愛犬に手作りのおやつをあげてみたいけれど、「どの食材を使っていいの?」「これは食べさせたらダメだった気がする…」と不安になりますよね。手作りおやつでいちばん大切なのは、凝ったレシピよりも安全な食材選びと基本のルールです。この記事では、使っていい食材とNG食材、味付けの考え方、加熱・保存・日持ちの基本、1日のカロリー目安を整理したうえで、ささみジャーキーや米粉クッキーなど簡単なレシピも紹介します。作り始める前の”安全の土台”として読んでみてくださいね。
手作りおやつの基本は3つ。①犬が食べられる食材だけを使う(ぶどう・ネギ類・チョコ・キシリトールなどは絶対NG)/②味付けをしない(人間用の塩・砂糖・調味料は不要)/③しっかり加熱し、保存料が入らない分こまめに使い切る。おやつは1日のカロリーの2割以内が目安です。この土台さえ守れば、レシピはシンプルなもので十分ですよ。
犬の手作りおやつ、始める前に知っておきたい基本
手作りおやつは「安心・無添加」が魅力ですが、作り方を間違えると逆に体調をくずす原因にもなります。レシピに進む前に、3つの基本を押さえておきましょう。
おやつは1日のカロリーの2割以内が目安
手作りでもおやつはおやつ。あげすぎれば肥満につながります。おやつ(間食)は、ペットフード公正取引協議会の基準で、給与限度量を1日に必要なエネルギー量の20%以内に抑えることが求められています。より控えめに1日の1割ほどにとどめる考え方もあります。おやつをあげた日は、その分だけ主食のドッグフードを少し減らして、1日の総量で調整するのがコツです。手作りは”つい多めにあげてしまう”ので、量の意識はとくに大切です。
味付けはしない——人間の味付けはNG
犬の手作りおやつに、塩・砂糖・しょうゆ・バター・はちみつなどの味付けは基本的に不要です。犬は人間より塩分やカロリーに敏感で、味の濃いものは体の負担になります。素材そのものの味で十分おいしく食べてくれるので、「無味」でつくるのが正解。人間用のお菓子やパンを分け与えるのも、糖分・油分・添加物の面から避けましょう。
初めての食材は少量から
初めて使う食材は、まずごく少量から試します。犬にも食物アレルギーや、体質的に合わない食材があります。与えたあとに、かゆがる・皮膚が赤くなる・下痢や嘔吐が続く、といった変化が出ないかを確認してから、少しずつ量を増やしていきましょう。一度に何種類も新しい食材を混ぜると、もし体調をくずしたときに原因が分かりにくくなります。新しい食材は「1種類ずつ・少量から」が基本です。持病がある犬や療法食を食べている犬は、手作りおやつを足す前にかかりつけの獣医師に相談しておくと安心です。
手作りおやつに使っていい食材
まずは、犬のおやつに使いやすい食材を種類別に見ていきましょう。いずれも加熱して、味付けせず、適量を守るのが前提です。
肉・魚(加熱が前提)
鶏ささみ・鶏むね肉・赤身肉・白身魚などは、手作りおやつの定番食材です。高たんぱく・低脂肪のささみは、ジャーキーやふりかけに使いやすく人気があります。必ず加熱し、骨は取り除くのが鉄則。生肉・生魚は食中毒や寄生虫のリスクがあるため、しっかり火を通すか、低温でよく乾燥させてください。鶏の骨は加熱すると縦に裂けやすく危険なので、骨は使いません。
野菜(さつまいも・かぼちゃ・にんじんなど)
さつまいも・かぼちゃ・にんじん・ブロッコリー・キャベツなどは、加熱してやわらかくすれば手作りおやつに向いています。とくにさつまいもとかぼちゃは自然な甘みがあって嗜好性が高く、ふかしてつぶすだけでもおやつになります。ただし甘みがある分カロリーも高めなので、与えすぎには注意しましょう。それぞれの与え方や量の目安は、次の個別記事でくわしく紹介しています。


果物(りんご・バナナ・すいかなど)
りんご・バナナ・すいか・いちごなどは、少量ならおやつのアクセントになります。ただし種・芯・皮は取り除くのが基本です。りんごの種やすいかの種など、取り除くべき部分がある果物も多いので、下ごしらえは丁寧に。果物は水分と糖分が多いため、あくまで”少量のトッピング”として使いましょう。犬に与えていい果物の与え方・量は、こちらの記事も参考にしてくださいね。


