猫が毛布や飼い主のひざの上で、前足を交互にむにむに動かす「ふみふみ」。見ているだけで癒やされる仕草ですが、「うちの子は大人なのになぜ?」「布を噛みながらするけど大丈夫?」と気になったことはありませんか。ふみふみには、子猫時代の名残や甘えなど、いくつかの理由があるとされています。本記事では、猫がふみふみする理由と、ちょっと注意したいケースを紹介しています。参考にしてみてくださいね。
猫がふみふみする理由は?大人になってもする意味と注意したいウールサッキングを解説|ペットリサーチ
猫の行動・習性猫の「ふみふみ」とは?前足で交互に押す仕草のこと
「ふみふみ」は、猫が前足を左右交互に動かして、やわらかいものを押すように踏む仕草のことです。「もみもみ」「ふにふに」と呼ばれることもあります。毛布やクッション、飼い主さんのお腹やひざの上など、やわらかくてあたたかい場所で見られることが多い行動です。
多くの猫はリラックスしているときにふみふみをします。ゴロゴロと喉を鳴らしながら、うっとりした表情でふみふみする姿は、猫が安心しているサインのひとつと考えられています。では、なぜ猫はこの仕草をするのでしょうか。次の章で理由を見ていきましょう。
猫がふみふみする6つの理由
ふみふみの理由はひとつではなく、いくつかの説があるとされています。代表的な6つを紹介します。
1. 子猫時代の授乳の名残
もっともよく知られているのが、子猫のころの授乳行動の名残という説です。子猫は母猫のおっぱいを飲むとき、前足で母猫のお腹を交互に押して、母乳が出やすくなるように刺激します。この動きが「ふみふみ」のもとになっているといわれています。
本来は授乳期の行動ですが、成猫になっても残ることがあります。海外の科学メディアでも、ふみふみは子猫のころの行動が大人になっても残ったものとして説明されています。
参考: ScienceAlert「Here’s Why Cats Knead You With Their Paws, According to Science」(参照日2026-06-15)
2. リラックス・安心しているサイン
あたたかくてやわらかいものに触れると、子猫のころの安心感を思い出してふみふみする、とも考えられています。寝る前や、お気に入りの毛布の上、信頼している飼い主さんのそばなど、猫がくつろいでいる場面で見られやすい仕草です。
3. 甘えたい・かまってほしい気持ち
飼い主さんのひざやお腹の上でふみふみするのは、甘えたい気持ちのあらわれともいわれています。「この人なら自分を受け入れてくれる」という信頼から、子猫のころのような気持ちになっていると考えると、なんともかわいらしい仕草ですね。鳴きながらふみふみする猫もいます。
4. 自分のニオイをつける(マーキング)
猫の肉球には、ニオイを出す臭腺(しゅうせん)があります。前足で押すことで、自分のニオイをつけて「ここは自分の場所」と安心している、という説もあります。お気に入りの場所や飼い主さんにふみふみするのは、縄張りやなわばりの確認をかねているのかもしれません。
5. 寝る前のルーティン(習慣)
「ふみふみしてから寝る」という子も少なくありません。子猫のころに「母乳を飲んだら眠る」を繰り返していたことから、ふみふみが眠る前の儀式のようになっている、と考えられています。ベッドに入る前にふみふみする猫は、寝る準備をしているのかもしれません。
6. 気持ちを落ち着けるため
くり返しの動きには、気持ちを落ち着ける効果があるともいわれています。少し緊張する場面や、慣れない環境などで、自分を安心させるためにふみふみすることもあるようです。人が貧乏ゆすりや髪をいじって落ち着こうとするのに、少し似ているのかもしれませんね。
このように、猫が甘えたりリラックスしたりするときの行動は、ふみふみ以外にもいろいろあります。飼い主さんについてくる行動の意味は、別の記事で詳しく紹介しています。

大人になってもふみふみするのはなぜ?
