを出発点にして、そのうえでデザインを選ぶ順番にすると迷いません。ひも付きの製品から選び始めると、安全対策品を足す話に引き戻されてしまいます。
規格の名前を覚えておく
さらに、家庭用室内ブラインドに付くコードの安全性についてはJIS A 4811が2017年12月20日に制定されています。子どもの安全性を扱った規格なので猫向けではありませんが、適合をうたっている製品はひもの扱いを設計に入れていることになります。窓まわりをまとめて見直すなら、脱走対策とあわせて考えると一度で済みます。

よくある質問
本文で触れきれなかった、周辺の条件をまとめます。
- Q猫にブラインドを壊されないか、のほうが知りたいのですが。
- A
素材の丈夫さは販売店の記事が詳しいので、そちらが参考になります。この記事で扱っているのは、壊れるかどうかではなく猫のほうです。両方見たうえで決めてください。
- Q猫がひもを噛んで切ってしまいました。
- A
切れた破片を飲み込んでいないかを先に確かめてください。吐く、食欲が落ちる、便が出ないといった様子があれば動物病院へ。ひもを直すときは購入したメーカーへ連絡を。連絡先は取扱説明書やホームページに載っています。
- Qカーテンなら安全ですか?
- A
操作用ひもが無い点は有利ですが、カーテン留め具のようにひもが付く部品は注意の対象に挙げられています。タッセルを下げたままにしない、という形で同じ考え方が使えます。
まとめ|猫に残る対策は「ひもを無くす」だけ
子ども向けに案内されている3つの対策のうち、高さで守る方法は猫には通じにくく、体重で外れる部品は猫の重さでの動作が分かりません。条件なしで残るのは、ひもで操作しないタイプを選ぶことだけです。
一方、すぐに替えられないなら、クリップで束ねたうえで留守番の時間だけ扉を閉めるという形にしておきましょう。見ていられない時間を外せるぶん、いちばん効きます。
窓まわりを見直すときは、コードやひもが垂れている場所をまとめて確かめると手間が1回で済みます。コンセントまわりのコードも同じ考え方で片づけられます。

出典: 消費者庁「Vol.553 ブラインドやロール式網戸などの操作用ひもに注意!」/日本ブラインド工業会「安心してブラインド等をご使用いただくために」(2026年10月5日確認)