穀類(米粉・オートミールなど)
クッキーやビスケット風のおやつを作るなら、米粉が使いやすい素材です。小麦アレルギーが気になる犬でも、米粉なら小麦を避けられます。オートミールもよく使われます。生地に卵やさつまいもを混ぜて焼けば、砂糖なしでもやさしい甘さのおやつになります。焼き菓子は水分が飛ぶ分、常温でも比較的日持ちしやすいのも利点です。
レシピに迷ったら、ゆでたささみを裂く、ふかしたさつまいもをつぶす——これだけで立派な手作りおやつです。凝った材料をそろえるより、犬が食べられる食材を”加熱して・味付けせず”与えるのが、いちばん安全でシンプルな作り方です。
絶対に使ってはいけないNG食材
手作りおやつでもっとも気をつけたいのが、犬にとって危険な食材をうっかり混ぜてしまうことです。次の食材は中毒を起こすことが知られており、少量でも与えてはいけません。中毒の出方は食べた量や個体差によって大きく変わるため、「少しなら大丈夫」と自己判断しないことが大切です。
- ぶどう・レーズン:腎臓に重い害を及ぼすことが知られています。パンやお菓子に混ざっていることも多いので要注意。
- ネギ類(玉ねぎ・長ねぎ・にら・にんにく・らっきょう):赤血球を壊し、貧血を起こすことが知られています。加熱しても、煮汁に溶け出したものでも危険です。
- チョコレート・ココア:カカオに含まれる成分が中毒の原因になります。
- キシリトール:ガムや甘味料に使われる成分で、犬では重い低血糖を起こすことがあります。人間用のお菓子は要注意。
- アボカド:犬に有害とされる成分を含み、避けるべき食材です。
- マカダミアナッツ:中毒症状の報告があり、与えてはいけません。
- アルコール・カフェイン(コーヒー・お茶・エナジードリンク):少量でも危険です。
- 生のパン生地・加熱前のイースト:胃の中で発酵・膨張して危険なため、加熱前の生地は与えません。
これらの食材を食べてしまった、あるいは食べた可能性がある場合は、様子を見ずに、できるだけ早く動物病院に連絡してください。中毒症状の出方や危険な量は食材・犬の体格・体質によって大きく異なり、時間が経つほど対応が難しくなることがあります。「いつ・何を・どのくらい食べたか」を伝えられると、診察がスムーズです。夜間や休診日は、地域の救急動物病院の連絡先を事前に控えておくと安心です。
加熱・保存・日持ちの基本
手作りおやつは、市販品のような保存料が入りません。だからこそ、加熱と保存のルールを守ることが安全に直結します。
加熱:生肉・生魚のリスクを避ける
肉や魚は、食中毒菌や寄生虫のリスクを避けるため、中心までしっかり加熱します。ジャーキーのように乾燥させる場合も、低温でじっくり水分を飛ばして仕上げましょう。半生の状態は傷みやすく、日持ちもしません。オーブンや食品乾燥機を使うと、家庭でも比較的安定して作れます。
保存:冷蔵・冷凍を基本に
手作りおやつは冷蔵、または冷凍保存が基本です。目安として、水分の多いおやつ(ふかし芋・ゆで肉など)は冷蔵で2〜3日を目安に使い切り、それ以上保存したいときは小分けにして冷凍します。焼き菓子(米粉クッキーなど)は水分が少ない分もう少し保ちますが、それでも早めに食べきるのが安心です。作り置きは”少なめに、こまめに”が鉄則です。
日持ち:無添加ゆえに短いと心得る
手作りおやつは保存料を使わないため、市販品より日持ちが短いのが当たり前です。カビやにおいの変化を感じたら、もったいなくても与えないでください。梅雨〜夏場はとくに傷みやすいので、常温放置は避けましょう。「無添加で安心」の裏側には「傷みやすい」という特徴があることを、忘れずに扱うことが大切です。市販の無添加ジャーキーにも同じことが言えるので、選び方のポイントはこちらの記事も参考にしてくださいね。

