夏になると蚊やノミ、マダニが一気に増えますよね。散歩中や庭先で愛犬が虫に刺されないか、気になっていませんか?この記事では、犬を虫から守るために家庭でできる日常の虫除け対策と、ペットがいても使えるグッズの選び方をまとめました。参考にしてみてくださいね。
先にお伝えしておきたい大切なことがあります。フィラリア(犬糸状虫症)やマダニが媒介する感染症の「予防」は、動物病院で処方される予防薬が基本です。市販の忌避グッズは、あくまで虫を寄せ付けにくくするための補助であり、予防薬の代わりにはなりません。この記事では、その前提のうえで日常的にできる物理的・環境的な対策に絞って紹介します。
夏に注意したい虫と犬へのリスク
まずは、夏に増える代表的な虫と、犬にとってどんなリスクが知られているのかを整理しておきましょう。それぞれの病気については専門的な内容になるため、詳しい予防・治療は必ずかかりつけの獣医師に相談してください。
蚊 — フィラリア症を媒介することが知られています
蚊は、犬フィラリア症(犬糸状虫症)を媒介することが知られています。フィラリアは蚊を介して犬の体内に入り、心臓や肺の血管に寄生する寄生虫です。
大切なのは、フィラリアの予防薬は市販されておらず、動物病院で獣医師に処方してもらうものだという点です。予防のシーズンや投薬期間は地域の気候によって異なるため、住んでいる地域に合わせて動物病院で相談するのが基本になります。
ノミ — かゆみや皮膚トラブルの原因に
ノミに刺されると、強いかゆみや皮膚炎の原因になることがあります。犬が体をかき壊してしまうと、皮膚トラブルが悪化することもあります。ノミの駆除についても、動物病院で処方される薬が基本です。
マダニ — SFTSなどの感染症に関わることが知られています
マダニは、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの感染症に関わることが知られています。SFTSはウイルスを持つマダニに刺されることで感染するとされ、犬や猫が感染する例だけでなく、犬や猫から人に感染した事例も報告されています。人にとっても注意が必要な感染症です。
マダニは草むらや山林、公園の茂みなどに生息しています。ペットのマダニ予防・駆除についても、動物病院で相談するのが基本です。この記事で紹介する物理的・環境的な対策は、これらの予防薬と併用する「日常のひと工夫」として活用してください。
出典: 環境省「人と動物の共通感染症に関するガイドライン」、神奈川県「ペットの重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について」(いずれも参照日2026-07-03)
日常でできる犬の虫除け対策
予防薬を基本にしつつ、家庭でできる物理的な対策を組み合わせることで、虫と接触する機会を減らせます。ここでは散歩・室内・グッズの3つの視点から紹介します。
散歩の時間帯と草むらを避ける
蚊は朝夕の時間帯に活動が活発になりやすいといわれています。真夏は日中の暑さを避けるためにも、蚊が多い時間帯とアスファルトの熱さの両方を考えながら、散歩の時間を工夫するとよいでしょう。
また、マダニは草むらや茂みにひそんでいます。背の高い草むらにはできるだけ入らせないようにすると、マダニと接触する機会を減らせます。散歩コースを見直すのも一つの方法です。
網戸・室内環境を整える
室内飼いの犬でも、蚊は網戸のすき間やドアの開閉時に入り込みます。網戸に破れやすき間がないか確認し、必要なら補修しておきましょう。玄関やベランダの水たまり(植木鉢の受け皿など)は蚊の発生源になりやすいので、こまめに水を捨てておくのもおすすめです。
ペット用の忌避グッズを使う
虫を寄せ付けにくくすることをうたった、ペット用のスプレーや首輪タイプの忌避グッズがあります。ここで大切なのは、これらは「医薬品」ではなく、あくまで虫を寄せ付けにくくすることを目的とした忌避グッズだという点です。フィラリアやノミ・マダニの「予防薬」とは別物なので、混同しないようにしましょう。
選ぶときは、必ず犬に使えると明記された製品を選び、成分表示を確認してください。人間用の虫除けに含まれることがある「ディート」は、犬への安全性が確立されていないとされるため、人間用の虫除けを犬にそのまま使うのは避けましょう。使用前にパッケージの対象動物・使用方法をよく読むことが大切です。
服・ロンパースで肌の露出を減らす
薄手の服やロンパースを着せると、虫が皮膚に直接触れる面積を減らせます。特にお腹や脚まで覆えるロンパースは、草むらを歩くときの物理的なガードとして役立ちます。夏用の通気性のよい素材を選ぶと、暑さ対策と両立しやすくなります。

