トイレシートの上でしているのに尿が外へ出てしまうときは、しつけをやり直すより先に、トイレの周りに壁を足すほうが手早く片づくことがあります。囲いのついたトイレに買い替えなくても、プラダンやワイヤーネットなど、切って組むだけの材料で自分の家のトレーに合わせて作れます。
この記事では、その囲いを4つの作り方に分けて、出入口・側面・背面それぞれの高さ、いま使っているトレーとの寸法の合わせ方、洗いやすさの3点で比べます。片足を上げる犬の背面は、市販品が体重8kg以下向けで33cm、12kg以下向けで44cmを取っています。この数字を出発点に、切り口や固定でけがをさせないための手順まで寸法つきでまとめました。
扱うのは排泄まわりの囲いだけです。犬を中に入れて閉じておくための柵は求められる強さがまったく違うので、その線引きは最後の章で分けて書いています。
高さは出入口・側面・背面で分けて決めよう
囲いの高さは、ひとつの数字では決まりません。出入口まで高くすると犬が入るのをためらいますし、背面が低いままだと足を上げた尿がそのまま越えていきます。目安は、囲いが最初から付いている市販のトイレが3つの面をどう分けているかを見ると取れます。
| 製品 | 外寸(幅×奥行) | 壁の高さ | 出入口の高さ |
|---|---|---|---|
| お掃除簡単フラットトレー レギュラー | 47.9×35cm | 1.9cm(縁のみ) | 壁なし |
| お掃除簡単ステップ壁付トイレ レギュラー | 49.3×35.3cm | 16.3cm(3面) | 4.3cm |
| お掃除簡単ステップ壁付トイレ ワイド | 64.6×47.4cm | 19.3cm(3面) | 4.3cm |
| しつけ用ステップ L型トレー レギュラー | 48×33cm | 33cm(背面1面) | 3方向が開放 |
| しつけ用ステップ L型トレー ワイド | 62×44cm | 44cm(背面1面) | 3方向が開放 |
出入口は4〜5cmにおさえよう
表を横に見ると、レギュラーもワイドも出入口だけは4.3cmで同じです。トレー自体は15cm以上大きくなっているのに入口が変わらないのは、ここの高さが犬の体格ではなく「またぎやすさ」で決まっているからです。手作りでも、犬が入ってくる面は5cmまでにするか、いっそ壁を作らずに開けておきましょう。
ここを高くすると、子犬や足腰が弱ってきた犬は、またぐ前にあきらめて手前でしてしまいます。そのため、囲いを足したのに失敗が増えたというときは、まず出入口の高さから見直してみてください。
側面と背面は16〜20cmから始めよう
3面が囲われているタイプは、レギュラーが16.3cm、ワイドが19.3cmです。体の大きい犬ほど壁も高くなっているので、手作りするときも、レギュラーサイズのトレーなら16cm前後、ワイドなら20cm前後を出発点にすると外しません。
この高さで足りるのは、しゃがんで排泄する犬と、足は上げるけれど壁に向かわない犬です。数日使ってみて越えるようなら、越えている面だけを足していきましょう。反対に最初から全面を高くしてしまうと、あとで下げたくなったときに板を切り直すことになります。
足を上げる犬は背面だけを高くしよう
片足を上げる犬向けに売られているL字型は、背面1面だけが高く、残りの面は低いままです。この背面の高さは体格で変わり、体重8kg以下向けが33cm、12kg以下向けが44cmです。飛んだ尿を1枚の板で受け止める考え方なので、手作りでも真似できます。上げるのは犬が向く面だけにして、ほかの面は16〜20cmに置いておきましょう。
3面ともこの高さにすると、出入りが窮屈になるうえ、シートを替えるたびに深い箱の底へ手を突っ込むことになります。高くする面を1つに絞れば、その面だけを外して洗う作りにもできます。
どの面に向くかは犬ごとに違い、日によって変わることもあります。作りはじめる前に数日、壁や床のどこが濡れているかを見ておくと、必要な高さが実物で分かります。濡れている位置より数センチ高いところまで板があれば足りるので、体高から計算する必要はありません。
ひとつめは、いま使っているトレーの外寸です。カタログではなく実物を測ってください。ふたつめは、トイレを置いている場所の幅と奥行きで、囲いを足すぶんだけ場所も広がります。3つめが、壁の濡れている高さです。足を上げない犬なら、この3つめは測らなくてかまいません。ここまでが決まれば、板を何センチで切るかは自動的に決まりますし、途中で足りなくなって買い足すこともなくなります。
