猫がいる部屋でファブリーズを使っていいのかどうかは、人によって言うことが違います。ところがファブリーズを売っているメーカー自身は、自社サイトの質問集で犬と猫を名指しして答えていました。
答えは、安全性上の問題は特に考えられません、というものでした。ただしその回答は、そこで終わっていません。同じ答えの最後に、ペットには直接スプレーしないようにという禁止が続きます。赤ちゃんと妊婦についての回答には、この一文がありません。
さらに、花王のリセッシュは同じ場面を別の角度から聞いていて、なめる可能性があるものには使わないようにと書いています。どこまでが問題なしで、どこからが控える場面なのか。公開されている質問集を、猫がいる部屋という条件で読み直しました。
「問題は特に考えられません」の後ろに、禁止が続きます
質問集には、犬と猫を名指しした設問があります。布製品をなめた場合と、スプレーが目に入った場合の両方をまとめて聞く形です。
答えの前半はこうなっています。「個々の成分及び製品全体の安全性データについての検討結果から、ファブリーズがペットの目に入ったり、布製品をなめたりして口に入った場合でも、安全性上の問題は特に考えられません。」
ここで読むのをやめると、問題なしという答えで終わります。ところが同じ答えには続きがあって、まず目に入ったときの手当てが書かれ、「また、異常な症状があらわれたり続いたりした場合は、獣医師にご相談ください。」と相手が示されます。
そして最後に、短い禁止がひとつ置かれています。「なお、ファブリーズをペットに対して直接スプレーしないでください。」
布にかけることと、猫にかけることは別だ、という書き方です。読むのをどこでやめるかで、受け取る内容が変わります。猫のまわりの布に使うなら、猫がその場にいない状態でスプレーするほうが書かれている形に近づきます。
閉め切った部屋で使う場合についても設問があります。ただしそこで理由に挙げられているのはニオイのほうで、狭い空間だと製品のニオイが一時的にこもり、敏感な方が不快に感じることがある、という説明でした。そのうえで「製品ラベル上の表示では換気をしていただくようご案内しております。」とされています。
猫について書かれた換気の指示ではありません。それでも窓を開けられる時間帯に使うほうが、猫を戻すまでの段取りは組みやすくなります。
赤ちゃんと妊婦の回答には、この一文がありません
同じページには、人についての設問も並んでいます。読み比べると、このページで禁止が付くのはペットの回答だけでした。
| 誰について | 答えの要点 | 直接スプレーの禁止 |
|---|---|---|
| 犬・猫(ペット) | 安全性上の問題は特に考えられません | あり |
| 赤ちゃんの衣類・ぬいぐるみ | 問題なくご使用いただけると考えております | なし |
| 妊婦 | 安全性上の問題は特に考えられません | なし |
| 肌に触れる布 | 安全性上の問題は特に考えられない(肌の弱い方は医師に相談) | なし |
赤ちゃんについては、こう書かれています。「従いましてファブリーズは、赤ちゃんの衣類やぬいぐるみに対しても、他の布製品と同じように問題なくご使用いただけるものと考えております。」
妊婦についても「個々の成分及び製品全体の安全性データについての検討結果から、ファブリーズを製品ラベル上の表示どおりに、正しくお使いいただいた場合、安全性上の問題は特に考えられません。」どちらにも、直接かけるなという一文は付いていません。
なぜペットにだけ付くのかという理由は、質問集には書かれていません。ただペットの側にだけ、守ることがひとつ多い。質問集から読み取れるのはそこまでです。
連絡する相手が、人とペットで分かれています
異常があったときにどこへ連絡するか。ここも相手で書き分けられていました。人が誤って飲んだ場合は、まず薄めるよう案内されています。「万が一、誤ってファブリーズを飲んでしまった場合には、コップ一杯程度の飲み物(ミルクまたは水)を飲んで薄めるようにしてください。異常な症状等が現れた場合には、医師にご相談ください。」
人の目に入った場合も同じページにあって、「通常、眼球への接触により有害な影響を及ぼすようなことは考えられませんが、万が一目に入った場合には、念のため多量の水で目をすすぎ、十分に洗い流してください。」となっています。
一方ペットについては、同じ流れの最後が獣医師でした。人は医師、ペットは獣医師。猫が口にしたかもしれないときに連絡する先は、人の相談先とは別になります。
