フローリングで猫が足を滑らせる。走り出しでうしろ足が流れるのを見ると、何か敷いたほうがいいのだろうかと考えます。百円ショップには吸着マットが何種類も並んでいて、まず手が伸びるのもそこです。
ところが商品の説明を読むと、置く前に知っておきたいことが並んでいました。ダイソーの吸着マットには、猫がふだんやっている動作がやってはいけないこととして書かれています。
この記事では、ダイソーの公式通販に載っている吸着マットの表示を読んで、猫のいる部屋で使うときに引っかかるところを並べました。同じ「ピタッと吸着」でも、書いてある量が商品によって違うところまで出てきます。
注意書きに「飛び乗ったり走らない」とあります
先に、いちばん引っかかったところから書きます。「ピタッと吸着マット」の注意書きの終わりのほうに、「マットの上に飛び乗ったり走らない」という一行があります。
猫がマットの上でやることを並べると、飛び乗る、走る。メーカーが名前を挙げて止めている動作と、そのまま重なります。
これは猫について書かれたものではありません。同じ注意書きには「スリッパや靴下の種類によってはすべる場合があるため注意してください。」ともあって、想定されているのは人が歩く床です。
つまりこのマットは、滑りやすい床で人が転ばないようにするものとして売られています。猫のために置くなら、売り手が想定していない使い方になります。
この一行は、ひとつの商品だけのものではありませんでした。はっ水タイプと防音タイプでは言い方がもう少し丁寧で、「マットの上に飛び乗ったり、走ったりしないでください。」と書かれています。注意書きが載っている商品は、どれも飛び乗ることと走ることを止めていました。
猫がいる部屋では、裏面が汚れると逆に滑ります
吸着マットは、裏面が床に吸いつくことで動かなくなります。その仕組みについて、ダイソーは「吸盤の原理で空気を押し出しフローリング床等にピタッと吸着します」と説明していました。
吸いつく面なので、そこが汚れたときの注意も書かれています。「裏面吸着部分に汚れ、水分、油分が付着していると、マットが非常に滑りやすくなります。」
滑りにくくするために置いたものが、滑りやすくなるという書き方です。猫がいる部屋では、抜け毛も水も吐き戻しも床に落ちます。敷きっぱなしにすると、裏に回ったものに気づけません。
めくって裏を見る手間が定期的に要る、と考えておくほうが実態に合います。そしてもう一行、「吸着力が弱まってきた場合は使用を中止してください。」とあります。効かなくなったら替える前提の商品です。
犬のほうで床に塗るワックスを調べたときも、効いている状態には条件が付いていました。床に置くものと塗るもので形は違っても、効き目が続く条件が書いてあるところは変わりません。
貼れない床があります
床の種類によっては、はじめから対象の外になります。ここは買う前に確かめられるところです。
| 床の種類 | 書かれていること |
|---|---|
| カーペット・畳 | 吸着効果が発揮できない |
| ビニール製の床 | 使用しないでください(変色・変質・密着) |
| 白木や無垢材などの天然木 | 適さない場合があります(はっ水・防音タイプ) |
| 大理石・御影石などの天然石 | 玄関や壁面には使用できません(同上) |
| 同じ場所に敷きっぱなし | 定期的に位置を変えて使用 |
| 賃貸などで原状回復が要る床 | 直接貼らないでください(すべり止めシート) |
カーペットと畳については「床面がカーペットや畳の場合は吸着効果が発揮できません。」とあります。毛足のあるところには吸いつかない、ということ。
ビニール製の床はもう一段強い書き方で、「ビニール製の床には使用しないでください。床が変色、変質または床に密着する場合があります。」とされています。賃貸で見かけるクッションフロアは、ビニール製の床に当たります。
敷く場所を動かさない場合についても「長期間接すると床が変色、変質する場合がありますので、定期的に位置を変えて使用してください。」とありました。猫の通り道に合わせて敷きっぱなしにすると、ここに当たります。
木の床についても、はっ水タイプと防音タイプには一行あります。「白木や無垢材など天然木の床面には、適さない場合があります。」天然石についても「大理石・御影石などの天然石を利用している玄関や壁面には使用できません。」とされていました。買う前に、自分の家の床がどれに当たるかを決めておくと早く済みます。
「すべり止めシート」のほうは、用途がはっきり違います
同じ売り場に「ピタッと吸着すべり止めシート」という小さな四角い商品もあります。こちらは用途が書かれていて、「カーペットのズレ防止に」。マットそのものではなく、マットがずれないように留めるものです。
そして猫のいる家でいちばん効いてくるのが、この一行でした。「原状回復をしなければならない賃貸物件等の床に、直接貼らないでください。」
粘着面で貼るタイプなので、はがすときに床が傷みます。賃貸で猫と暮らしている人は、ここで一度止まることになります。
