犬のクレートってサークルやケージと何が違うの?と迷っていませんか。クレートは持ち運べる箱型のハウスで、車移動や通院、災害時の避難、ふだんの落ち着ける寝床として役立ちます。この記事では、クレートとサークル・ケージの違い、選び方、無理なく慣らすクレートトレーニングのやり方、タイプ別のおすすめまで紹介しています。参考にしてみてくださいね。
犬のクレートとは?サークル・ケージとの違い
クレートとは、屋根と壁で囲まれた、持ち運べる箱型のハウスのことです。おもにプラスチックや布でできていて、扉を閉めれば犬がすっぽり収まる個室になります。サークルやケージと似ているようで、じつは役割が少しずつ違います。まずは3つの違いを整理しておきましょう。
- サークル:柵で囲んだ「囲い」。屋根がなく、トイレや遊び場もふくめた広めの生活スペースをつくるのに向く
- ケージ:屋根付きの「囲い」。金網などで囲まれ、留守番中や就寝時に室内で使う据え置きの居場所に向く
- クレート:持ち運べる「箱」。車移動・通院・避難など、外に連れ出す場面や、狭くて落ち着ける寝床に向く
大きな違いは「動かせるかどうか」です。サークルやケージが室内に置いて使う生活スペースなのに対し、クレートは持ち手が付いていて、そのまま抱えて移動できます。犬は本来、狭くて囲まれた場所を安心できる巣穴のように感じる習性があるといわれ、クレートはその「落ち着ける狭さ」をどこにでも持ち運べるのが特長です。
サークルやケージの選び方は、それぞれ別の記事でくわしく紹介しています。あわせて参考にしてみてください。


犬にクレートを使うメリット
クレートは「移動用の箱」というだけでなく、犬にとっての安心できる居場所にもなります。おもなメリットは次の3つです。
1. 落ち着ける「自分だけの居場所」になる
クレートに慣れると、犬にとって狭くて囲まれた安心できる寝床になります。来客中や苦手な物音がするとき、疲れて休みたいときなどに、自分から入ってくつろげる「逃げ込める場所」があると、犬は落ち着いて過ごしやすくなります。
2. 車移動や通院がラクになる
ふだんからクレートに慣れておくと、車での移動や動物病院の待合室でも、いつもの安心できる空間に入って過ごせます。車内では犬が自由に動き回ると危険なため、クレートに入れてシートに固定しておくと安全面でも安心です。慣れない場所でもクレートという「いつもの巣」があると、緊張がやわらぐ犬もいます。
3. 災害時の避難で役立つ
地震や台風などで避難するとき、クレートに入って静かに過ごせる犬は、避難所や車中泊でも受け入れられやすくなります。同行避難ではペットをケージやクレートに入れて管理することが求められる場面が多いため、日ごろからクレートに慣らしておくことは、いざというときの備えにもなります。防災の備えについては、別の記事でくわしくまとめています。

犬用クレートの選び方
クレートは、犬の体格や使う目的に合わせて選ぶことが大切です。次の4つのポイントをチェックしましょう。
1. サイズ|立って向きを変えられる余裕を目安に
クレートのサイズは、犬が中で立ってもぶつからず、無理なく向きを変えられて、伏せて足を伸ばせる程度の余裕を目安に選びます。大きすぎると落ち着かず、トイレと寝床を分けてしまうこともあり、小さすぎると窮屈で嫌がる原因になります。
体の大きさで迷ったら、実際に立ったときの高さと、伏せたときの体の長さを測り、それぞれ少し余裕のあるサイズを選ぶと失敗しにくいです。成長期の子犬は、成犬になったときの大きさも考えて選びましょう。
2. 素材|プラスチック・布・金属それぞれの特徴
クレートの素材は、大きく3タイプに分かれます。使う場面に合わせて選びましょう。
- プラスチック製:しっかりした作りで安定感があり、丸洗いしやすい。車移動や通院、飛行機での輸送にも使いやすい定番タイプ
