愛犬の耳掃除、どうやるのが正解なのか迷いますよね。犬の耳掃除は、見える範囲をやさしく拭くのが基本で、奥まで無理に掃除したり回数が多すぎたりすると、かえって耳を傷めてしまうこともあります。この記事では、犬の耳の構造から、耳掃除のやり方・頻度の目安・嫌がるときの対処、そして「こんな耳は動物病院へ」という受診の目安まで、飼い主さん目線でまとめました。できることから取り入れてみてくださいね。
犬に耳掃除は必要?まずは耳の構造を知ろう
「犬に耳掃除って必要なの?」と気になる飼い主さんは多いはずです。結論から言うと、耳の状態によっては、日ごろのお手入れとして耳掃除をしてあげるとよいとされています。ただし、健康で汚れのたまりにくい耳なら、頻繁に掃除する必要はありません。やりすぎがかえって負担になることもあるため、まずは犬の耳の構造を知っておきましょう。
犬の耳の穴は「L字型」で通気が悪くなりやすい
犬の耳の穴は、入り口からまっすぐ奥に続いているわけではなく、途中で折れ曲がった「L字型」に近い形をしているといわれています。この構造のため、耳の奥は空気がこもりやすく、湿気や汚れがたまりやすい環境になりがちです。とくに耳がむれやすい状態が続くと、汚れやにおいの原因になることがあります。
垂れ耳の犬は汚れがたまりやすい傾向
耳がぺたんと垂れている犬種は、耳のふたが閉じているような状態になりやすく、耳の中に通気が届きにくい傾向があります。そのため、立ち耳の犬に比べて湿気や汚れがこもりやすいといわれています。トイプードルやコッカースパニエル、ダックスフンドのように耳が垂れている犬や、耳の中に毛が多い犬は、ふだんから耳の様子をこまめにチェックしてあげると安心です。もちろん、立ち耳の犬でも汚れがたまることはあります。
「きれいにしてあげたい」という気持ちから、毎日ゴシゴシと耳を掃除するのは逆効果になることがあります。こすりすぎや掃除のしすぎは、かえって耳の中を傷つけたり、皮膚に負担をかけたりする心配があります。耳がきれいで、においや汚れが気にならないときは、無理に掃除をしなくても大丈夫です。あくまで「汚れているときに、やさしく」が基本と覚えておきましょう。
犬の耳掃除のやり方
犬の耳掃除は、見えている範囲をやさしく拭き取るのが基本です。特別な道具がなくても、まずは正しい手順を知っておくことが大切です。ここでは、一般的によく紹介される耳掃除の進め方を紹介します。犬が落ち着いているタイミングを選び、リラックスした状態で行いましょう。
ステップ1:耳の中を観察する
まずは耳を軽くめくって、中の様子を見てみましょう。健康な耳は、うすいピンク色でにおいもほとんど気になりません。赤み・腫れ・強いにおい・べたついた耳垢などがあるときは、無理に掃除をせず、あとで紹介する「動物病院に相談したいサイン」を確認してください。汚れが少しついている程度なら、次のステップに進みます。
ステップ2:見える範囲をやさしく拭く
コットンやガーゼ、耳掃除用のシートなどを指に巻きつけ、耳の入り口や、指が届く見える範囲だけをやさしく拭き取ります。ぬるま湯や犬用のイヤークリーナーで軽く湿らせると、汚れを拭き取りやすくなります。ゴシゴシこすらず、なでるようにやさしく行うのがポイントです。奥に汚れが見えても、無理に取ろうとしないようにしましょう。
綿棒で耳の奥まで掃除するのは避けましょう。綿棒で奥を突くと、汚れを奥へ押し込んでしまったり、耳の中を傷つけてしまったりする心配があります。とくに犬の耳はL字型で見えない部分が多いため、飼い主さんが奥まで掃除するのは難しいものです。見える範囲のお手入れは飼い主さんが行い、奥の汚れが気になるときは動物病院やトリミングサロンにおまかせすると安心です。
イヤークリーナーの一般的な使い方
犬用のイヤークリーナー(耳の洗浄液)は、耳の汚れを拭き取りやすくするために使えるアイテムです。一般的な使い方としては、コットンにイヤークリーナーを含ませて拭く方法や、商品の説明に沿って耳に適量を入れ、耳の付け根をやさしくもんでから、犬が頭を振って浮いてきた汚れをコットンで拭き取る方法があります。使い方や量は商品によって異なるため、必ずパッケージや説明書に従ってください。液が冷たいと犬が驚くことがあるので、手のひらであたためてから使うと受け入れてもらいやすくなります。
