猫の自動給餌器は、買う前の機種選びよりも、置いてからのほうが迷いどころが多くなります。作動音に驚いて近寄らない、前脚でふたをこじ開ける、フードが排出口の途中で止まる。こうしたつまずきは、仕様表を読んでいるだけでは見えてきません。
そこでこの記事では、使いはじめてから起きやすい困りごとを対策とセットで整理したうえで、13機種をカメラ内蔵・ウェットフード対応・2WAY給電など8つの用途に分けて並べました。順位ではなく用途で並べているので、留守番の長さと猫の頭数、いま与えているフードの種類から絞り込めます。
自動給餌器に任せられること、人が見ておくこと

自動給餌器が引き受けてくれるのは、決めた時刻に決めた量を出すところまでです。1日ぶんを何回かに分けられるため、一度にたくさん食べて吐き戻してしまう猫でも、1回あたりの量を抑えられます。朝方にごはんをねだられて起こされる回数が減るのも、使ってみて実感しやすい変化でしょう。
いっぽうで、食べ残しがどれくらいあるか、水が足りているか、体調が落ちていないかまでは機械には判断できません。任せる範囲と自分の目で見る範囲を先に分けておくと、導入したあとに慌てずにすみます。
| 機械が引き受けるところ | 飼い主が確かめるところ |
|---|---|
| 決めた時刻に出す | 食べ残しの量 |
| 1回分の量を一定に保つ | 水の減り方 |
| 1日分を数回に分ける | 体重と便の様子 |
| 出した記録を残す(機種による) | フードの湿りとにおい |
なお、1回に与える量と回数の目安は猫の年齢や体調、持病によって変わるので、どの家庭にも当てはまる正解はありません。設定を決める前にかかりつけの獣医師へ相談しておくと、体重の増減を見ながらあとで調整する手間が減ります。
猫の自動給餌器で起きやすい困りごとと対策
つまずく場所は、機種が違ってもおおむね共通です。ここでは起きやすいものを8つ挙げ、それぞれ「その場で手を打てること」と「機種の側であらかじめ防げること」に分けました。

1. 警戒して近寄らないので、まず在宅中に慣らそう
モーターの作動音とフードが皿に落ちる音に驚いて、数日は近寄らない猫がいます。いきなり留守番から使いはじめると食べない日が続いてしまうので、はじめは在宅している時間に置いて、手であげるごはんと並行させてください。器の位置に慣れてきたら1食だけ機械から出し、食べきったら回数を増やしていくと切り替えが進みます。
それでも食べようとしないなら、無理に続けず元の食器へ戻すほうが安全です。食欲そのものが落ちている場合は機械が原因とは限らないため、動物病院で診てもらってください。
2. ふたをこじ開けられるので、ロックできる形を選ぼう
タンクのふたを前脚で押し上げて中身を一度に食べてしまったり、体当たりで本体を倒してしまったりする例があります。そのため、ふたがツイストロック式やスライド式になっている機種を選びましょう。背の高いストッカー型が不安であれば、重心の低いトレー型に替えるか、壁ぎわに寄せて背面を支えると安定します。操作ボタンを踏んで手動給餌が作動する事故も、ボタンロックがあれば防げるはずです。
3. 排出口で詰まるので、粒の大きさを先に測っておこう
粒が大きいフードや、平たくて油分の多いフードは、排出口の途中で引っかかりやすくなります。対応する粒の大きさは機種ごとに決まっているため、いま与えているフードの粒径を測ってから選ぶと外しません。また、乾燥剤を入れられるタンクや密閉性の高いふたを備えていれば、梅雨から夏にかけて固まる心配も小さくなります。詰まりを見つけたときは排出口まで分解して洗い、完全に乾かしてから戻しましょう。
4. 停電で止まるので、乾電池も使える機種にしておこう
コンセントだけで動く機種は、停電した時点で給餌が止まります。猫が前脚をコードに引っかけてプラグが抜けることもあるため、電源まわりは見落とせません。乾電池も併用できる2WAY給電なら、電気が来なくなっても設定済みの給餌はそのまま続きます。ただし電池は予備電源として設計されていることが多く、カメラやWi-Fiを積んだ機種では電池だけで何日も動かせるとは限りません。
5. 電池と通信が切れると止まるので、通知の有無を見ておこう
電池式は残量が尽きた時点で動かなくなり、スマホ連携型はルーターの再起動や回線の不調で遠隔操作を受けつけなくなります。長めに家を空ける前には電池を新しいものへ替え、本体はルーターから遠すぎない場所へ置くのが基本です。なお、残量や通信の切断を知らせてくれる機種であれば、外出先からでも異変に気づけます。クラウド側の不具合でアプリから操作できなくなる例もあるので、本体のボタンだけで給餌できるかどうかも確かめておきたいところ。
6. 多頭飼いでは横取りが起きるので、器を分けておこう
食べるのが速い子が先に平らげてしまい、もう一方のぶんが残らないというつまずき方があります。ボウルが2つに分かれて同時に出るタイプを使うか、部屋を分けて1台ずつ置くのが確実です。共用できるかどうかの判断や、顔認証タイプとの使い分けは、多頭飼い向けの記事にまとめています。