注意書きの最後には「用途外に使用しない」ともあります。書かれた用途はカーペットのズレ防止で、猫の足もとの話ではありません。
同じ「ピタッと吸着」でも、書いてある量が違います
ここは買うときに効くところです。同じシリーズの商品ページを並べて読むと、情報の量がそろっていませんでした。
| 商品 | 書かれていること |
|---|---|
| ピタッと吸着マット/階段マット/フェルト | 注意書きが十数行。飛び乗り・走るの禁止、床の種類、吸着力の低下まで |
| ピタッと吸着すべり止めシート | 用途(カーペットのズレ防止)と賃貸の床への注意 |
| ピタッと吸着はっ水マット/防音マット | 洗い方、天然木・天然石の床、飛び乗りと走行の禁止 |
| 旧パッケージのピタッと吸着マット | 吸着の仕組みを述べた一文のみ |
同じ名前で棚に並んでいても、読める情報の量が違います。パッケージの裏に注意書きが何も見当たらない商品は、「条件が無い」のではなく「書かれていない」と考えるほうが安全側に立てます。
はっ水タイプには別の書き方もあって、「はっ水加工は防水仕様ではありませんので、使用状況によっては水が染み込む恐れがあります。」とされていました。粗相の受けとして置くなら、ここは読んでおく値打ちがあります。
階段に敷くときは、角からはみ出していないか
階段用のマットには、ほかの商品に出てこない一行があります。「マットが階段の角からはみ出していないことを確認してから使用してください。」
はみ出したぶんを踏むと、そこだけ床がない状態になります。人が踏み外す話として書かれていますが、猫が上り下りするのも同じ段の端です。
敷いたあとに一度、横から見て端の位置を確かめておくと安心です。階段は猫が速度を出す場所でもあるので、ここだけは貼ってすぐに見ておく値打ちがあります。
ダイソーのペット用マットは、寝るためのものでした
では猫のために作られたものは無いのか。ダイソーの公式通販で「ペット マット」を探すと、出てくるのはペットベッド、ごろ寝マット、冷感マット、フードマットです。
どれも寝る場所と食べる場所のためのもので、床の滑り止めとして作られたペット用のマットは見当たりませんでした。
そして今回読んだ吸着マットの商品説明には、猫も犬も一度も出てきません。使えないと書いてあるわけではなく、はじめから話題になっていない、という状態です。
これはメーカーの表示であって、当社が試験で確かめたものではありません。メーカーに問い合わせたわけでもなく、公開されている商品ページを読んだだけです。実際に猫が滑って足や腰をかばうようになったなら、そこから先は獣医師の領域になります。
コルクマットを口に入れてしまった話のように、猫が口に入れるかどうかという見方も要ります。今回の吸着マットには「自由にカットできる!」とあって、サイズを変えて使えます。かじる猫がいる家では、切ったあとの端がどうなるかを自分の目で見ておくと安心です。
よくある質問
- Q猫の滑り止めに100均の吸着マットを使っても大丈夫ですか?
- A
ダイソーの商品ページには、猫についての記載がありません。かわりに「マットの上に飛び乗ったり走らない」という注意書きと、スリッパや靴下で滑る場合への注意が並んでいます。読み手に置かれているのは人です。禁止はされていません。ただし、この商品が想定している使い方からは外れます。お使いの商品については、パッケージの表示を確かめてください。
- Q敷いたのに猫がもっと滑るようになりました
- A
ダイソーは「裏面吸着部分に汚れ、水分、油分が付着していると、マットが非常に滑りやすくなります」と書いています。猫がいる部屋では抜け毛も水も床に落ちるので、裏面に回っている可能性があります。また「吸着力が弱まってきた場合は使用を中止してください」ともあり、効かなくなったら替える前提の商品です。
- Q賃貸でも使えますか?
- A
マットタイプは置くだけですが、床の種類に条件があります。ビニール製の床については「使用しないでください。床が変色、変質または床に密着する場合があります」とされていて、クッションフロアはここに入ります。粘着面で貼る「すべり止めシート」のほうは、「原状回復をしなければならない賃貸物件等の床に、直接貼らないでください」と明記されています。
- Qダイソーに猫用の滑り止めマットはありますか?
- A
公式通販で「ペット マット」を探した範囲では、並ぶのは寝具と食器まわりの品ばかりでした。休むための敷物か、器の下に置くものです。足もとの滑りを止める目的で作られた商品は、この検索では出てきませんでした。なお確認したのはダイソーの公式通販で、セリアやキャンドゥは見ていません。
なお、ここで読んだのはダイソーが公式通販に載せている商品ページです。セリアやキャンドゥの商品については確認していません。また、同じシリーズでも商品ごとに書いてあることが違うので、ここに書いた内容をほかの商品に当てはめることはできません。