耳掃除は、シャンプーやブラッシングと合わせて、日ごろのお手入れの習慣にすると続けやすくなります。犬のシャンプーのやり方や頻度は、こちらの記事でくわしく紹介しています。

犬の耳掃除の頻度の目安
「耳掃除ってどのくらいの頻度でやればいいの?」というのも、迷いやすいポイントです。まず前提として、耳掃除の頻度には犬種・耳の形・体質・季節による個体差が大きいため、「何日に1回」と一律に決めることはできません。ここでは、あくまで一般的な考え方として目安を整理します。
- 立ち耳で汚れの少ない犬:耳がきれいなら、こまめに掃除する必要はありません。ときどき様子を見て、汚れているときだけ拭く程度で十分なことが多いです
- 垂れ耳・耳の中に毛が多い犬:汚れやむれがたまりやすい傾向があるため、ふだんからこまめにチェックし、汚れが気になったらやさしく拭いてあげましょう
- むれやすい季節(梅雨〜夏):湿気で耳の中がむれやすくなるため、耳の様子をいつもより気にかけてあげると安心です
大切なのは、回数を決めて機械的に掃除することよりも、耳の状態をこまめに観察して、汚れているときにやさしくケアすることです。汚れていないのに毎日掃除すると、かえって耳を傷めることもあるため、「掃除のしすぎ」にも気をつけましょう。かかりつけの動物病院で、その子に合った耳掃除の頻度を相談しておくのもおすすめです。
耳掃除を嫌がる犬への対処
耳をさわられるのが苦手で、耳掃除を嫌がる犬は少なくありません。無理に押さえつけて掃除しようとすると、耳掃除そのものが「こわいこと」になってしまい、ますます嫌がるようになることもあります。あせらず、少しずつ慣らしていくのが基本です。
まずは耳をさわられることに慣らす
いきなり耳掃除を始めるのではなく、リラックスしているときに耳を軽くなでる、さわったらおやつをあげる、といったことから始めてみましょう。「耳をさわられる=いいことがある」と感じられるようになると、耳掃除も受け入れやすくなります。一度にすべてを終わらせようとせず、短い時間で切り上げることも、嫌がらせないコツです。
無理なときはサロンや動物病院にまかせる
どうしても嫌がって暴れてしまう、飼い主さんだけでは難しい、という場合は、無理に自宅で行う必要はありません。トリミングサロンや動物病院で耳掃除をお願いするという選択肢もあります。プロにまかせれば、犬に負担をかけずに、奥の汚れまで安全にケアしてもらえます。耳の中に毛が多い犬の毛の処理なども、サロンや動物病院に相談すると安心です。爪切りやブラッシングと同じように、無理せずプロの手を借りることも、犬にとってやさしい選択です。

こんな耳は要注意|動物病院に相談したいサイン
耳掃除の前後には、耳の状態をよく観察してあげましょう。次のような様子が見られるときは、単なる汚れではなく、耳のトラブルが起きている可能性があります。自己判断で掃除を続けず、動物病院に相談してください。
- 耳の中が赤くなっている・腫れている
- 強いにおいがする(すっぱいにおい・生ぐさいにおいなど)
- 黒い耳垢・茶色や黄色っぽい耳垢が多く出る、耳垢がべたついている
- しきりに頭を振る・耳を後ろ足でかく・床に耳をこすりつける
- 耳をさわると痛がる・怒る、耳から液体が出ている
上のようなサインが見られるときは、外耳炎などの耳のトラブルが起きている可能性があります。こうした場合、市販のイヤークリーナーで掃除を続けると、かえって悪化してしまうこともあります。自己判断で対処せず、早めにかかりつけの動物病院を受診してください。耳の状態は、動物病院で耳垢を調べたり耳の奥を確認したりすることで、原因に合ったケアにつなげてもらえます。気になる様子があるときは、早めの相談が愛犬の負担を減らすことにつながります。
犬の耳掃除に役立つグッズ
ここからは、犬の耳掃除に役立つ代表的なグッズを紹介します。価格や在庫は時期・販売店で変わるため、最新の情報は各販売ページでご確認ください。なお、耳の病気が疑われるときの点耳薬などの医薬品は、自己判断で使わず、動物病院で相談してください。ここで紹介するのは、あくまで日ごろのお手入れに使えるアイテムです。