7. 洗うのが面倒になるので、外せる範囲を買う前に見よう
フードの油分は皿と排出口に残るため、放っておくとにおいがついて猫が食べたがらなくなります。タンクとボウルを工具なしで外せる機種であれば、週に一度の丸洗いも習慣として続けやすいでしょう。ステンレスのボウルは樹脂よりにおいが移りにくく、食洗機に入れられるものもあります。どこまで分解できるかは機種ごとに差が大きいため、買う前に確かめておきましょう。
8. ふれあいが減るので、在宅の日は1食だけ手であげよう
手から食べる時間は、食欲や食べ方の変化に気づく機会でもあります。そこで、在宅している日は1食だけ自分の手であげる形にすれば、その役割は残せるはずです。外出中の様子は猫向きペットカメラで補えるため、カメラを内蔵していない機種を選ぶなら別に1台置くと見守りまで届きます。

用途別に選ぶ|猫の自動給餌器13機種
ここからは13機種を8つの用途に分けて紹介します。順位はつけていないので、留守番の長さ・フードの種類・猫の頭数のうち、いちばん外せない条件から見てください。まずは全体を一覧にしておきましょう。
| 機種名 | 向いている場面 | タンク容量 | 目立つ機能 |
|---|---|---|---|
| PETKIT シングルホッパー | 食べたか確かめたい | 3L | 1080Pカメラ・暗視 |
| スマート式自動給餌器 | カメラの画質を選びたい | 3L | 乾燥剤入れつき |
| カリカリマシーンV2C Plus | 留守番中に声をかけたい | 4.5L | 双方向会話・5g単位 |
| カリカリマシーンFR | ウェットフードを出したい | 200ml×6マス | アイスパックで保冷 |
| HoneyGuaridan 3.5L | 2匹に分けて出したい | 3.5L | ステンレス皿が2つ |
| PETLIBRO PLAF005 | 停電と湿気に備えたい | 3L | 餌詰まり防止機能 |
| ロボット型給餌器 | 停電に備えたい | 3.5L | ボタン操作で設定 |
| 千選千品 自動給餌器 | いたずらを防ぎたい | 3L | いたずら防止・1日10食 |
| Apetdola FDG10 ブラック | スマホで操作したい | 3L | Wi-Fi遠隔操作(黒) |
| APETDOLA FDG10 ホワイト | スマホで操作したい | 3L | Wi-Fi遠隔操作(白) |
| ケージ取付タイプ | ケージの外に付けたい | 2.3L | ケージの外側に固定 |
| PETLIBRO AIR | 置き場所を選びたくない | 2L | 乾電池で最長180日 |
| PETLIBRO PLAF001 | 洗いやすさを優先したい | 4L | 透明タンク・音声録音 |
1. 留守中の様子まで見たい|カメラ内蔵タイプ
カメラが入っていると、ごはんが出た瞬間に食べに来ているかどうかまで確かめられます。暗い部屋でも見える暗視機能や、声をかけられる双方向通話がつくと、外出先からできることが一段広がります。
PETKITのシングルホッパーは、1080Pのカメラと暗視機能、双方向会話をそなえた3Lタンクの機種です。しかも天面のふたから排出口までシリコンパッキンで密封される構造で、ドライフードのほかフリーズドライやエアドライにも使えます。つながるのは2.4GHz帯のWi-Fiだけなので、自宅のルーター設定を先に見ておくと安心です。
スマート式自動給餌器は、カメラの画素数ちがいから選べるシリーズです。3Lのタンクに乾燥剤入れとツイストロック式のふたがつき、粒の直径が2〜12mmのドライフードに対応します。乾電池は停電時に設定済みの給餌を続けるための予備電源という位置づけなので、電池だけで長く動かす使い方は想定されていません。
カリカリマシーンV2C Plusは4.5Lの大きなタンクを積み、1日20回まで、5gまたは10g刻みで出す量を決められます。暗視カメラと双方向会話に音声録音が加わるため、留守番中に飼い主の声でごはんの時間を知らせることも可能。フードの補充間隔を空けたい家庭にも向きます。
2. ウェットフードや投薬を任せたい|トレー型
ストッカー型はドライフード専用がほとんどで、缶詰やパウチをそのまま入れることはできません。ウェットフードやサプリを時間どおりに出したいなら、マスに小分けするトレー型を選びます。
