記事内にアフィリエイト広告を含む場合があります

猫のふすま対策|「破けない襖紙はない」ところから選び直す

猫のふすま対策(「破けない襖紙はない」ところから)のアイキャッチ 猫
この記事は約6分で読めます。

張り替えたばかりのふすまに、またたて筋が入っている。そうなると「破けないふすま紙はないのか」と探したくなりますが、張替えを本職にしている畳店は、そこをはっきり否定しています。

東京都北区で四代続く八巻畳店は「襖の表面は紙質のため結論から言うと破けない襖紙はありません」と書いたうえで、「しかし『破けにくい』という襖紙はあります」と続けます。強いふすま紙は実在します。ただし使いどころが決まっていて、売り場もホームセンターのDIYコーナーとは別のところです。

ここでは、その「破けにくい」ふすま紙がどこにあるのか、シートを貼るならどこに貼るのか、そして自分の家のふすまが何でできているかで何が変わるのかを、メーカーと張替え店の説明をたどって見ていきます。

スポンサーリンク

「破けない襖紙はありません」から始まる

八巻畳店が挙げている選択肢は「表面強化襖紙」と「汚れ防止用襖紙」の二つで、「いずれも普通の襖紙に比べて耐久性が強い特徴があり、表面加工により水を弾くので汚れを防止し雑巾での水拭きも可能です」と説明されています。

ただし、この二つを勧める条件が先に書かれています。「極稀に引っかいてしまう・引っかくかもしれない、という程度であれば」。つまり日常的に同じ場所で爪を研ぐ猫は、はじめから想定の外にいます。ここを読み落とすと、強い紙に替えたのに同じ結果になります。

価格についても「通常の襖紙に比べて割高になっています」とだけ書かれていて、金額は問い合わせに回されています。強い紙は高くなる、と考えておくほうが現実に近いでしょう。

ペット向けのふすま紙は、張替えの商品として売られている

この「表面強化襖紙」は、張替え店のメニューにあります。東京都町田市の和彩は「破れにくく傷がつきにくい表面強度に優れたふすま紙です」「犬猫の引っ掻きに強く、おしっこも拭き取ることができるのでペットとお住まいのご家庭に最適です」として、巾90cm×丈185cmの基本サイズで片面5,800円(税抜)の張替価格を示しています。

一方、自分で貼り替えるための売り場には、同じものが並んでいません。リンテックコマースがふすま紙・障子紙として並べている製品のうち、猫に触れているのは「ちょっとふすま紙シール」だけで、その文句は「ネコちゃんの爪とぎ跡や、足元の汚れなどを「上から貼って隠しちゃう」パッとできるふすまの補修」です。防ぐための紙というより、破られたあとを隠すための補修シールにあたります。

同じ会社の障子紙では扱いが変わります。プラスチックを貼り合わせた障子紙には「ペットがいても安心の強い障子紙」「ペットの引っかき傷にも強く」という説明が付き、基本の障子紙のほうには「家の中に小さなお子様やペットがいない環境でしたら、一般的な障子紙で満足」と書かれています。少なくともこの会社の品ぞろえでは、障子は自分で強い紙に替えられて、ふすまのほうにその選択肢が見当たりません。障子側の選び方は猫が障子を破るときの選び方にまとめました。

貼るなら、ふすま紙ではなく木枠に貼る

八巻畳店は、自分でできる方法として「薄いアクリルなどの透明フィルムを貼る」を挙げています。「見栄えは良くありませんが簡単にできて効果は抜群です」という書き方で、柄を隠さずに済む点が理由に挙がっています。

そのうえで、貼る位置に条件が付きます。「次に貼る際は襖紙に直接貼らず、襖の外枠である木製の桟に貼ってください」「紙に貼ると剥がす際に破けてしまうため、外枠に両面テープや養生テープで貼り付けると良いでしょう」。ふすま紙に直接貼ると、はがすときにふすま紙のほうが負けます。賃貸で元に戻すことを考えているなら、ここが分かれ目になります。

厚みにも向き不向きがあります。「アクリルは様々な厚みがあるので厚ければ厚いほど強度は増しますが、その分重くなるのと厚いと襖の開閉で襖同士がぶつかってしまいます」とあり、できるだけ薄いものが勧められています。サイズは家のふすまより大きいものを買う形で、「見栄えを気にしなければ継ぎ合わせても良いですが、継ぎ目に爪を掛けられてしまう可能性もあります」とも書かれています。つなぎ目は、猫にとっては足がかりになります。