トレーの大きさは体格から決めておこう
壁を足しても、その中のトレーが小さければはみ出しは止まりません。犬は中で向きを変えてから排泄するので、回りきれない広さだと縁に前足をかけたまま用を足すことになり、尿の落ちる位置が外へずれてしまいます。
メーカーが出している目安は体重で、レギュラーが8kg以下、ワイドが12kg以下です。ただし同じ体重でも胴の長さは違うので、ダックスフンドやコーギーのような胴長の犬種はひとまわり大きい区分から選ぶほうが落ち着きます。囲いの内寸は、そのトレーの外寸より1cmほど大きくとります。ぴったりに作ると、シートを替えるたびにトレーが引っかかります。
| サイズ区分 | 体重の目安 | トレーの外寸の例 | 囲いの内寸の目安 |
|---|---|---|---|
| レギュラー | 8kg以下 | 49.3×35.3cm | 約50×36cm |
| ワイド | 12kg以下 | 64.6×47.4cm | 約66×48cm |
手持ちのトレーがすでに小さいと分かったなら、囲いを作るより先にトレーを買い替えるほうが確実です。囲いは尿の飛ぶ先を変える道具で、犬の立ち位置そのものを変えてはくれません。
工具を買い足さずに作れる囲い4つ
ここからの4つは、どれもはさみかカッターだけで組めます。違いは、高さをどこまで自由に決められるか、まるごと洗えるか、作り終わるまでにどれくらいかかるかの3点です。いま困っているのが壁の汚れだけなのか、トイレ全体を囲いたいのかで選び分けてください。
ただし背面を高くしたい場合は、選べる作り方が限られます。33cmまでならプラダンか40cm幅のワイヤーネット、44cmまで上げるならホームセンターの大きいプラダンになります。収納ケースは深さがそのまま壁の高さになるので、背面だけは別に足すことになります。
1. プラダンの3面囲い
高さを1面ずつ自由に決められるのが、プラダンで背面と左右を立てるやり方です。プラダンはプラスチックダンボールの略で、ポリプロピレンを中空の板にした素材ですから、軽くて水を吸わず、カッターで真っすぐ切れます。100円ショップでは35cm×50cm×0.3cmが1枚110円で、ホームセンターにはもっと大きい板もあります。なお100円ショップのプラダンには「本来の用途以外に使用しないでください」と注意書きのある商品があります。ここで紹介するのは板を立てて尿を受けるだけの使い方で、犬の体重を支える使い方はしません。犬が乗る、登る、体で押すことが前提になる場所には使わないでください。
作り方の要は、切るのではなく折るところにあります。板の片面だけにカッターで浅く筋を入れると、その線でぱたんと直角に折れるので、背面と側面を1枚のままつなげられます。つなぎ目が減るほど倒れにくくなりますし、両面テープを使う場所も減ります。
出入口になる面は板を立てずに開けておくか、5cmほどの低い返しだけを付けます。背面を高くしたいときは、35cm×50cmの板を横長に寝かせて置けば、高さ35cmまでそのまま使えます。ただしこの向きだと幅は50cmしかないので、レギュラーのトレーならちょうど背面をふさげますが、ワイドのトレーには届きません。ワイドなら2枚を横に継いで幅を足します。ただしこの継ぎ方では高さが35cmのままなので、背面を44cmまで上げたいときは、板を縦向きにして2枚継ぐか、ホームセンターで大きい板を買ってください。トレーを外して洗うときは囲いごと持ち上げられるので、置き場所を毎回そろえたい人にも向いています。
| 材料 | プラダン2〜4枚/両面テープ |
|---|---|
| 道具 | カッター/定規 |
| できあがるまで | 約40分 |
| 高さの決めやすさ | 1面ずつ自由 |
| 洗い方 | 中性洗剤で拭く |
| 向いている場面 | トイレ全体を囲いたいとき |
2. プラダン1枚の壁ガード
いちばん早く用意できるのが、プラダンを1枚、トイレの後ろの壁に立てかけるだけの形です。トレーはそのまま使い、飛んだ尿を板で受けます。切るのは幅を合わせる一辺だけなので、思い立ってから数分で終わります。
この形でいちばん迷うのが、壁への留め方です。テープで留めたくなりますが、養生テープには、家具や塩ビや壁紙などには「貼らないでください」と注意書きのある製品があります。変色や破損の恐れがあるため、というのがその理由です。長く貼ったままにするとのりが残ることがある、とも添えられています。トイレの囲いは貼りっぱなしになるので、この注意がそのまま当てはまります。