カリカリマシーンFRは、約200mlのマスが6つ並んだトレー型。保冷用のアイスパックも付属します。USB充電式のコードレスなので、コンセントの近くに置き場所を用意しなくてすみます。本体の背が低く、食洗機に入れられるパーツもあるため、洗いやすさの面でも扱いやすい1台です。
3. 2匹以上で使いたい|ボウルが分かれるタイプ
1つのボウルへ出すタイプだと、先に来た子が食べきってしまう場面は避けられません。そこで、2匹ぶんを同時に同じ量だけ出せる機種を使えば、置き場所を離すだけで取り合いは起きにくくなります。
HoneyGuaridanの3.5Lモデルには、ステンレス製のボウルが2つ付属します。1日6食まで刻め、音声録音と手動給餌にも対応。ACアダプターと乾電池のどちらからでも動くので、留守番の時間が長い日でも電源の心配が減ります。
4. 停電と電池切れに備えたい|2WAY給電
電源が落ちても給餌を続けたいなら、アダプターと乾電池の両方から動く機種が前提です。加えて、湿気やフードの粒に強い構造かどうかまで見ておくと、止まる原因をまとめて減らせます。
PETLIBROのPLAF005は、餌詰まり防止機能とツイストロック式のふたを備えた3Lタンクの機種。さらに4重の鮮度保持構造で湿気が入りにくく、ステンレス製のボウルは水洗いできます。1日6回まで分けて出せるうえ、アダプターが使えないあいだも乾電池で動きつづけるのが強みです。
ロボット型給餌器は3.5Lのタンクに1日4回までの設定ができ、ACアダプターとUSBコード、乾電池のいずれからも給電できます。ステンレスの皿が付属し、10秒の音声録音にも対応。設定は本体のボタンだけで終わるため、アプリを使わずに済ませたい場合に向きます。
5. いたずらを防ぎたい|ロックできるタイプ
ふたを開けられる、操作ボタンを踏まれる。いたずらの入口は1つではないので、ロック機構と残量の見やすさをセットで確かめると選びやすくなります。
千選千品の3Lモデルは、いたずら防止設計と留守保護機能を備え、1日10食まで細かく分けられます。透明タンクで残量が外から見えるため、出かける前の確認が一目で済むのも利点。スマホアプリからの遠隔操作と、本体からの手動給餌の両方に対応します。
6. スマホから操作したい|Wi-Fi対応
帰りが遅くなった日に1食ぶんを足したり、出張先から時刻をずらしたり。アプリで動かせると、予定が変わったときに手が打てます。
ApetdolaのFDG10は、Wi-Fi経由の遠隔操作と10秒の音声録音に対応した3Lタンクの機種です。1日6食まで設定でき、ステンレスの皿と手動給餌ボタンがつきます。鮮度保持の構造も入っているので、湿気が気になる季節でも扱いやすいでしょう。
こちらは同じFDG10の本体色ちがいで、中身の仕様はブラックと変わりません。置く部屋の色みに合わせて選んでください。
7. 置き場所を選びたい|設置の自由度
床に置くと蹴られる、コンセントが遠い、留守番はケージで過ごしてもらう。置き場所の制約から先に決まる家庭も少なくありません。
ケージ取付タイプは、2.3Lのタンクをケージの外側へ固定して使います。床に立てないので蹴って倒す心配がなく、留守番のあいだケージで過ごす猫にもごはんが届くはずです。Wi-Fiにつなげばアプリから遠隔操作でき、10秒の録音を給餌のたびに流せます。
PETLIBRO AIRは、単1形の乾電池3本で最長180日まで動くコードレス設計の2Lモデルです。コンセントの位置に縛られないため、猫が落ち着いて食べられる場所を優先して置けます。なお、付属の電源コードからも給電できます。誤操作を防ぐしくみが入っているのも安心材料でしょう。
8. 洗いやすさを優先したい|分解できるタイプ
毎週手を入れる場所だからこそ、外しやすさは長く使うほど効いてきます。残量が外から見える透明タンクなら、洗うタイミングも決めやすくなります。
PETLIBROのPLAF001は4Lの透明タンクを積み、外から中身の減り方が見える機種です。タンクと皿を取り外して洗えるため、油分が残りやすい部分まで手が届きます。1日4食までの設定に加え、音声録音と手動給餌にも対応します。
買う前に決めておく3つのこと