- 布(ソフト)製:軽くて折りたためるので、持ち運びや収納がしやすい。おでかけやお出かけ先での短時間の使用に向く。かじりぐせのある犬には不向きなことも
- 金属(ワイヤー)製:通気性がよく中が見えやすい。折りたためるものも多いが、重さがある。据え置きで使うことが多い
3. 扉の位置・持ち運びやすさ
扉が正面にあるか上にあるかで、犬の出し入れのしやすさが変わります。上部にも扉が付いたタイプは、動物病院で診察するときや、嫌がる犬を上からそっと抱き上げたいときに便利です。また、持ち手やショルダーベルトが付いていると、移動のときに運びやすくなります。ふだん室内に置いておくなら、扉を外したり開けたままにできるものだと、犬が自由に出入りしやすくなります。
4. 車移動・飛行機に使うなら対応もチェック
車移動で使うなら、シートベルトで固定できるか、ずれにくい形かを確認しておくと安心です。飛行機に預ける場合は、航空会社ごとにサイズや素材・強度などの規定が定められています。規定は航空会社によって異なり、変更されることもあるため、利用予定の航空会社の最新の案内を、旅行の前にかならず確認してください(2026年7月時点)。一般には、しっかりした作りのプラスチック製クレートが選ばれることが多いです。
短時間の持ち運びやおでかけには、より軽量なキャリーケースも選択肢になります。使い分けの参考にしてみてください。

クレートトレーニングの進め方|無理なく慣らすコツ
クレートは、いきなり入れて扉を閉めても犬は落ち着けません。「クレート=いいことがある、安心できる場所」と少しずつ覚えてもらうことが、上手に慣らすいちばんのコツです。あせらず、次のステップで進めてみましょう。
1. 扉を開けたまま、自由に出入りできるようにする
まずは扉を開けっぱなしにして、部屋の落ち着ける場所に置いておきます。中に柔らかい敷物を入れ、犬が自分から近づいたり中に入ったりしたら、そっとほめてあげましょう。この段階では閉じ込めず、犬のペースで「気になる場所」にしていきます。
2. 中でおやつやごはんをあげる
クレートの中におやつを置いたり、ごはんを中であげたりして、「中に入るといいことがある」と結びつけます。おもちゃを入れておくのも効果的です。楽しい経験をくり返すうちに、犬は自分から進んで入るようになっていきます。
3. 少しずつ扉を閉める時間を延ばす
中でくつろげるようになったら、扉を数秒だけ閉めて、すぐ開けることから始めます。犬が落ち着いていたら、閉める時間を少しずつ延ばしていきましょう。最初はそばにいて、慣れてきたら少し離れる、というように段階を踏みます。嫌がって鳴いたり出たがったりするときは、時間を短くして無理をしないことが大切です。
いたずらをしたときの罰としてクレートに閉じ込めたり、叱ってから入れたりすると、犬はクレートを「嫌な場所」と覚えてしまいます。クレートはあくまで安心できる居場所として使い、長時間の閉じ込めっぱなしも避けましょう。トイレや水分、運動の時間はしっかり確保してあげてください。
犬用クレートおすすめ5選【タイプ別】
ここからは、タイプ別におすすめのクレートを紹介します。愛犬の体格や使う目的に合わせて選んでみてください。価格や在庫は時期・販売店によって変わるため、最新の情報は各販売ページでご確認ください。
1. プラスチック製の定番クレート(車移動・通院に)
しっかりした作りで安定感があり、丸洗いもしやすい定番タイプです。車移動や通院、避難など幅広い場面で使いやすく、はじめての1台にも向いています。まず1つ選ぶなら、扉付きのプラスチック製が扱いやすいでしょう。
2. 折りたためるソフトクレート(おでかけ・収納重視)
