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猫の爪とぎを手作りする|段ボールと麻ひもの作り方・接着剤とひもの扱い方

猫の爪とぎを手作りする方法
この記事は約9分で読めます。

爪とぎは、段ボールと麻ひもがあれば、道具をほとんど買い足さずに作れます。猫は素材の好みがはっきり分かれるので、気に入ってもらえなければ材料を変えて作り直せるのが、手作りならではの強みです。

ここで作るのは、床に置く段ボールの横置きと、角材に麻ひもを巻いた縦型です。手順のほかに、のりの使いどころ、巻いたひもの端の始末、布を貼るときに見るところ、取り替えと捨て方までを並べました。

どちらの型も、猫が全体重をかけて引っかく道具です。崩れないことと倒れないことが、そのまま使ってもらえるかどうかを決めるので、そこを外さずに作れるように書いています。

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段ボールと麻ひも、どちらで作るか

2つの型は、猫がどんな姿勢でとぐかで向き不向きが分かれます。材料も手間も違うので、先に見比べてから作るほうを決めると、途中で材料を買い足さずに済みますよ。

作る型向く姿勢主な材料取り替え方
段ボールの横置き前足を突っ張る段ボール・幅広のゴムバンド中身の板だけ入れ替え
麻ひもの縦型後ろ足で立ち上がる角材・麻ひも・土台の板ひもを巻き直す
手作りの爪とぎ2つの型と、向く姿勢・主な材料・取り替え方

迷ったら、いま家具のどこがとがれているかを見てください。床やラグに前足を突っ張っているなら横置き、壁や柱に立ち上がっているなら縦型が近い形です。どちらの姿勢も見られる猫なら、手間の軽い横置きから試すと好みを確かめやすくなります。

素材の好みや置き場所の決め方は、こちらの記事でまとめています。

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段ボールを重ねる横置きの爪とぎ

横置きは、同じ幅に切った段ボールを立てて並べ、動かないように締めるだけの作りです。カッターを出しているあいだは、猫を別の部屋に入れておきます。刃をしまってから呼びましょう。

目の向きをそろえて切り出そう

段ボールは、平らな紙2枚のあいだに波形の中しんがはさまった板です。爪が入るのはこの波の断面が見えている切り口なので、波の向きをそろえて切り出し、断面を上に向けて並べます。

切る幅は全部そろえてください。この幅がそのまま爪とぎ面の高さになるため、ばらつくと高い板だけが先に削れて、まだ使える板を残したまま平らになってしまいます。長さは、猫が体を伸ばしきっても端からはみ出さないくらいが目安です。

定規を当てて浅く何度もなぞると、一気に押し切るより断面がきれいに出ますし、粉も出にくくなります。なお、粘着テープ、貼り付いた伝票、ホチキスの針が付いている部分は、切り出す前に落としておきましょう。猫が剥がして口に入れることがあるうえ、捨てるときにも外す手間が残るからです。

のりを使わずに束ねよう

板がそろったら、断面を上にして立てて並べ、両側から締めて固定します。ここを接着剤に頼らずに済ませられると、取り替えのときもばらして戻すだけで済みます。

コニシの木工用ボンドの場合、用途として表示されているのは木・布・紙の接着で、耐水性が必要なところには使えません。猫はとぐときに前足の裏を押しつけますし、そのあとで足をなめることもあります。のりが表に出ていれば、口に入る道すじがあるということです。

のりの代わりに、締めて留める

幅の広いゴムバンドを2本、板の束の左右にかけて締めます。底の浅い空き箱や木の枠に詰める方法でも同じことができ、こちらはすき間がなくなるまで板を足していくのがこつです。束の両端に厚紙を1枚ずつ足しておくと、バンドが食い込んで波をつぶすのも防げます。

それでも接着剤を使うなら、猫が爪を立てる面には出さず、メーカーの表示どおりの時間を置いて乾かしてから渡してください。

崩れてきたら締め直そう

使ううちにバンドが緩むと、板が1枚ずつ抜けて、かけらが混じるようになります。抜けはじめた時点で板を足して締め直すほうが、崩れてから作り直すより早く済みますよ。

削りかすは掃除機で吸えば片づきます。爪とぎの下に洗えるマットを1枚敷いておくと、かすごと持ち上げられるので掃除の回数も減らせます。

気をつけたいのは、かけらをかじって飲み込む猫です。食べ物ではないものを自分から繰り返し食べてしまう行動は異嗜(いし)と呼ばれ、素材を替えるだけでは止まらないこともあります。飲み込む様子が続くなら、手作りの爪とぎはいったん引き上げて、まずはかかりつけの動物病院に相談しましょう。ひもを巻いた縦型に替えても、口に入るものがかけらから糸に変わるだけだからです。