犬用イヤークリーナー(耳の洗浄液)
耳の汚れを拭き取りやすくするための、犬用の洗浄液です。コットンに含ませて拭いたり、商品の説明に沿って使ったりできます。犬の耳のお手入れ用に作られたものを選び、使い方や量はパッケージの表示に従いましょう。低刺激タイプや、においが気になりにくいタイプなど、いろいろな種類があります。
コットン・脱脂綿
耳の入り口や見える範囲をやさしく拭くのに使います。指に巻きつけて使えるので、耳の中を傷つけにくいのが利点です。大きめのコットンや、犬のお手入れ用に厚みのあるタイプだと使いやすくなります。綿棒で耳の奥を掃除するのは避け、コットンで見える範囲をやさしく拭くのがおすすめです。
犬用耳掃除シート
あらかじめ洗浄成分を含ませてある、拭き取りタイプのシートです。指に巻いてサッと拭けるので、手軽にお手入れしたいときに便利です。ウェットシートタイプなら、洗浄液とコットンを別々に用意しなくても使えます。お出かけ先や、こまめに拭いてあげたいときにも役立ちます。犬用として作られたものを選びましょう。
ブラッシングや爪切りなど、ほかのお手入れのやり方も合わせてチェックしておくと、日ごろのケアがぐっとラクになります。

よくある質問(FAQ)
- Q犬の耳掃除はどのくらいの頻度でやればいいですか?
- A
耳掃除の頻度には、犬種・耳の形・体質・季節による個体差が大きいため、一律には決められません。立ち耳で汚れの少ない犬は、耳がきれいならこまめに掃除する必要はなく、汚れているときだけ拭く程度で十分なことが多いです。垂れ耳や耳の中に毛が多い犬は汚れがたまりやすい傾向があるため、こまめに様子を見てあげましょう。回数を決めるより、耳の状態を観察して汚れているときにやさしくケアするのが基本です。掃除のしすぎはかえって耳を傷める心配があります。
- Q犬の耳掃除に綿棒を使ってもいいですか?
- A
綿棒で耳の奥まで掃除するのは避けたほうが安心です。綿棒で奥を突くと、汚れを奥へ押し込んでしまったり、耳の中を傷つけてしまったりする心配があります。犬の耳はL字型で見えない部分が多いため、飼い主さんが奥まで掃除するのは難しいものです。見える範囲は指に巻いたコットンやガーゼでやさしく拭き、奥の汚れが気になるときは動物病院やトリミングサロンにおまかせしましょう。
- Q犬の耳が赤い・においがするときはどうすればいいですか?
- A
耳の中の赤み・腫れ・強いにおい・黒っぽい耳垢・しきりに頭を振るといった様子があるときは、外耳炎などの耳のトラブルが起きている可能性があります。市販のイヤークリーナーで掃除を続けると、かえって悪化してしまうこともあるため、自己判断で対処せず、早めにかかりつけの動物病院を受診してください。動物病院では耳垢を調べたり耳の奥を確認したりして、原因に合ったケアにつなげてもらえます。
まとめ
- 犬の耳の穴はL字型で通気が悪くなりやすく、垂れ耳の犬はとくに汚れがたまりやすい傾向がある
- 耳掃除は「見える範囲をやさしく拭く」が基本。ゴシゴシこすらず、汚れているときにケアする
- 綿棒で耳の奥を突かない。奥の汚れが気になるときは動物病院やトリミングサロンにまかせる
- 頻度は個体差が大きく一律には決められない。回数より、こまめな観察とやさしいケアを優先。掃除のしすぎに注意
- 赤み・強いにおい・黒い耳垢・頭を振るなどのサインがあるときは、外耳炎などの可能性も。自己判断せず動物病院へ
犬の耳掃除は、耳の構造を知り、見える範囲をやさしくケアすることが基本です。無理をせず、犬が嫌がるときはサロンや動物病院の手を借りるのも一つの方法です。耳の様子をこまめに観察して、気になるサインがあるときは早めに相談してみてくださいね。愛犬の耳を清潔で快適に保てるよう、できることから取り入れてみてください。
※この記事は一般的な情報をまとめたものです。耳の状態やケアの方法には個体差があります。耳の異常や体調に不安があるときは、かかりつけの獣医師に相談してください。
