寝ようとして布団をめくると、猫がするりと入ってくる。毎晩そうなる家もあれば、入ってきても朝には出ていってしまう家、いつまで待っても入ってこない家もあります。
入ってくる理由なら見当がつきます。それより気になるのは、あんなに寄ってきたのに途中で出ていったのはなぜか、うちの子だけ入ってこないのはなぜかという側ではないでしょうか。
この記事では、入ってくる理由に加えて、出ていく場合と入ってこない場合も並べて書きました。一緒に寝るときの安全にも最後に触れています。
布団に入ってくる理由
いちばん分かりやすいのは温度です。猫が快適に感じる温度は人より高めなので、寒い時期の布団の中は猫にとってちょうどよい場所になります。秋から冬にかけて急に入ってくるようになった、という家も多いはず。
安心できる場所を選んでいる、という面もあります。猫は眠っているあいだが最も無防備になるので、警戒しなくていい相手のそばを選ぶわけです。飼い主の布団は、狭くて囲まれていて、においも慣れている条件がそろった場所です。
もうひとつ、猫にとって飼い主は「体温のある大きな塊」でもあります。冬に足元へ寄ってくるのはそのためで、甘えているというより暖を取っているだけ、という場面も混じっているでしょう。
途中で出ていくのは、嫌になったからではない
入ってきたのに小一時間で出ていってしまうと、飽きられたのかと感じます。ただ、猫が場所を移す理由の多くは暑くなったからです。布団の中は猫にとってすぐ暑くなりすぎるので、ちょうどいい温度の場所へ移動しているだけということがほとんど。
もうひとつ多いのが、人の寝返りです。猫は物音や動きで目を覚ましやすく、こちらが寝返りを打つたびに顔を上げています。何度もぶつかれば、静かな場所へ移りたくなるのは自然なことでしょう。
出ていった先が同じ部屋の中なら、心配は要りません。ベッドの足元や、少し離れた床、椅子の上など、そのときいちばん快適な場所を選び直しているだけです。
足元か、顔の近くか
同じ布団でも、猫が選ぶ位置はだいたい決まっているもの。愛情の深さで並べたくなりますが、位置を分けているのはたいてい温度と、すぐ動けるかどうかのほうです。
足元は布団の中でいちばん熱がこもらず、しかも人の動きから遠い場所。眠りを邪魔されたくない猫や、暑がりの猫が選びます。反対に顔の近くは、においがいちばん濃くて安心できる代わりに、寝返りの影響をまともに受けます。
季節で位置が変わるなら、理由は温度と考えて差し支えありません。冬は胸の上にいたのに夏は足元へ移った、という変化はよくあるもの。気持ちが冷めたわけではなく、快適な場所を選び直しただけです。
入ってこない猫もいる
一緒に寝てくれないと、なつかれていないのかと気になります。けれども布団に入るかどうかは、なつき具合よりもその猫の眠り方の好みに近いところがあります。
高い場所で眠るのが好きな猫なら、キャットタワーの上や棚の上。狭い場所が好きな猫なら、箱やベッドのほうが落ち着きます。人の布団は、暑さと動きの点でどちらも苦手という猫がいてもおかしくありません。
同じ部屋で寝ている、近くの床で丸くなっている、朝になると起こしにくる。こうした様子があるなら、距離の取り方が違うだけと考えて差し支えありません。

一緒に寝るなら、気をつけておきたいこと
猫が布団に入ってくること自体に問題はありませんが、いくつか条件によっては気をつけたい場面があります。
子猫のうちは体が小さく、寝返りで下敷きにしてしまう心配がある。落ち着いて眠れる寝床を別に用意しておくと安心
寝室に入れるなら、猫がいつでも出ていける状態にしておく。ドアを閉め切らない
布団の中は温度が上がりやすいので、部屋のどこかに涼しい場所を残しておく
猫が夜中に動きだしても困らないよう、床に踏むと危ないものを置かない
ふとんに入ってこられると眠りが浅くなる、という人もいます。その場合は寝室を分けるより、猫用の寝床を布団のすぐ横に置くほうがうまくいくことが多いようです。近さは保ったまま、お互いの眠りを邪魔しない形にできます。
まとめ
布団に入ってくるのは、温度と安心のふたつがそろっているからです。途中で出ていくのは飽きたのではなく暑くなったから、入ってこないのはなついていないのではなく眠り方の好みが違うから。どれも困った行動ではありません。
気にかけたいのは気持ちの読み取りより、子猫との添い寝や逃げ道の確保といった環境のほうです。そこさえ整えておけば、あとはその子の選んだ距離に任せておいて構いません。