麻ひもを巻く縦型の爪とぎ

縦型は、角材に麻ひもをすき間なく巻き、広い板の土台に立てた形です。後ろ足で立って体を伸ばす姿勢でとげるので、壁や柱で立ち上がっている猫に向いています。

すき間なく詰めて巻こう

巻き方のこつは、1周ごとに前の巻きへ指で押しつけて詰めることです。すき間があると、爪を引っかけて体を引き上げるうちに巻き全体が下へずれ、上のほうから木がむき出しになってしまいます。

そのとき、ひもは一度に全部ほどかず、手元に必要なぶんだけ出しながら巻いていきます。長くほどいた輪は絡まりやすく、目を離したすきに猫がくわえて持っていくこともあるからです。

巻き始めと巻き終わりは、土台に接する側や支柱の裏など、猫がとがない面で結んで余りを短く切ります。ここを接着剤で貼ると、なめる面にのりが出るうえ、ほどけたときに直しにくくなります。また、細いひもほど巻く回数が増え、端もほどけやすくなるので、太めのほうが巻き上がりは早く、緩みにも気づきやすいですよ。

巻き終わったら、切れ端と余ったひもは、その場でまとめて猫の手が届かないところへしまいます。

口から見えているひもを、引き出そうとしない

口や肛門からひもが見えていても、飼い主が引っ張り出そうとするのは禁物です。腸の中で絡んだひもは引いても抜けず、代わりに消化管を引き裂いてしまいます。そのまま動物病院へ運んでください。

猫の場合、飲み込んだひもは一方の端が舌の付け根に絡んで動かなくなることが多く、腸の奥へ運ばれていくのは、絡んでいないほうの端だけです。すると腸は、ひもを軸にアコーディオンのようにたぐり寄せられていきます。張ったひもが腸の壁に食い込んで血の流れが止まり、やがて壁を切り裂いてしまうのです。なお、犬でこれが起きるのは胃の出口にあたる幽門部が多く、猫とは進み方が違います。

症状は腹痛、食欲の低下、元気のなさ、嘔吐、下痢などとして出てくることがあります。ひも状のものは、吐かせる処置の対象にならないのが普通です。家で吐かせようとせず、症状が出ていない段階でも早めに連絡してください。

体重をかけても動かない土台にしよう

猫が選ぶのは、とぐあいだに動いたり倒れたりしない支柱です。多くの猫は、後ろ足で立って前足を伸ばしきれる高さも好みます。ここを外すと、いくらきれいに巻けても使ってもらえません。

土台の板は、支柱の高さに対して広く、そして重いほうが安定します。板の裏からビスで支柱を留めたら、床に置いて上から手のひらで体重をかけてみてください。ぐらついたら板を大きくするか、板の下に重しを足します。

壁際に置いて、支柱の上のほうを柱や丈夫な家具に金具で留められると、猫が体を預けても倒れにくくなります。賃貸で壁に穴を開けられないなら、家具の側面に留めるか、土台を広く取って重さで支える形にしましょう。

高さは、猫が後ろ足で立って前足を伸ばしきったところまでにとどめます。そこから先へよじ登れる高さにすると、倒れる危険に落ちる危険が重なります。どれだけの重さを支えられるかも、自分では確かめられません。上下に動ける場所を足したいときは、耐荷重の表示から選べる市販品のほうが向いています。

段ボール製のタワーは、その耐荷重の表示に読み方の癖があるので、こちらの記事で整理しました。

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カーペットや布を貼る前に、糸の織り方を見よう

段ボールの代わりに、布を貼って爪とぎ面にする作り方もあります。ただし布は種類によって爪の入り方が変わるので、貼る前に確かめておきたいことがあります。

注意したいのはループパイルのカーペットです。糸が輪の形で立っているため、爪が輪の中に入るとそのまま抜けにくくなります。抜けずに引っぱられた猫は驚いて暴れるので、そのはずみで生爪ごとはがれてしまうことがあります。