散歩後のブラッシングで虫のチェックを
散歩から帰ったら、ブラッシングをしながらマダニなどが付いていないかチェックする習慣をつけましょう。特に耳のうしろ・首まわり・脚のつけ根・お腹など、被毛が薄く柔らかい部分は要チェックです。
もしマダニが付いているのを見つけても、無理に引き抜かないでください。マダニの口が皮膚に残ってしまうことがあります。見つけたときは動物病院に相談するのが安心です。

ペットがいる家庭の蚊対策
人間用の蚊対策グッズを使うとき、犬がいる家庭ならではの注意点があります。安全に使うためのポイントを押さえておきましょう。
人間用の蚊取り・殺虫剤を使うときの注意
蚊取り線香や殺虫剤を使うときは、犬の鼻先に直接煙がかからないよう風上に置き、こまめに換気することが大切です。狭い部屋で煙が充満すると、人でも犬でも体調をくずすことがあります。特に鼻の短い短頭種(フレンチブルドッグ、パグなど)は呼吸器がデリケートなので注意しましょう。
スプレータイプの殺虫剤を室内で使うときは、犬を別の部屋に移してから使い、使用後は十分に換気し、床や家具の表面を拭き取ってから犬を戻すと安心です。ペット用と表示された製品でも、成分表示を確認する習慣をつけましょう。
アロマ・精油は安易に使わない
「天然だから安心」というイメージから、虫除け目的でアロマや精油(エッセンシャルオイル)を使いたくなるかもしれません。しかし、犬や猫にとって有害とされる精油があります。たとえばティーツリーなど一部の精油は、犬に中毒症状を引き起こすことがあるとされています。特に猫は精油の成分を代謝しにくく、より注意が必要とされています。
ディフューザーで室内に拡散させると、犬が知らないうちに吸い込んでしまいます。虫除け目的で自己判断で精油を使うのは避け、使いたい場合は事前に獣医師に相談しましょう。
犬の虫除けグッズの選び方とおすすめ
ここからは、日常の虫除けに役立つグッズを紹介します。いずれも虫を寄せ付けにくくすることをうたった忌避系のグッズで、フィラリアやノミ・マダニの予防薬(医薬品)とは別物です。予防薬は必ず動物病院で相談してくださいね。
また、散歩バッグに虫除けグッズや除菌シートをまとめておくと、外出時にサッと対応できて便利です。

※以下のグッズは、購入リンクを準備中です(リンクは後日設置予定)。実際の製品選びの際は、必ず「犬に使える」と明記された製品を選び、成分表示と使用方法を確認してください。
よくある質問(FAQ)
- Qフィラリア予防は市販の虫除けグッズで代用できますか?
- A
代用できません。フィラリアの予防は、動物病院で処方される予防薬が基本です。市販の忌避グッズは虫を寄せ付けにくくするための補助であり、フィラリア症を防ぐ効果をうたうものではありません。フィラリア予防については、必ずかかりつけの動物病院に相談してください。
- Q室内飼いの犬にも虫除け対策は必要ですか?
- A
室内飼いでも対策はしておきたいところです。蚊は網戸のすき間やドアの開閉時に室内へ入ってきますし、散歩に出る犬は外でマダニと接触する可能性があります。網戸の点検や散歩後のブラッシングチェックなど、日常のひと工夫を続けることをおすすめします。フィラリアやノミ・マダニの予防薬の要否は、動物病院で相談してください。
まとめ
夏の虫から愛犬を守るには、動物病院での予防薬を基本にしつつ、家庭でできる日常の対策を組み合わせることが大切です。
- フィラリア・ノミ・マダニの「予防薬」は動物病院で処方されるものが基本
- 市販の忌避グッズは予防薬の代わりにはならない(医薬品ではない)
- 散歩の時間帯・草むら回避・網戸・服・ブラッシングチェックが日常対策の柱
- 人間用の蚊取り・殺虫剤は換気と設置場所に注意。精油・アロマは有害とされるものがあり安易に使わない
虫が気になる季節は、まず動物病院で予防について相談したうえで、今日紹介した日常の対策を取り入れてみてくださいね。愛犬が快適に夏を過ごせますように。
※この記事は一般的な情報をまとめたものです。犬の健康状態や地域によって適切な対策は異なります。予防薬や体調に関する最終的な判断は、かかりつけの獣医師に相談してください。