そこで、テープを使わない留め方にします。トレーの下に板の端を敷き込むと、トレーの重さで板が立ちます。上端を壁に軽く寄りかからせておけば、前から押されても後ろへは倒れにくくなります。それでもテープで留めるなら、貼る前にそのテープのパッケージにある注意書きを読んでから決めてください。
この形が向くのは、シートの上ではきちんとできていて、困っているのが壁の汚れだけという犬です。前後左右にずれてしまう犬には板1枚では届かないので、3面囲いから始めるほうが早く片づきます。
| 材料 | プラダン1枚 |
|---|---|
| 道具 | カッター |
| できあがるまで | 約5分 |
| 高さの決めやすさ | 背面のみ自由 |
| 洗い方 | 中性洗剤で拭く |
| 向いている場面 | 壁の汚れだけを止めたいとき |
3. 収納ケースを土台にした囲い
後始末をいちばん楽にできるのが、浅い収納ケースにトレーごと入れてしまう形です。ポリプロピレン製で、内寸がトレーの外寸より大きいものを選びます。レギュラーのトレーなら内寸50×36cm以上、ワイドなら66×48cm以上が目安になります。
手を加えるのは1か所だけで、犬が入ってくる面の縁を5cmほど残して切り落とします。なお厚みのあるケースはカッターが通りにくく、力を入れたところで刃がすべります。浅型で肉厚の薄いものを選ぶほうが安全です。切るときはケースを机に固定し、刃の進む先に手を置かず、体の外側へ向けて引いてください。あとは何も足さずに囲いとして成り立ちますし、継ぎ目がないので尿が入り込む隙間もできません。汚れたらケースごと浴室へ運んで流せます。
もとの側面の高さがそのまま壁の高さになるので、深さの合うケースを見つけられるかで仕上がりが決まります。ケース自体に重さがあり、床との接地面も広いため、前足をかけても動きにくいのも利点です。切った縁の始末だけは、次の章のとおりていねいに行ってください。
| 材料 | ポリプロピレンの浅型収納ケース1個 |
|---|---|
| 道具 | カッター/紙やすり |
| できあがるまで | 約20分 |
| 高さの決めやすさ | ケースの深さどおり |
| 洗い方 | 浴室でまるごと洗う |
| 向いている場面 | 掃除の手間を減らしたいとき |
4. ワイヤーネットの囲い
中が見えたままにしておけるのが、収納用のワイヤーネットを立てて組む形です。100円ショップには62cm×19cm、62cm×29.5cm、62cm×40cm、80cm×29.5cmといった大きさがそろっていて、ワイヤーネット用の連結ジョイントで角をつなげます。トレーの外寸に近い辺のものを選べば、ほとんど切らずに組めます。
板で囲うと中が暗くなって入らなくなる犬がいますが、格子なら向こう側が見えるので、そこでためらいにくくなります。本体はスチールで、表面は粉体塗装かポリエチレンでコーティングされていますから、面ごと外して水で流せるのも扱いやすいところです。しゃがんで排泄する犬や、はみ出しが立ち位置のずれで起きている犬に向いています。
組むときに気をつけるのは、面と面のつなぎ目です。ジョイントは上と下の両方に付けて、犬の足が入るような開きを残さないでください。商品ページの耐荷重は品番によって2kgと3kgがあり、同じ大きさでどちらも売られています。耐荷重をまったく載せていない品番もあります。どの数字も吊り下げて収納したときの測定値で、保証値ではないと書き添えられています。犬が乗ったり体で押したりする前提の数字ではないので、囲いに寄りかかる犬には、重さと接地面のある収納ケース型のほうが向きます。売り場で選ぶときは、買う前にパッケージの表示を見てください。
| 材料 | ワイヤーネット3〜4枚/連結ジョイント |
|---|---|
| 道具 | なし |
| できあがるまで | 約15分 |
| 高さの決めやすさ | 板の寸法どおり |
| 洗い方 | 外して水洗い |
| 向いている場面 | 見通しをよくしておきたいとき |
切り口と留め方は作りながら確かめよう
4つのどれを選んでも、犬がけがをするとしたら場所は決まっています。切った端、口に入る留め具、そして倒れ方の3つです。組み上がってから見直すのではなく、切ったその場で手を当てて確かめながら進めてください。
切った端は必ず指でなぞろう
プラダンや収納ケースの切り口は、薄い樹脂の縁がそのまま出た状態です。人の手も切れますし、犬は鼻先や舌をここにこすりつけます。カッターの刃を新しいものに替えて一度で引き切ると、ぎざぎざが残りにくくなります。
