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猫の多頭飼いは何匹まで?届出が必要な数は市区町村で違います

多頭飼いの届出制度を表すアイキャッチ ペット
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猫が増えてきて、「何匹まで飼っていいのだろう」と調べた人は、「10頭以上で届出が必要」という説明に行き当たったはずです。ただ、その数が全国どこでも同じかというと、そうではありません。

石川県と相模原市は6頭から届出の対象になります。さらに犬を飼っている場合は、届出とはまったく別の、事前の許可が要る地域もあります。

この記事では、法律と条例の条文をもとに、届出が必要になる数がどう決まっているのかと、自分の住む場所でどちらの制度に当たるのかを確かめる順番をまとめます。

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家庭で飼える数に、国の法律は上限を置いていない

まず押さえておきたいのは、動物の愛護及び管理に関する法律のほうには、一般の家庭が飼える数を定めた条文が無いということです。飼い主について書かれているのは第七条で、種類や習性に応じて適正に飼うこと、逸走を防ぐこと、みだりに繁殖しないよう措置を講じることなどが並びます。いずれも「努めなければならない」という書き方で、数の線引きはありません。

では、よく目にする「10頭以上」はどこから出てきたのか。その答えが、同じ法律の第九条にあります。

上限の代わりに、自治体が「届出」を求めている

根拠の条文は「することができる」で終わっている

第九条は、地方公共団体について次のように定めています。「条例で定めるところにより、動物の飼養及び保管について動物の所有者又は占有者に対する指導をすること、多数の動物の飼養及び保管に係る届出をさせることその他の必要な措置を講ずることができる」。

注目したいのは末尾の「できる」です。やらなければならない、とは書かれていません。つまり制度を作るかどうかも、何頭からにするかも、それぞれの自治体が条例で決めることになります。ここが、数が全国でそろわない理由です。

環境省の資料では、届出などの制度を設けているのは「約4分の1にあたる地方自治体」とされています(令和3年3月のガイドラインに載った調査結果なので、現在の数とは違う可能性があります)。同じ資料は「多くは10頭以上を基準としている」とも書いています。

6頭から対象になる自治体がある

石川県は、犬と猫を合わせて6頭以上飼う人を届出の対象にしています。相模原市も線は6頭で、こちらは令和7年4月1日から義務化されました。千葉県・長野県・山梨県・神奈川県・愛知県のほうは10頭以上です。

ただし、同じ6頭でも石川県と相模原市では数え方が逆です。犬と猫の両方を飼っている人は、この違いだけで結論が変わります。

同じ「6頭」でも、合算する自治体としない自治体がある

石川県の説明には「犬を3頭、猫を3頭飼っている場合、合わせて6頭となるため、届出が必要になります」という例まで書かれています。犬と猫を足して6頭という考え方です。

ところが相模原市は「猫6頭以上、又は犬6頭以上飼うことになった場合」と案内していて、届出書も犬用と猫用に分かれています。つまりこちらは別々に数えます。犬3頭と猫3頭で暮らしている人は、石川県なら届出が必要で、相模原市なら必要ない、ということになります。

10頭の自治体でも書き方は一様ではありません。さいたま市は「個別又は合計で10頭以上」、山梨県は「犬だけでも、猫だけでも、犬猫合わせても10頭(匹)以上」と説明しています。数を数える前に、まずこの一文を探すほうが確実です。

子犬や子猫の扱いにも条件が付きます。愛知県と千葉県は生後91日未満の犬と猫を数に入れません。さいたま市は「生後90日を超える」犬及び猫が対象という書き方で、同じことを言っているようでいて、表現がそろっていません。

同じ県の中でも、市によって窓口と数が変わる

ややこしいのは、県の制度がその県の全域に及ぶとはかぎらない点です。愛知県は名古屋市・豊橋市・岡崎市・一宮市・豊田市を、千葉県は千葉市・船橋市・柏市を、それぞれ県の制度から外しています。これらの市は市自身が制度を持っているためで、さいたま市も「さいたま市を除く埼玉県内で多数の動物の飼養をされる方は、埼玉県への届出が必要」と案内しています。

相模原市が6頭、神奈川県が10頭というのも同じ構造です。同じ県内に住んでいても、市をまたいだとたんに基準が変わります。だから先に決めるべきは数ではなく、自分がどの窓口の管轄かということになります。

この「市は県と別」という仕組みは、ペットシッターに動物取扱業の登録があるかを確かめるときにも同じように効きます。登録番号の調べ方はペットシッターの動物取扱業登録|登録番号はどこで確認できるのかにまとめました。

犬を飼っているなら、もう一つ別の制度がある

こちらは「届出」ではなく「許可」

ここまでは動物愛護管理法から枝分かれした制度の話でした。ところが犬には、まったく別の法律から来る規制があります。化製場等に関する法律、通称・化製場法です。

同法第九条第一項は、都道府県知事が指定する区域の中で、条例で定める数以上の動物を飼養または収容しようとする者は、知事の許可を受けなければならないと定めています。対象の動物は牛・馬・豚・めん羊・やぎ・犬・鶏・あひるなどで、犬が入っています。

届出との違いは、手続きの順番と重さの両方にあります。届出は数がそろってから30日以内に出す事後の手続きですが、許可は飼い始める前に受けるものです。同法第十条は、第九条第一項に違反した者を1年以下の拘禁刑または3万円以下の罰金に処すると定めています。