用途を絞ったあとは、細かい仕様で迷いがちです。次の3つを先に決めておくと、機種の比較が一気に楽になります。
1回に出す量をどこまで細かく決めたいか
出す量の刻みには機種差があり、5g単位のものから1カップ単位のものまで幅があります。体重の変化を見ながら量を詰めていきたいなら、刻みが小さいほど調整の幅は広がるでしょう。タンクが大きいほど補充の間隔もあくので、刻みと容量はセットで考えると外しません。
1日を何回に分けたいか
何回に分けるかは、留守番の長さと猫の食べ方から決まります。朝晩の2回で足りるのか、4回以上に刻みたいのかが決まれば、必要な設定回数の下限が見えてきます。回数を増やすほど1回分は少なくなるため、刻みの細かさとあわせて確かめておきましょう。
電源の取り方をどうするか
電源の取り方は、留守番中に止まるリスクと直結します。3つの方式を並べてみましょう。
| 電源の取り方 | 良いところ | 気をつけるところ |
|---|---|---|
| ACアダプターのみ | 電池を買い替えずにすむ | 停電とプラグ抜けで停止 |
| 乾電池のみ | 置き場所を選ばない | 残量が尽きると停止 |
| 2WAY(併用) | 停電中も給餌が続く | 電池は予備電源で長くはもたない |
タンクへ移す前のドライフードは、密閉できるストッカーに入れておくと湿気を吸いにくくなります。

猫の自動給餌器のよくある質問
ここまでで触れなかった周辺の疑問を3つ挙げます。仕様は機種ごとに違うので、最終的にはメーカーの案内も見比べてください。
- Q自動給餌器があれば何日まで留守番できますか?
- A
タンクに何日ぶん入るかだけでは決まりません。水が減っていないか、トイレが使える状態か、室温が上がりすぎていないかも同時に条件になります。1泊を超える外出であれば、給餌器だけに任せず、ペットシッターや家族に一度様子を見てもらう形と組み合わせるほうが安全でしょう。
- Q置き餌と自動給餌器はどちらがよいですか?
- A
置き餌は1日ぶんを出しっぱなしにするため、湿気とにおいの変化を避けにくいのが弱点です。どれだけ食べたのかも分かりにくくなります。自動給餌器は1回ぶんずつ出すので、残った量から食べ方の変化に気づけます。ただしフードそのものの管理は人の仕事なので、補充のたびにタンクの中身を見ておいてください。
- Q子猫やシニア猫にも使えますか?
- A
器の高さと出てくる粒の大きさが合っていれば、年齢そのものが制限になることはありません。ただし療法食を与えている場合や、食事の回数を細かく決められている場合は、設定を自己判断で組まないほうが安全です。回数と量をかかりつけの獣医師に確認してから使いはじめてください。
留守番そのものの目安は、時間ごとの注意点をまとめた記事で確かめられます。

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