切ったあとは、幅の広いテープで縁をくるむか、収納ケースなら紙やすりで角を落としましょう。プラダンは端から5cmのところに折り筋を入れて内側へ折り返すと、切り口が犬に向かない形にできます。ワイヤーネットは塗装が欠けて金属が出ているものと、溶接のあとが尖っているものを外してください。結束バンドで留めた場合は、余りを根元で切ったうえで、切り口が犬の側を向かないように角を回しておきます。
かじる犬には作らないでおこう
この囲いは、口に入るものを何種類も抱えています。プラダンは噛めば角から欠けますし、両面テープの粘着面、切り口にまいたテープ、結束バンドの切れ端も、はがれればそのまま飲み込める大きさです。トイレシートを引き出して噛む癖のある犬なら、囲いも同じ扱いを受けると考えておきましょう。
作り終えてからの数日は、そばで様子を見てください。端をかじりはじめたら、その時点で手作りは中止して、継ぎ目のない一体成型の市販品に替えるほうが安全です。留守番のあいだだけかじる犬なら、出かける前に囲いを外し、帰ってから戻す使い方もできます。
飲み込んだ直後は何ごともないように見えることがあり、腸まで流れて詰まった段階で不調が表に出てきます。吐く回数が増える、元気と食欲が落ちる、お腹が張る、黒い便が出る、お腹を触ると痛がる。ひとつでも当てはまるなら、その日のうちに動物病院へ電話してください。異物にはレントゲンにはっきり写るものと写りにくいものがあり、診断は超音波検査で進めることも多いため、何をいつどれくらい口にしたのかという飼い主の説明が、そのまま手がかりとして使われます。部品が1つ見当たらない、テープの端が食いちぎられている。そう気づいた段階なら、まだ不調が出ていなくてもその話が役に立ちます。
とくに危ないのが、結束バンドやテープのように細長いものです。こうしたものは、たいてい一方の端だけが胃の出口のあたりで動かなくなり、そこから先は残りの側が腸のほうへ流れていきます。腸は一本の紐に手繰り寄せられてアコーディオンのようにたたまれ、こすれ続けた場所に穴があくこともあります。口やおしりから端がのぞいていても、そこを引けば、たたみ込まれた腸ごと引くことになってしまいます。病院に着くまでにしてはいけないのは、引っ張ること、指や道具を口の奥へ入れること、自己流で吐かせようとすること、指示を受けずに薬を飲ませることの4つです。同じ材料が手元に残っていれば、いっしょに持って行きましょう。
押しても倒れない置き方にしよう
材料のポリプロピレンは比重0.9と水より軽く、プラダンはそれを中空にした板です。つまり板そのものに犬を止めるだけの重さはないので、前足をかけられればあっけなく倒れます。倒れた板が犬の上に落ちれば、次からその場所に近づかなくなってしまいます。
止め方は3つあります。壁ぎわに寄せて背面を壁で受ける、板の下端をトレーの下に敷き込んでトレーの重さで押さえる、あるいは重さのある収納ケース型にする。どれも接着剤を足さずに済むので、あとから寸法を変えるときも板を切り直すだけで間に合います。
ワイヤーネットで組んだときは、面と面のあいだの開きに気をつけてください。上下のどちらかだけをジョイントで留めると、留めていない側がV字に開いて、そこへ足が入って挟まります。上下の両方を留めて開かない形にしておきましょう。
洗える素材で作っておこう
トイレの囲いは、置いた翌日から尿がかかり続けます。どれくらい楽に洗えるかは作ったあとの工夫ではほとんど変わらず、素材を選んだ時点で決まってしまうので、切る前に確かめておきましょう。なお、ふん尿を片づけて飼養施設を清潔に保つことは、環境省の告示が飼い主に求めている事柄のひとつでもあります。
プラダンは吸水率が0.03パーセントとほとんど水を吸わないため、面は拭くだけで済みます。気をつけるのは切り口で、中空の筋がそのまま口を開けており、そこへ入った尿には布が届きません。汚れる側の縁はテープでふさぐか折り返しにして、切りっぱなしの端を下向き・内向きに置かないようにします。
木のすのこやカラーボックスは、この用途には回さないでください。木も繊維板も尿を吸い、乾いてもにおいが残ったまま抜けなくなります。同じ理由で、布や紙を貼って仕上げるのも、トイレの囲いでは長持ちしません。
| 素材 | ふだんのお手入れ | 汚れがたまるところ |
|---|---|---|
| プラダン | 中性洗剤で拭く | 切り口の空洞 |
| ワイヤーネット | 外して水洗い | 塗装の欠けたところ |
| ポリプロピレンのケース | 浴室でまるごと洗う | 角の内側 |