猫とコバエ対策を読んだときも、同じ会社の製品でタイプごとに連絡先が医師か獣医師かで分かれていました。かかりつけの動物病院の番号を、人の相談先とは別に控えておくと迷わずに済みます。
ハウスダストクリアでは、禁止の相手が広がります
ファブリーズには、ハウスダスト向けの製品もあります。そちらには赤ちゃんとペットをまとめて聞く設問があって、答えの形が少し違いました。
「肌に直接触れる布製品、また赤ちゃんやペットがいるご家庭でもお使いいただけます。」ここまでは布に使ってよいという話です。
続きがこうなっています。「ただし、人体やペットに直接スプレーしないでください。」
禁止の相手が人体にも広がっています。安全性のページではペットだけに付いていた一文が、ハウスダストクリアのページでは人とペットの両方に向けられる形です。
同じブランドでも、どのページを読んだかで条件の範囲が変わります。手元にあるのがどの製品かを決めてから読むほうが、取り違えずに済みます。
車に挟むクリップは、条件が置き場所に変わります
スプレーではなく、車に取り付けるクリップ型の製品もあります。こちらは注意書きが箇条書きで並んでいて、その中に一行ありました。「子供やペットの手が届かないところに製品を保管、設置する。」
スプレーのほうは、かけないようにという禁止でした。クリップはどこに置くかについての指示です。噴くものと、置いておくもので、条件の形そのものが変わります。
猫を車に乗せる人には、こちらが効いてきます。猫が触れる高さにクリップを付けないという読み方になります。
猫とバルサンでも、同じ会社の中で煙を出す製品と置いておく製品の条件が別々に書かれていました。形が違う製品を同じ基準で選べないところは共通しています。
別のメーカーは、なめる布を先に外しています
同じ用途の製品は、ほかの会社も出しています。花王のリセッシュにも、よくある質問の安全性の節があり、そこにペットの服やカートについての設問が立っていました。
答えはこうです。「ご使用いただけます。(ただし、ペットが、直接、口に触れたり、なめる可能性があるものには、ご使用をお控えください。)」
使ってよい、と言いながら、なめる可能性があるものは先に外しています。猫は毛づくろいで体をなめるので、猫が寝る布や着る服は、この但し書きに当たる場面が多くなります。
直接スプレーしないという指示は、こちらにもあります。ただし相手の並べ方が違いました。「肌にふれる布にもお使いいただけます。ただし、肌や髪の毛、ペットなどの生き物に直接スプレーするのはおやめください。」
ペットが人の肌や髪と同じ並びに置かれています。ファブリーズの安全性のページではペットだけが名指しされていたので、同じ指示でも線の引き方が会社で違うことになります。
同じ答えにはもう一行あって、「また、着たままの状態で衣類にスプレーしないでください。」と続きます。これは人の衣類についての答えの中にある一行で、ペットの服を名指ししたものではありません。ただ、着せたまま吹かないという形はそろえやすいところです。
同じ場面でも、聞かれていることが違います
ここは読み違えやすいところなので、分けて書きます。二つの質問集は、同じ問いに違う答えを出しているわけではありません。そもそも聞かれていることが違います。
| 聞かれていること | ファブリーズ(P&G) | リセッシュ(花王) |
|---|---|---|
| 猫がなめてしまったとき | 安全性上の問題は特に考えられません | 設問なし |
| なめる可能性があるものに使ってよいか | 設問なし | ご使用をお控えください |
| ペットに直接スプレー | 禁止(ペットのみ名指し) | 禁止(肌・髪の毛と同じ並び) |
| ペットの服・カート | 設問なし | 使用できる(なめる物は除く) |
| 妊婦 | 条件なし | 香りで気分が悪いときは控える |
| 赤ちゃんの布 | 条件なし | 条件なし |
ファブリーズが答えているのは起きてしまったあとのことで、リセッシュが答えているのはこれから使ってよいかです。どちらかが間違っているという話ではありません。
猫が寝る布に吹いてよいかを先に決めたいなら、なめる物かどうかで線を引くリセッシュの書き方が、そのまま使えます。ファブリーズの回答は、吹いたあとで猫がなめてしまった場面に当たります。
