引き出しに前足をかけて、爪で手前に引く。猫はいちど覚えると、何度でも同じことをします。中にしまっているものによっては、開けられて困る引き出しもあります。
対策のグッズを探すと、出てくるのは赤ちゃん用のいたずら防止ロックです。ところが、その取扱説明書には貼ってはいけない場所が決まっていて、そこに「塗装された家具」が入っています。
この記事では、リッチェルのベビーガード3製品の取扱説明書を読んで、猫のいる家で先に確かめておく場所をまとめました。貼ってから気づくと、はがすときに家具のほうが傷みます。
いたずら防止のロックは、赤ちゃん向けに作られています
リッチェルの「安全便利」というカテゴリには、ベビーガードという名前のついた製品が10点あります。コンセントのカバー、網戸のストッパー、コーナークッション、そして引き出しや開き戸のロックです。このうち引き出しに関わる3つの取扱説明書を読みました。
| 製品 | 想定している場所 | ペットの記載 |
|---|---|---|
| 冷蔵庫引き出しロックR | 冷蔵庫の引き出し | 無し |
| はがせる多目的ストッパーR | 小さな引き出し・開き戸 | 無し |
| はがせる開き戸ロックR | キャビネット・キッチン・洗面台 | 無し |
3つとも、守る相手として名前が挙がっているのはお子様だけです。多目的ストッパーと開き戸ロックには「赤ちゃんには開けにくく、大人の方には簡単に解除できます。」とあり、冷蔵庫用には「大人の方にはワンタッチでロックが解除でき、引き出しを閉めると自動的にロックされます。」と書かれています。
犬や猫については、3つの取扱説明書のどこにも出てきません。これは「使ってはいけない」という意味ではなく、想定されている相手がそこに入っていないというだけのことです。
3製品とも「塗装された家具」には貼れません
いちばん先に見ておきたいのは、取付禁止箇所の一文です。3つとも同じ文が入っています。「紙などの軟らかい材質を貼ったものや、塗装された家具などには取り付けないでください。」
理由も添えられていて、はがすときにやぶれたり塗装がはがれたりするおそれがあるから、とされています。冷蔵庫用は「取り外すときに」、ほかの2つは「粘着テープをはがすときに」と、言い方は少し違いますが指しているのは同じ場面です。つまり貼ること自体ではなく、はがすときに起きることへの注意です。
ここが猫の家では効いてきます。猫が開ける引き出しは、冷蔵庫よりもタンスやチェスト、テレビ台といった家具のほうが多いからです。木目の塗装がしてあるもの、化粧シートを貼ってあるものは、この一文に当たります。
貼る面そのものにも条件があって、冷蔵庫用には「取付け面が凹凸やザラザラな場所では、吸着力・粘着力が低下しますので、使用を避けてください。」とあります。ほかの2つにも同じ趣旨の一文が入っています。木目を浮かせた仕上げや、ざらついた質感の面は、そもそも粘着が効きません。
コンセントカバーを調べたときも同じで、留め方のちがいがそのまま結果のちがいになっていました。ネジで留めるものは残り、差し込むだけのものは外れます。貼るタイプは、その中間にあたります。
「用途以外での使用は避けてください」とも書かれています
注意書きの枠には、保護者の方へ向けた3行があります。3製品に共通しているのは次の2つです。「お子様は思わぬ動作をしますので、必ず保護者の目の届くところでお使いください。」、そして「この商品は、お子様の思いがけない事故やケガなどを防ぐようにしたものですが、保護者の方の注意と配慮に代わるものではありません。」
そのあとに「用途以外での使用は避けてください。」と続きます。この製品の用途は、取扱説明書の冒頭に書いてあるとおり、お子様のいたずらや事故を防ぐことです。
猫に使うことがここに含まれるかどうかは、メーカーの説明からは読み取れません。当社がメーカーに問い合わせたわけでもありません。はっきりしているのは、想定の説明に猫が出てこないという一点だけです。
解除のしかたは、3つとも「上下のボタンを押す」です