| 両面テープの貼り面 | 洗えない | 板と板の合わせ目 |
においについては、洗剤で洗って乾かすところまでをこまめに繰り返せば、たいていは落ち着きます。そのうえで消毒剤を足すなら、犬が口をつけるかもしれない場所に使うものとして選んでください。ペット用・動物用と書かれた製品なら、犬のいる場所での使い方が注意書きに載っているかをまず読みます。人が使う前提で作られた家庭用の漂白剤や消毒剤には、そこまで書かれていないことがあります。どちらを選ぶ場合も、ラベルにある用途と薄め方の範囲を出ないようにしましょう。
使ったあとは水拭きして薬剤を残さず、完全に乾いてから犬を戻しましょう。囲いは犬が鼻先を寄せる高さにあり、床より口が届きやすい場所です。製品に書かれている以上の効き目を期待せず、洗う回数を増やすほうを主にするのが結局は近道になります。
囲いでは解決しないこと
囲いができるのは、尿の飛ぶ先を変えることだけです。トイレの場所そのものを覚えてもらう手順は別にあり、そちらは囲いを付けても付けなくても同じように進めていくことになります。
排泄のタイミングの見つけ方から、失敗したときのにおいの消し方までは次の記事にまとめています。

もうひとつはっきりさせておきたいのが、犬を中に入れて閉じておくための柵は手作りにしないということです。この記事の囲いは、いちばん高い背面でも40cm台の、尿を受け止めるための壁でしかありません。ワイヤーネットの耐荷重が吊り下げ収納を前提にした測定値であることは先に書いたとおりで、体当たりされたときにどこまで持つかを示した数字ではありません。
100円ショップの犬用品について、そのまま使えるものと専用品にすべきものの線引きは、次の記事で誤飲・強度・サイズなどの観点から整理しています。

ケージやサークルは、設置する幅と高さ、素材や仕切りの作りまで書かれた専用品から選んでください。寝る場所とトイレを分けられる2部屋タイプなど、囲いを作らなくても解決する製品もあります。

よくある質問
作り方と寸法のほかに、囲いを置いてから起きやすい変化について2つ補っておきます。
- Q囲いを付けてから、トイレを使わなくなりました。元に戻せますか?
- A
見た目と足ざわりが一度に変わると、そこが同じトイレだと分からなくなる犬がいます。いったん囲いを全部外して、元どおり使えるところまで戻してから、背面の1面だけ、次に側面というように足していくと受け入れられやすくなります。あわせて、出入口を高くしすぎていないか、板が揺れてカサカサと音を立てていないかも見てみてください。数日たっても戻らないときは、囲いをやめてトレーの大きさのほうを見直すほうが早く解決することもあります。
- Q子犬のときに作った囲いは、成犬になっても使えますか?
- A
広さと高さの両方が変わるので、成長のどこかで作り直す前提にしておくと無駄がありません。プラダンなら1枚110円ほどですから、体が大きくなった時点で切り直せます。排泄の姿勢も途中で変わることがあり、大人になっても足を上げないままの犬もいます。背面を高くするかどうかは成犬の姿勢を見てから決めれば十分で、子犬のうちから背の高い壁を用意しておく必要はありません。
囲いは、うまくいっているあいだも少しずつ傷んでいきます。シートを替えるついでに、切り口のテープがはがれていないか、板がぐらついていないかを見る習慣をつけておくと、かじられる前に気づけますし、部品が減ったときにもすぐ分かります。囲いを整えても失敗が続くとき、これまでできていた犬が急にできなくなったときは、体の側に理由があることも考えられます。早めにかかりつけの獣医師へ相談してみてください。
※以下はいずれも2026年9月2日に確認しました。トイレトレーの外寸・壁の高さ・出入口の高さ・体重の目安は、株式会社リッチェルの公式ウェブショップおよび公式サイトの製品情報によります。プラダンとワイヤーネットの寸法・材質・価格・耐荷重と注意書きは、ダイソーネットストアに掲載された商品情報から取りました。養生テープの注意書きはニチバン株式会社の製品ページから引きました。プラスチックダンボールの構造と吸水率は株式会社ヤマコーの製品解説によります。飼い主に求められる衛生管理は「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年環境省告示第37号、最終改正 令和4年環境省告示第54号)、細長いものを飲み込んだときに消化管で起きることと受診の目安は、あらたま動物医療センターおよび相川動物医療センターが公開している解説によります。