妊婦についての扱いも、会社で分かれていました。リセッシュには「妊娠中は体調によっては香りで気分が悪くなることもありますので、そのような時にはご使用をお控えください。」という一行があります。
一方で赤ちゃんの布は、どちらの会社にも但し書きが付きません。リセッシュ側は「赤ちゃんが使う布製品にもお使いいただけます。」で終わり、そのあとに続く条件がありません。但し書きが増えるのはペットと妊婦の側、という形になっています。
この質問集に並ぶ製品名は、いま売っているものと違います
ひとつ注意しておきたいことがあります。この質問集の成分表に並んでいる製品名を数えると、ファブリーズダブル除菌という表記ばかりです。
同じマイレピの中にある商品ページでは、ファブリーズ W除菌という名前で売られています。つまり質問集のほうが、いまの商品の並びに追いついていません。
除菌成分については、こう説明されています。「Quat(クウォット)。特定の除菌成分の総称です。このタイプの除菌成分の安全性は広く認められており、化粧品や薬用石鹸などに使用されています。」
この説明が手元の製品にそのまま当たるかどうかは、買った商品のラベルと見比べて確かめるほうが確実です。質問集にある製品名と、手元のボトルの名前がそろっているかを先に見てください。
ペット向けに作られた消臭剤を探しているなら、ペット用消臭剤のおすすめのほうにタイプ別の選び方をまとめています。人用の製品をどう使うかという話とは別に、はじめから動物を想定した製品もあります。
よくある質問
- Q猫がいる部屋でファブリーズを使っても大丈夫ですか?
- A
P&Gは質問集で、ファブリーズがペットの目に入ったり布製品をなめたりして口に入った場合でも「安全性上の問題は特に考えられません」としています。ただし同じ回答の最後に「なお、ファブリーズをペットに対して直接スプレーしないでください」という一文が続きます。布に使うことと、猫にかけることは分けて書かれている、と読めます。
- Q猫にかかってしまいました
- A
質問集には、目に入った場合は「念のため多量の水で目をすすぎ、十分に洗い流してください」と書かれています。そのうえで「異常な症状があらわれたり続いたりした場合は、獣医師にご相談ください」とされています。この記事では猫の状態について判断しません。気になるところがあれば動物病院に連絡してください。
- Q赤ちゃんには使えて、猫には使えないということですか?
- A
そうは書かれていません。ペットについての答えも「安全性上の問題は特に考えられません」から始まります。違うのは、ペットの回答にだけ「直接スプレーしないでください」が付いている点です。赤ちゃんの衣類やぬいぐるみの側には、その禁止が書かれていません。どうして相手で分かれるのかについては、説明が見当たりませんでした。
- Qハウスダスト用のファブリーズはどうですか?
- A
ハウスダストクリアのページには「肌に直接触れる布製品、また赤ちゃんやペットがいるご家庭でもお使いいただけます」とあり、続けて「ただし、人体やペットに直接スプレーしないでください」と書かれています。禁止の相手が人体にも広がっているので、安全性のページと同じ条件だと思わないでください。
- Q車に付けるタイプは猫が乗っても平気ですか?
- A
クリップ型の注意書きには「子供やペットの手が届かないところに製品を保管、設置する。」という一行があります。スプレーのほうの禁止とは条件の形が違い、置き場所についての指示になります。猫が触れる高さを避けて取り付けてください。
- Qこの質問集の情報は新しいですか?
- A
成分表に並んでいる製品名は「ファブリーズダブル除菌」という表記で、同じマイレピの商品ページで使われている「ファブリーズ W除菌」とそろっていません。質問集のほうが商品の並びに追いついていない状態です。お使いの製品については、ボトルのラベル表示と見比べて確かめてください。
なお、ここで読んだのはP&Gがマイレピで公開しているファブリーズの質問集と、花王がリセッシュのブランドサイトで公開している質問集です。ここに挙げた以外のメーカーの消臭スプレーについては確認していません。メーカーに問い合わせたわけでもなく、公開されている回答を読んだだけです。これはメーカーの説明であって、当社が試験で確かめたものではありません。
同じブランドでも製品のタイプが違えば答えが違うので、ここに書いた内容をほかの製品に当てはめることはできません。お使いの製品については、パッケージの表示を確かめてください。