布でできた軽量タイプで、使わないときはコンパクトに折りたためます。おでかけ先での短時間の使用や、持ち運び・収納のしやすさを重視したい方におすすめです。かじりぐせのある犬には不向きなこともあるので、様子を見ながら使いましょう。
3. 大型犬用の大きいクレート
体の大きな犬でも、中で立って向きを変えられる余裕のある大型サイズです。頑丈な作りのものが多く、長距離の車移動や避難用としても使えます。大型犬は重さも出るため、キャスター付きや持ちやすい設計のものを選ぶと運びやすくなります。
4. 家具調・おしゃれなクレート(インテリアになじむ)
木製などで作られた、リビングになじむデザインのクレートです。上部を棚やサイドテーブルとして使えるものもあり、ふだんは室内の落ち着ける寝床として、インテリアを損なわずに置いておけます。据え置きで使いたい方に向いています。
5. 上開き扉つきの2ドアクレート(出し入れしやすい)
正面に加えて上部にも扉が付いたタイプです。動物病院での診察時や、犬を上からそっと抱き上げたいときに便利で、慣れていない犬の出し入れがしやすくなります。通院や健康管理でクレートを使う機会が多い方におすすめです。
よくある質問(FAQ)
- Q犬がクレートを嫌がって入りません。どうすればいいですか?
- A
まずは扉を開けたまま部屋に置き、中におやつやおもちゃを入れて「入るといいことがある」と少しずつ覚えてもらいましょう。無理に押し込んだり、閉じ込めたりすると逆効果になります。中でごはんをあげる、自分から入ったらほめる、といったことをくり返し、犬のペースで慣らしていくのがポイントです。罰としてクレートに入れるのは避けてください。
- Qクレートとサークル、ケージはどう使い分ければいいですか?
- A
クレートは持ち運べる箱型のハウスで、車移動・通院・避難など外に連れ出す場面や、狭くて落ち着ける寝床に向いています。サークルは屋根のない柵の囲いで、トイレや遊び場をふくむ広めの生活スペースに、ケージは屋根付きの囲いで、留守番中や就寝時の室内の居場所に向いています。移動用にはクレート、室内の生活スペースにはサークルやケージ、と目的で使い分けるとよいでしょう。
- Qクレートに1日中入れておいても大丈夫ですか?
- A
長時間の閉じ込めっぱなしは避けましょう。クレートはあくまで安心できる居場所であって、閉じ込めておくための道具ではありません。トイレや水分補給、運動や遊びの時間はしっかり確保し、犬がストレスをためないようにしてください。留守番などで一定時間入れる場合も、こまめに様子を見て、無理のない範囲で使うことが大切です。
まとめ
- クレートは持ち運べる箱型のハウス。サークル(柵の囲い)・ケージ(屋根付きの囲い)と違い、移動や避難、落ち着ける寝床に向く
- 安心できる居場所になり、車移動・通院・災害時の避難で役立つ
- サイズは立って向きを変えられ、伏せて足を伸ばせる余裕を目安に。素材はプラ・布・金属から目的で選ぶ
- 飛行機に預けるなら航空会社の最新規定をかならず確認する(2026年7月時点)
- クレートトレーニングは、扉を開けたまま慣らし、中でおやつ、少しずつ扉を閉める順で。罰に使わず、閉じ込めっぱなしにしない
クレートは、選び方と慣らし方のコツをおさえれば、犬にとって「どこにいても安心できる居場所」になります。愛犬の体格と使う目的に合ったものを選んで、あせらず少しずつ慣らしてあげましょう。ふだんから使えるようにしておくと、車移動や通院、いざというときの避難でも心強い味方になってくれますよ。
※この記事は一般的な情報をまとめたものです。犬の性格や体格には個体差があります。飛行機での輸送規定は航空会社によって異なり変更されることもあるため、利用前に各社の最新の案内をご確認ください。健康面で気になることがある場合は、かかりつけの動物病院にご相談ください。