なお「猫の爪とぎ防止シート」として売られているものは、貼る面が製品ごとに違います。リンテックコマースがペット用として並べている保護シートは、壁紙・床・ソファ向けで、ふすまは挙がっていません(2026年10月時点)。買う前に、その製品の説明に自分が貼りたい面が書かれているかを見ておくと間違いがありません。壁や柱のほうが先に傷むなら壁や柱に貼る爪とぎ防止シートの選び方もあわせてどうぞ。

ふすまの芯材で、破られたあとの話が変わる

ふすまは見た目が似ていても、中身が違います。アサヒペンはふすまを五つに分けていて、それぞれに挙がっている特徴がはっきり違います。

ふすまの種類芯材挙げられている特徴
本ふすま(組子ふすま)組子ソリやねじれに強い・通気性あり
チップボールふすま組子の簡略形注文住宅で主に使用
板ふすま組子にベニヤ板丈夫・重量がある・枠がはずせない
発泡スチロールふすまプラスチックの発泡体強度が弱い・枠がはずせない
ダンボールふすまダンボール強度が弱い・枠がはずせない
アサヒペンが挙げるふすまの種類と特徴

注意したいのは、発泡スチロールふすまとダンボールふすまに共通して「貼り替えに難点がある」「強度が弱い」「ソリやすい」が並び、どちらにも「最近の住宅に多く使用されています」と書かれていることです。新しい家ほど、貼り替えで元に戻しにくいふすまが入っている可能性があります。

「枠がはずせない」も効いてきます。本ふすまには「貼り替えの即応性がある」と書かれているのに対し、この二つは枠が外れません。逆に板ふすまは「丈夫である」とされていて、「組子にベニヤ板が貼ってあります」という作りそのものが強さにつながります。

手がかりは重さです。板ふすまには「重量がある」、芯材が発泡体とダンボールのものには「軽量で、量産ができる」と書き分けられています。持ってみてはっきり重いなら板ふすまの可能性があります。そこまで分からなくても、張替えを相談するときに芯材を一緒に見てもらうと、紙を替えるだけで済むのかどうかがその場で分かります。

紙をやめてしまった実例もある

滋賀県日野町の三浦表具店は、紙そのものを使わないふすまを自分の家で試しています。発想の出発点は「つまり、ネコちゃんの爪が引っかからない素材で襖を製作すればよい訳です」で、背景には「通常の襖紙は非常にネコちゃんが爪とぎしやすそうな素材感のモノばかり」という見方があります。

使われたのは「そり止め合板」で、表面はつるつるしています。「実際7年間の使用でも破れてる箇所はありません」と書かれていて、構造は通常のふすまと同じなので縁や引き手の交換もできる、とされています。

ただし、この記事は自分の題名を自分で打ち消しています。「ちょっと題名は大げさなのですが、かなり破れにくいと思います」。欠点として「この襖の欠点は襖柄が選べない」ことと、合板のぶん重くなることが挙がっています。参考価格は1本あたり15,000円(税別)からで、注文は滋賀県内限定で通信販売はしていませんと案内されています。

同じものを頼める人は限られますが、考え方は持ち帰れます。紙を強くする方向には上限があって、効いたのは爪が引っかからない面に変えたことでした。アクリルを桟に貼る方法も、行き着く先は同じ発想です。

よくある質問

Q
ふすまを張り替えれば爪とぎは止まりますか
A

きれいになっても、猫が同じ場所を選ぶ理由までは変わりません。八巻畳店が強い襖紙を勧めているのも、ごくまれに引っかく家庭に限った話でした。研ぐ場所そのものを用意し直すほうが先で、その考え方は猫が爪とぎをする理由と場所の決め方にまとめています。

Q
賃貸ですが、ふすまに何か貼っても大丈夫でしょうか
A

貼る先を間違えると、はがすときにふすま紙のほうが持っていかれます。八巻畳店が両面テープや養生テープの貼り先として挙げているのは木の枠のほうで、紙の面は避けるよう案内されています。退去時の扱いは契約によって違うので、管理会社に確認してから進めると安心です。

Q
もう穴があいてしまいました。全部張り替えるしかありませんか
A

リンテックコマースは「ちょっとふすま紙シール」を、爪とぎ跡や汚れを「上から貼って隠しちゃう」ための補修シールとして売っています。一枚まるごと替えるほどでもない傷なら、この手が残っています。ただし芯材が発泡スチロールやダンボールで芯まで抜けている場合は、表面だけ隠しても戻らないので張替え店に見てもらってください。

タイトルとURLをコピーしました