「ふみふみは子猫の行動なのに、うちの子は大人なのにする」と不思議に思う飼い主さんは多いものです。これは、子猫時代の安心感や心地よさと結びついた行動が、大人になっても残っているためと考えられています。とくに、母猫や兄弟と早く離れた猫ほど、この仕草が長く残りやすいともいわれています。
大人の猫がふみふみすること自体は、ごく自然な行動です。回数や強さに個体差はありますが、ほとんどの場合は心配いりません。「うちの子はあまりふみふみしない」という場合も、性格や育った環境によるもので、異常ではないとされています。
ふみふみと一緒に喉をゴロゴロ鳴らす猫は多いものです。ゴロゴロ音はリラックスしているときによく聞かれますが、体調がよくないときに出すこともあるといわれています。いつもと様子が違うと感じたら、表情や食欲もあわせて見てあげてくださいね。
ふみふみで注意したい「ウールサッキング」とは
ふみふみそのものは問題のない行動ですが、ひとつだけ気をつけたいケースがあります。それが「ウールサッキング」です。
ウールサッキングとは、毛布やセーターなどの布を、母猫のおっぱいを吸うようにチュパチュパ吸ったり、噛んだりする行動のことです。ふみふみと同時に見られることがあります。布をやさしくくわえる程度なら大きな心配はいりませんが、強く噛んで繊維を飲み込んでしまうと、おなかの調子を崩すおそれがあるといわれています。気になる場合は動物病院に相談すると安心です。
ウールサッキングは「異食症(いしょくしょう)」の一種と考えられており、ストレスや欲求不満が関係していることもあるといわれています。ふみふみしながら布を食べてしまう様子が見られる場合や、毛糸・ビニールなどを口にしている場合は、自己判断せず、早めにかかりつけの動物病院に相談してください。
参考: ONELife行動クリニックグループ(獣医行動診療)「猫が布を食べる!?ウールサッキングの原因と対策」(参照日2026-06-15)
- 布や毛糸、ビニールなどを噛んで飲み込んでしまう
- 急に元気や食欲がなくなった、嘔吐をくり返す
- ふみふみや布を吸う行動が極端に増えた・長く続く
ふみふみされたときの飼い主さんの対応のコツ
基本的には、ふみふみは無理にやめさせる必要はありません。猫が安心して甘えているサインなので、そっと見守ってあげるのがおすすめです。とはいえ、爪が当たって痛い場合や、布を噛んでしまう場合は、ちょっとした工夫で対応できます。
爪が当たって痛いとき
ひざの上でふみふみされて爪が痛いときは、間に厚手のブランケットやクッションを置くと和らぎます。日ごろから爪のお手入れをしておくのもよいでしょう。猫がリラックスしているところを急にどかすと驚かせてしまうので、やさしく場所を移してあげてくださいね。
布を噛んでしまうとき
噛んでしまう布は、猫の手の届かない場所にしまうのが基本です。退屈やストレスが関係していることもあるため、遊ぶ時間を増やしたり、おもちゃを用意したりして気を紛らわせる方法もあります。留守番中に布を噛んでしまう子には、ひとり遊びできるおもちゃも役立ちます。
猫の留守番中のストレスや過ごし方は、別の記事でも紹介しています。あわせて読んでみてくださいね。

猫のふみふみに関するよくある質問
まとめ
- ふみふみは子猫時代の授乳の名残が有力な説とされている
- リラックス・甘え・マーキング・寝る前の習慣など理由は複数ある
- 大人になっても続くのは自然なことで、ほとんどは心配いらない
- 布を噛んで飲み込む「ウールサッキング」だけは注意が必要
- 基本は無理にやめさせず、安心している猫をそっと見守る
- 爪が痛いときは厚手の布をはさみ、日ごろから爪をお手入れする
- 布を噛む子は手の届かない場所に布をしまい、遊びでストレスを発散させる
猫のふみふみは、安心や甘えがつまった愛らしい仕草です。理由を知ると、いつもの光景がもっと愛おしく見えてくるかもしれませんね。飲み込みやすい布だけ気をつけて、ゆったりとした猫との時間を楽しんでください。