ロックの外し方も読んでおくと、選ぶときの目が変わります。冷蔵庫引き出しロックは「①上下のボタンを押さえるとロックが解除されます。」、多目的ストッパーは「ロックを解除するときは、図のように上下のボタンを同時に指ではさみながら、固定部の中にボタンを押し込みます。」、開き戸ロックは「<解除>上下のボタン部を同時に押しながら外側へスライドさせると解除されます。」となっています。
3つとも、上下から挟むか押し込むかの動きです。大人が簡単に外せることを売りにしている以上、仕組みとしては力ではなく押す向きで外れるようになっています。
猫の前足で同じ動きができるかどうかは、ここでは確かめていません。実際に猫の前に置いて試したわけでもありません。この製品が想定しているのは、赤ちゃんの手では開けにくいというところまでです。
なお、無理に開けようとしたときのことも書かれていて、「ロックを解除せずに無理に開けようとすると、製品が外れたり破損するおそれがあります。」とあります。ロックがかかったまま引っぱる猫がいる家では、ここも読んでおく値打ちがあります。
冷蔵庫に付けるなら、測る寸法が3つ決まっています
台所の引き出しを開ける猫なら、冷蔵庫用のほうが合う場合もあります。ただしこの製品には、取り付けられない冷蔵庫の条件が数字で示されています。
| 見るところ | 取り付けられない条件 |
|---|---|
| 引き出し表板横の平面部 | 15mm以下 |
| パッキン部の幅 | 25mm以上 |
| 引き出しと本体の段差 | 2mm以上 |
製品ページにも「観音開きタイプのドアには対応していません」と書かれていて、扉の形によっては最初から対象外です。定規を一本持って、貼る面の平らなところを先に測っておくと間違えません。
ドアのロックのほうでも、買う前に測る寸法が決まっていました。扉でも引き出しでも、先に測るという手順は変わりません。
貼る前に見ておく順番
ここまでをまとめると、見る順番は決まってきます。まず貼りたい面が塗装された家具かどうか。次に面が平らでざらついていないか。冷蔵庫なら上の3つの寸法。この3段階を通ってから、製品を選びます。
貼ったあとにも決まりがあって、「取付け後は1日ほど放置してから使用してください。」とされています。粘着テープがはがれることがあるからで、貼ったその日から猫に試されると弱くなります。
位置をやり直したくなったときのために、もう一文あります。「一度はがした粘着テープは再利用できません。」。貼り直しは効かないので、位置決めは一度きりだと思っておくほうが安全です。
よくある質問
- Q猫に赤ちゃん用のロックを使ってもいいですか?
- A
メーカーがそれを認めているわけでも、禁じているわけでもありません。リッチェルの3製品の取扱説明書には、犬や猫についての記載がなく、用途として挙がっているのはお子様のいたずらや事故を防ぐことです。判断する材料になるのは、貼る面が取付禁止箇所に当たらないかどうかのほうです。
- Qタンスの引き出しに貼りたいのですが
- A
貼る前に、その面が塗装されているかどうかを確かめてください。3製品とも、塗装された家具には取り付けないよう書かれています。理由は、はがすときに塗装がはがれるおそれがあるからです。木目のシートを貼ってあるものも、同じように考えておくほうが安全です。
- Q猫がロックを壊してしまいませんか?
- A
ロックを解除せずに無理に開けようとすると、製品が外れたり破損するおそれがあると書かれています。これはお子様を想定した注意ですが、引っぱり続ける猫がいる場合も、先に外れるのは粘着テープのほうだと考えられます。当社で試験をしたわけではありません。
- Qネジで留めるタイプはありませんか?
- A
この3製品はいずれも粘着テープで貼るタイプです。同じリッチェルのベビーガードでも、コンセントのフルカバーはネジで留める形になっていて、猫に対して残りやすいのはそちらでした。引き出し向けでネジ留めのものがあるかどうかは、この3製品の範囲では確かめていません。
なお、ここで読んだのはリッチェルの3製品の取扱説明書と製品ページです。すべてのメーカーの全製品を読んだわけではありません。また、この取扱説明書は文字を抜き出せない画像の形で公開されているため、引用した文は画面に表示して目で照らし合わせています。お使いの製品については、手元の取扱説明書を確かめてください。