簡単な手作りおやつレシピ3例
基本を押さえたら、あとはシンプルに作るだけ。特別な道具がなくても作れる、簡単なおやつを3つ紹介します。いずれも味付けなし・しっかり加熱が共通のルールです。
① ささみジャーキー(手作り)
鶏ささみを筋を取って薄くそぎ切りにし、オーブンや食品乾燥機で低温(100〜120℃程度)でじっくり乾燥させます。水分がしっかり抜けてパリッとすれば完成。厚みがあると中まで乾かず傷みやすいので、薄く切るのがコツです。小型犬には食べやすい大きさに折ってあげましょう。市販の無添加ジャーキーが「原材料は肉だけ」なのと同じで、手作りもささみだけで立派なジャーキーになります。
② さつまいも・かぼちゃの一口おやつ
さつまいもやかぼちゃを、やわらかくなるまで蒸す・ゆでる・レンジで加熱します。そのまま一口大に切るだけでも、つぶして丸めても食べやすいおやつに。オーブンで軽く焼くと、水分が飛んで少し日持ちしやすくなります。砂糖は不要——素材そのものの甘さで十分です。甘みが強い分、量は控えめにしましょう。
③ 米粉クッキー(手作り)
米粉に、ゆでてつぶしたさつまいもや溶き卵を混ぜて生地をつくり、薄くのばして型抜きし、オーブンで焼きます。小麦を使わないので、小麦アレルギーが気になる犬にも向いています。砂糖・バターは入れず、素材の風味で焼き上げるのがポイント。しっかり水分を飛ばして焼くと、常温でも比較的日持ちします。誕生日や記念日には、同じ考え方で犬用ケーキにも応用できますよ。

手作りおやつのよくある失敗と注意点
最後に、手作りおやつで起こりがちな失敗と、その対策をまとめます。
- あげすぎて太る:手作りは加減が難しいもの。1日のおやつ枠(必要エネルギーの20%以内)を意識し、主食で調整を。
- 味付けしてしまう:人間の感覚で塩や砂糖を足さない。素材の味だけで作ります。
- 加熱不足・半生:傷みや食中毒の原因に。中心までしっかり火を通す・乾かすこと。
- NG食材の混入:レーズン入りパン、玉ねぎの煮汁など、”混ざっている”パターンに注意。
- 作り置きしすぎ:無添加は日持ちが短い前提で、少なめに作って冷蔵・冷凍を活用。
- 喉つまり・丸のみ:硬いおやつや大きいかたまりは、体格に合わせて小さく。早食いの子はとくに注意を。
おやつだけでなく、遊びを通したごほうびで愛犬とのコミュニケーションを深めたい方は、知育おもちゃを使う方法もあります。おやつを入れて遊べるタイプなど、選び方はこちらの記事で紹介しています。

まとめ|”安全の土台”を守れば手作りおやつは楽しい
- 使っていい食材だけを使う。ぶどう・ネギ類・チョコ・キシリトールなどは絶対NG
- 味付けはしない。人間用のお菓子・パンも分け与えない
- 肉・魚はしっかり加熱、骨は取り除く。半生はNG
- 保存料が入らない分、冷蔵・冷凍でこまめに使い切る
- おやつは1日の必要エネルギーの20%以内が目安。あげた分は主食で調整
- 初めての食材は少量から。NG食材を食べたら早めに動物病院へ
手作りおやつは、レシピの上手さよりも「安全の土台」を守ることがいちばん大切です。食べられる食材を、味付けせず、しっかり加熱して、こまめに使い切る——このルールさえ守れば、愛犬との時間はもっと楽しくなります。気になる体質やアレルギー、持病がある場合は、かかりつけの獣医師にも相談しながら、無理のない範囲で手作りを楽しんでくださいね。
- Q犬の手作りおやつに味付けは必要ですか?
- A
味付けは不要です。犬は人間より塩分やカロリーに敏感なので、塩・砂糖・しょうゆ・バターなどは加えず、素材そのものの味で作ります。人間用のお菓子やパンを分け与えるのも、糖分・油分・添加物の面から避けましょう。ゆでたささみやふかしたさつまいもなど、無味の食材だけで十分おいしく食べてくれます。
- Q手作りおやつはどのくらい日持ちしますか?
- A
保存料を使わないため、市販品より日持ちは短くなります。水分の多いおやつ(ふかし芋・ゆで肉など)は冷蔵で2〜3日を目安に使い切り、それ以上は小分け冷凍が安心です。焼き菓子(米粉クッキーなど)は水分が少ない分もう少し保ちますが、それでも早めに。カビやにおいの変化を感じたら与えないでください。梅雨〜夏場はとくに傷みやすいので、常温放置は避けましょう。
- Q犬が玉ねぎやぶどうを食べてしまいました。どうすればいいですか?
- A
ネギ類(玉ねぎ・長ねぎ・にらなど)やぶどう・レーズンは犬に中毒を起こすことが知られており、様子を見ずにできるだけ早く動物病院へ連絡してください。危険な量や症状の出方は食材・体格・体質によって大きく異なるため、自己判断は禁物です。「いつ・何を・どのくらい食べたか」を伝えられると診察がスムーズです。夜間・休診日に備えて、地域の救急動物病院の連絡先を控えておくと安心です。