見るところ動物愛護管理法の届出化製場法の許可
対象の動物犬と猫犬(猫は対象外)
手続きの時期そうなった日から30日以内飼い始める前
数の例6頭・10頭など犬10頭(東京都)
場所の条件自治体の全域知事が指定した区域内
守らないとき過料拘禁刑または罰金
届出と許可の違い

東京都では犬10頭から。猫は入っていない

東京都の条例を見ると、許可が要る動物と数が一覧になっています。牛1頭、馬1頭、豚1頭、めん羊4頭、やぎ4頭、犬10頭、鶏100羽、あひる50羽。この表にも、施設を定義した条文にも、猫は出てきません。猫だけを10匹飼っている人にとっては、この制度は関係しないことになります。

区域の指定にも基準があり、人口密度がおおむね1平方キロメートルあたり3,000人以上の町や字、市街地の形になっている区域、観光地などが挙げられています。東京都の案内では立川市・武蔵野市・三鷹市・府中市などが全域で指定されていて、23区と八王子市、町田市については各保健所に問い合わせるよう書かれています。

許可を受けていれば届出が要らない自治体もある

二つの制度は、無関係に並んでいるわけではありません。石川県は届出の対象外として「化製場等に関する法律の許可を受けた者(犬に係るものに限る)」を挙げていますし、さいたま市も「化製場法第9条第1項に基づく犬の飼養許可を受けた者が飼養する犬は除外されます」と明記しています。

さいたま市は化製場法のページで「ペットショップ、畜産農家のほか、一般の方でも犬を10頭以上飼う方はこの許可が必要になる場合があります」とも書いています。事業者向けの制度に見えて、家庭も入り口に立っているわけです。

自分がどちらに当たるかを確かめる順番

数から調べ始めると、どの数字が自分に当てはまるのか分からなくなります。先に場所を決めてから数を見るほうが早いので、三つの順番にしました。

調べる順番
  • 窓口が市か県かを決める……政令指定都市や中核市は、県と別の制度を持っていることがある
  • 動物愛護管理の担当部署で届出の有無と数を見る……自治体名と「多頭飼育 届出」で公式ページを探す
  • 犬がいるなら化製場法も見る……「畜舎」「動物の飼養又は収容の許可」という言葉で探すと見つかりやすい

三つめは見落としやすいところです。東京都もさいたま市も、化製場法の案内を動物愛護の届出とは別のページに置いていて、「多頭飼育」で検索しても出てきません。犬を増やす予定があるなら、こちらも先に見ておくと安心できます。

なお、届出の制度が無い自治体なら何をしてもよい、ということにはなりません。動物愛護管理法の第二十五条は、鳴き声やにおいで周辺の生活環境が損なわれているとき、都道府県知事が指導や助言を行い、必要なら勧告や命令まで進めると定めています。頭数を決めるときは、届出の線よりも、世話が行き届く数のほうを先に考えたいところです。

何匹が自分にとって適切かは、部屋の広さや先住猫との相性でも変わります。そちらは猫の多頭飼いで気をつけたいことと犬の多頭飼いにまとめています。

よくある質問

届出のまわりで、本文に入りきらなかった問いをまとめます。

Q
届出をしないとどうなりますか?
A

過料が定められている自治体があります。千葉県と石川県は、届出をしない場合や虚偽の届出をした場合に5万円以下の過料と案内しています。さいたま市は3万円以下で、同じ違反でも額が違います。

ページに罰則が書かれていない自治体もありますが、それは罰則が無いという意味ではありません。条例の本文まで見るか、窓口に聞くのが確実です。

Q
子猫や子犬も数に入りますか?
A

生まれて間もない子を数えない自治体があります。愛知県と千葉県は生後91日未満を対象から外し、さいたま市は生後90日を超えるものを対象としています。

逆にいえば、子猫が育って日数を超えると対象になることがあります。生まれた時点ではなく、何日たったかで数が動くと考えておくとよさそうです。

Q
届出をしたあと、頭数が変わったらどうしますか?
A

変更の届出を求める自治体があります。千葉県は、犬または猫の数が30パーセント以上増えたときと、10未満になったときを挙げています。石川県は6頭未満になったときです。

飼養の方法を変えたときにも届け出る決まりがあるので、出して終わりではなく、増減のたびに見直すものだと考えておくと間違いがありません。

まとめ

国の法律は、家庭が飼える数に上限を置いていません。代わりに第九条が自治体に届出の制度を作ることを認めていて、その条文が「できる」で終わっているために、制度の有無も頭数も住んでいる場所で変わります。6頭から対象になる自治体がある以上、「10頭までは大丈夫」と覚えてしまうのは危なっかしいところです。

そして犬を飼っているなら、指定区域での許可という別の入り口もあります。まず自分の窓口がどこかを決めて、そこから届出と許可の両方を見る。この順番なら迷いません。

出典: e-Gov法令検索「動物の愛護及び管理に関する法律」/e-Gov法令検索「化製場等に関する法律」/環境省「人、動物、地域に向き合う多頭飼育対策ガイドライン」/東京都「化製場等の構造設備の基準等に関する条例」/石川県・千葉県・さいたま市・相模原市・愛知県・長野県・山梨県・神奈川県の各公式ページ(2026年10月23日に確認)。条例は改正されることがあるので、手続きの詳しいところはお住まいの自治体の窓口でご確認ください。

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