結論からお伝えすると、人間用のバリカンを犬に使うのはおすすめできません。人と犬では毛質や皮膚の厚みが違い、うまく刈れなかったり、皮膚を傷つけてしまったりする恐れがあるためです。動作音が大きく、犬が怖がって暴れやすいのも理由のひとつです。
この記事では、人間用バリカンをおすすめしない理由と犬用バリカンとの違いをわかりやすく整理したうえで、逆に犬用バリカンを人に使えるのか、切れないときの対処法や失敗しない犬用バリカンの選び方まで幅広く紹介します。愛犬に合った1台を選ぶ参考にしてみてくださいね。
人間用のバリカンを代用しても大丈夫?

犬に人間用のバリカンは使うべきではないでしょう。人間と犬では毛質が異なるのでうまく切れなかったり、人間より犬は皮膚が弱いのでケガをさせる可能性があるからです。そして人間用は音が大きいので、犬は嫌がって暴れてしまう可能性があり危険です。
人間用バリカンと犬用バリカンの違い(パワー・刃・音)
「使えないのはわかったけれど、具体的に何が違うの?」と気になるところでしょう。人間用と犬用では、主に次の3つの点が違うといわれています。
| 比較する点 | 人間用バリカン | 犬用バリカン |
|---|---|---|
| 刃の形・間隔 | 人の太く硬い毛に合わせた設計 | 細く柔らかい犬の毛に合わせた設計 |
| パワー・刃の動き | 家庭用として一定のパワー | 毛量や毛質に合わせたタイプを選べる |
| 動作音・振動 | 比較的大きいものが多い | 犬が怖がりにくい静音設計の製品が多い |
犬の皮膚は人よりも薄くデリケートだといわれており、人用の刃やパワーは犬の毛質・皮膚に合っていません。そのためうまく切れなかったり、肌を傷つけてしまったりすることがあります。安全にお手入れするなら、犬用として作られたバリカンを選ぶのがおすすめです。
⚠️ 本記事は獣医師監修ではありません。カット中に皮膚を傷つけてしまった場合や、皮膚トラブルが疑われる場合は、自己判断せず獣医師にご相談ください。
犬用バリカンは人間に使える?
逆に、犬用バリカンで人の髪を刈れないかと考える方もいます。答えは人間用のときと変わらず、犬用バリカンも人には使わないほうが安心です。犬用は犬の毛と皮膚に合わせて作られた道具で、人の髪を刈る道具としては想定されていないからです。
実際、犬用バリカンのなかには取扱説明書ではっきり人への使用を止めているものがあります。パナソニックの全身カット用モデルがそうで、使用上のご注意に人間へは使わないよう明記されています。反対に同じメーカーの人間用ヘアカッターにもペットに使わないという注意があり、どちらの向きも用途の外という扱いです。
犬用バリカン(パナソニック ER807PP)の使用上のご注意より
「人間には使わないでください。」
人間用ヘアカッター(パナソニック ER-GF82/ER-GF42)の使用時の注意より
「ペットに使わない」
さらに、刃の作りを見ても両者は別の道具です。犬用バリカンの刃は、細くやわらかい犬の毛をとらえられるように作られています。刈れるかどうか以前に用途が違うので、人の散髪に流用する前提では設計されていません。取扱説明書と違う使い方は保証の面でも不利になります。無料修理は、注意書きに従って使っていたことが前提だからです。
また、衛生の面からも1台を人と犬で共用するのは避けたいところです。刈ったあとの刃には毛や皮脂が入り込み、ブラシで払っただけでは細かい部分まで落としきれません。犬から人にうつる皮膚の感染症も知られているため、人には人用、犬には犬用と、はじめから分けておきましょう。
取扱説明書の安全上のご注意・使用上のご注意で、人への使用がどう書かれているかを見る
人の散髪にも使いたいなら、犬用を流用せず人間用のヘアカッターを別に用意する
刃やアタッチメントも人と犬で分け、そのつど毛を落としてから片づける
犬のバリカンにはどんな長さがある?
犬のバリカンには、3mm・5mm・10mmなど3種類程度のアタッチメントがついていることが多いです。長毛種には10mm、短毛種には5mmを使う場合が多いでしょう。3mm以下の刃は、汚れやすくデリケートな口周りや、目の周り、足周り、足裏、陰部に使います。サマーカットを3mmで行うのも涼しげでいいでしょう。
犬用バリカンが切れなくなる理由と対処法
バリカンが切れない場合、主に3種類の理由があります。まず犬の毛がもつれていたり、抜け毛が取り除けていないことが原因な場合が多いです。バリカンを使用する前に、しっかりブラッシングして、コームで毛流れを確認するといいでしょう。そして刃に毛が詰まっている場合です。分解して毛を取り除き掃除しましょう。最後に刃が傷んでいる場合です。日々オイルをさしておいたり、刃を研ぐと切れ味が戻るでしょう。
夏にサマーカットを考えている方は、メリットと注意点もあわせてどうぞ。