貼るなら、糸の輪が立っていないカットパイルか、麻布のように平らに織られた布が向いています。端がほつれて長い糸が出てきたら、その日のうちに切っておきましょう。細長い糸は、ひもと同じように飲み込むと危ないからです。

なお、爪が伸びていれば布に引っかかる場面はそれだけ増えます。爪とぎをしていても爪そのものは伸びるので、切り方と頻度の目安はこちらを参考にしてください。

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取り替えどきは、見た目ではなく手ざわりで決めよう

ぼろぼろになった爪とぎは、捨てどきに見えます。ですが猫は、ほぐれて裂けた面のほうが爪をしっかり立てられます。気に入って使っているものを、見た目だけで替えてしまうのはもったいないのです。使い込んだ爪とぎには自分のにおいも残っていて、猫にとっては新品より落ち着ける場所になっています。

替えどきは、ぼろぼろに見えるかどうかではなく、爪が引っかかるかどうかで決まります。指でなぞっても爪が引っかからない、押すとかけらがごっそり付いてくる、上から押すとぐらつく。このどれかが出たら、その部分だけを取り替えます。

取り替える部分替えどきの合図捨てるときの分け方
段ボールの板なぞっても爪が引っかからないテープと針を外し汚れがなければ古紙へ
麻ひも指で押すと巻きがずれる古紙には混ぜない
木の枠・支柱上から押すとぐらつく古紙には混ぜない
手作りの爪とぎの部分別・替えどきの合図と捨てるときの分け方

全部を作り直す必要はありません。段ボールならバンドや枠を残して中身の板だけを入れ替え、麻ひもなら支柱と土台を残して巻き直します。においの付いた枠や土台がそのまま残るぶん、まるごと新品にするより早く使ってもらえますよ。

古紙のリサイクルでは、粘着テープ、伝票のような紙、木片や布、においや食品の汚れが付いた紙が、製紙原料にならない禁忌品として扱われます。手作りの爪とぎはこれらが混ざりやすい形なので、捨てる前にひもと木を外し、汚れた段ボールは古紙に出さないでおくと確実です。最後は、住んでいる自治体の分け方に合わせてください。

よくある質問

Q
食品が入っていた段ボール箱でも作れますか?
A

中身のにおいや油の染みが残っている箱は、避けたほうが無難です。汚れの付いた紙は古紙のリサイクルにも回せなくなるので、使い終わったあとの捨て方まで面倒になります。もうひとつ見ておきたいのが乾き具合で、一度濡れて波がつぶれた箱は、断面を上に向けても爪が入りません。手で断面を押したときに、波がへこんだまま戻らない箱は使わないでおきましょう。

Q
支柱に巻くのは、麻ひも以外でもいいですか?
A

巻ける太さのひもなら、ほかの素材でも作れます。ただしどれもひも状であることは変わらないので、端の始末と、余りをその場で片づける手順は同じように必要です。なかでも毛糸やミシン糸のような細い糸は、長いものほど飲み込んだときの症状が重くなりやすいので、材料には向きません。太さと巻きやすさで選んだうえで、切れ端を床に残さないところまでを一続きの作業にしておきましょう。

巻いたひもが短くなっている、切れ端が見当たらない。こうしたことに気づいたときは、猫に症状がなくても早めにかかりつけの動物病院へ連絡してください。ひも状のものは、胃にとどまっているうちのほうが取り出しやすく、体への負担も軽く済みます。繰り返し吐く、食欲が落ちる、ぐったりしているといった様子が加わったときは、時間を空けずに受診してください。

※ひも状異物の引っかかる場所と経過は相川動物医療センターおよびさだひろ動物病院、症状と吐かせる処置の考え方はしらい動物病院、受診の時機と異嗜は電話どうぶつ病院アニクリ24、爪とぎ器の安定性と使い込んだ爪とぎの扱いはASPCAが公開している爪とぎの解説、爪とぎに足の裏の腺でにおいを付けることはAAFP・ISFMが公開している猫の飼育環境のガイドライン、爪が布に引っかかったときの事故はデビフペット、木工用ボンドの用途表示はコニシ、古紙の禁忌品は公益財団法人古紙再生促進センターの各公開情報に基づきます(2026年9月2日確認)。

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