失敗しない犬用バリカンの選び方3つのポイント
はじめて犬用バリカンを選ぶときに、見ておきたいポイントを3つにまとめました。
- 静音性:音や振動が小さいタイプは、音が苦手な犬でも比較的使いやすいといわれています。
- 刃の長さ(アタッチメント):全身カットには複数の長さに対応したタイプ、足裏や口周りには細かく刈れるコンパクトタイプが向いています。
- お手入れのしやすさ:水洗いできる防水タイプや、刃を外して掃除できるタイプだと清潔に保ちやすいです。
この3点を踏まえて、次に編集部おすすめの犬用バリカンを4つ紹介します。愛犬の毛量やカットしたい場所に合わせて選んでみてくださいね。
カット前のもつれをほどくブラッシングのやり方は、こちらで解説しています。

犬用バリカンおすすめ4選
犬用バリカンを4点紹介します。商品ごとのおすすめポイントと主なスペックもまとめていますので、選ぶときの参考にしてみてくださいね。
犬用バリカン【マニュアル付き・初心者向け】
| バリカンカバーアタッチメント | 3mm,6mm,9mm,12mm |
| 重量 | 220g |
犬用バリカン【全身カット・まるごと水洗いできるタイプ】
国内のペット用品メーカー・ペティオが展開する「Self Trimmer(セルフトリマー)」シリーズの上位モデルです。本体をまるごと水洗いでき、コードレスでも電源につないだままでも使えるため、全身カットのように時間のかかるお手入れでも途中で止まりにくいのが特長です。
| 刈り高さアタッチメント | 3・6・9・12mm(4個)/刈上高さスライド0.8〜1.8mmの6段階 |
| 重量 | 約230g |
| 防水 | IPX7相当(まるごと水洗いOK) |
犬用バリカン【足裏用におすすめ】
| サイズ | 15.6 x 2.9 x 2.6 cm |
| 重量 | 170g |
犬用バリカン【プロ用】
| サイズ | L160×W45mm |
| 重量 | 250g |
犬のバリカンのやり方が分かる動画を紹介
犬用のバリカンを購入しても、やり方がわからない人もいるでしょう。犬にバリカンを使用するのが初めてでも分かりやすいよう、犬のバリカンのやり方動画もまとめました。
トイプードルのバリカンのやり方が分かる動画
バリカンでトイプードルの全身カットをしている動画です。随所で注意点やコツを知らせてくれます。同じ投稿者がほかのトリミング方法も公開しているので、あわせて見ておくと手順がつかめるはずです。
バリカンで足裏のカット方法が分かる動画
犬の足裏のバリカンのやり方を説明しています。人形や犬で説明&部分的にアップしているので、初心者でも分かりやすいはず。
カットとあわせてシャンプーも見直したい方は、こちらもどうぞ。

人間用バリカンと犬についてよくある質問
最後に、人間用バリカンと犬について多く寄せられる質問にお答えします。
- Q人間用バリカンで犬の毛は切れる?
- A
切れる場合もありますが、おすすめはできません。人間用バリカンは人の太く硬い毛に合わせて作られているため、犬の細く柔らかい毛だとうまく刈れず、刈り残しが出やすいといわれています。
さらに、犬の皮膚は薄くデリケートなため、皮膚を傷つけてしまう恐れもあるため、刈り上がりと安全のどちらを取っても、犬用を使うほうが無理がありません。
- Qどうしても人間用で代用するなら?
- A
基本的には代用はおすすめしません。どうしてもという場合は自己責任のうえで、肌に当たりにくい背中などごく一部にとどめ、皮膚に直接刃が触れないよう十分に注意してください。
犬が嫌がって暴れると思わぬケガにつながることもあります。心配な場合は無理をせず、トリミングサロンや獣医師に相談するのが安心です。

